佐野洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんというか、あまり考え事をしたくないとき、緩~い気分でいたいとき、そんなときにぴったりの本。絵本作家・佐野洋子さんのエッセー集。というよりも、「ふつうのおばちゃんの戯わ言集」といった方が、しっくりくる(失礼ながら)。思い出やら日々の雑感やら、とにかく思ったことをありのままに書いている。だからおもしろい。佐野洋子さんの人柄がストレートに伝わってくる。
「メロンが6個あります。弟に3個あげました。いくつになったでしょう。答えは5個である。誰がメロンを3個も人にくれてやるか。」
「結婚とは、恋愛とか理想とかなりゆきとか半狂乱とか打算とかいろいろ動機はあるが、つまるところ相性がいいかどうかという -
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佐野洋子さんは無邪気だなあと思う。いい歳をして、子供だなあと思う。そこがめちゃくちゃ羨ましい。
★人間ってすごい丈夫だよねェ、六十年も動きつづける機械はないよ。毎日使っているんだよ。内臓なんて寝てても一秒も休まず働いているよ。時々手入れなんかすると百年も動きつづけるよ。百年も走る車ないよねェ。
★人間は少しも利口になどならないのだ。そしてうすうす気が付き始めていた。利口な奴は生れた時から利口なのだ。馬鹿は生れつき馬鹿で、年をとって馬鹿が治るわけではないのだ。馬鹿は、利口な奴が経験しない馬鹿を限りなく重ねてゆくのだ。そして思ったものだ。馬鹿を生きる方が面白いかも知れぬなどと。
★いつ死ぬか -
Posted by ブクログ
病院での待ち時間に読んだ。前から読みたかったのに、癌で亡くなった後になってしまった。時代に決定的に揺さぶられてきた家族の歴史。登場人物たちの、個性豊かな生きざまは、リアルに過ぎて。
たくましいと言っていいほどの母が病院で次第にあくが抜けていくみたいに描かれているところは、死に向かい流れる時間の、ある意味理想の姿のように思えた。その母の、人間から仏に近いような在り様に、佐野さんは、ずっと責めてきた自分が赦されたと感じる。
4歳から触れることのなかった母の手をさすり、包み込む。
病院で、検査の結果を待ちながら、周りの視線気になりつつ涙ぐんでしまった。、