佐野洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病院での待ち時間に読んだ。前から読みたかったのに、癌で亡くなった後になってしまった。時代に決定的に揺さぶられてきた家族の歴史。登場人物たちの、個性豊かな生きざまは、リアルに過ぎて。
たくましいと言っていいほどの母が病院で次第にあくが抜けていくみたいに描かれているところは、死に向かい流れる時間の、ある意味理想の姿のように思えた。その母の、人間から仏に近いような在り様に、佐野さんは、ずっと責めてきた自分が赦されたと感じる。
4歳から触れることのなかった母の手をさすり、包み込む。
病院で、検査の結果を待ちながら、周りの視線気になりつつ涙ぐんでしまった。、