佐野洋子のレビュー一覧

  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
    飄々として自由でザクッとした佐野さん。
    どこまでもたくましくでも母性を感じる西原さん。
    そして、率直でかっこいいリリーさん。

    三者三様、みんな違うけれど、どこか近くて。
    とても自然体で、芯がぶれずに自分の姿でシャラッと生きている人って見ていて気持ちがいい。自分が変われないことなんかもとっくに受け入...続きを読む
  • シズコさん(新潮文庫)
    私自身が洋子でありシズコでありうると思った。これから先、出来れば生きにくさを棚卸しし、ラクに元気にしたたかに生きるために、自分自身の因果のようなものを客観的に点検させて貰ったような気がする。
  • シズコさん(新潮文庫)
    母と娘との間、また家族間にある溝や確執。
    世の中、この手のものに無縁の人の方が多いらしく、そういう人々には、上記のような家族関係は理解不可能。そして、そんな人々から出てくる言葉は、「家族なんだから云々かんぬん×××」という類の無神経でつまらないもの。
    だから、本書に共感したタイプの人の中には、自身が...続きを読む
  • シズコさん(新潮文庫)
    娘は幼い頃に拒絶の反応を受けて以降、母を冷淡に見つめ距離を取るようになる。母と娘との“きつい”関係を赤裸々に描いた本作。

    母を捨てたという自責の念は、母の痴呆とともに和らいでいく。年月を重ねたからこそ気付けることは多い。母娘関係に溝を作る女性たちに対しての、著者なりの肯定とエールを込めた作品なので...続きを読む
  • 問題があります
    飾らない文章が良かった。
    絵本で書いていることをエッセイでひけらかしたり解説や説明をしたりしないところが素敵。
  • 私の猫たち許してほしい
    幼き日の思い出や、猫のこと、自分自身が体験してきたことなどを独特な鋭い感覚と鮮やかな観察で描いている。
    最初の章で「バラは騒がしい花である」と言い切ったその感性が非常に面白いと思う。
    オムニバス形式のエッセイ。
  • シズコさん(新潮文庫)
    泣いた。深い深い愛だなぁ(などと言ったらそんな陳腐な言葉で片付けるな、と著者に怒られそうだけど)。
    ここまで自分を直視するのってどんな作業だったんだろう。ほり返して客観視して文章にする作業。人間、見たくないものは見ないまま生きて、何となく満足して死んでいくことだってできるのに、病気をして弱った身体で...続きを読む
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
    3人3様の人生話が面白かった!凡人の凡人から見ると、この3人のどこが平凡なの? と思ってしまうけれど。特に前半のサノさんサイバラさんの対談がすごい。サイバラさんの壮絶な(一般的には)経験を「あなたすごいわねー」とこともなげに受け止めるサノさん。すごいっす。自分の人生も、ちゃんとしなきゃ、とかあまり大...続きを読む
  • ふつうがえらい(新潮文庫)
    覚えていないというエッセイを読んでドキッとした。私もおなじだったから。佐野さんのエッセイはどれも好きなのに、これ読んだことあるようなないようなと思うことが多い。でも読む度に元気に慣れるので、大いに結構、何度でも読もうと開き直ることにした。
  • シズコさん(新潮文庫)
    この本を読むと、女性って生まれながらにして女で、それでいて一貫しているということがわかる。でも、呆けてから菩薩のように、優しくなっていくのは、男もそうかもしれません。だんだん人間が大きくなって、昇華していく感じがする人っているような気がします。
  • 友だちは無駄である
    わたしなりに解釈すると・・・
    幼少期は、友情など存在しない時代であり、友だちは玩具と同等。
    その場かぎり、ただ全力で遊ぶ対象でしかない。
    やがて、思いやりの心は芽生えるかもしれないが、
    心にも体にも十分な力は備わっておらず、お金も時間も自由にならない年齢で、
    友情と呼べるほどの交流を育むには不自由す...続きを読む
  • 私はそうは思わない
    「100万回生きたねこ」を描いた人。

    私が小学校2年生の時に、母が「よい絵本だ」と聞いて私に買ってくれた。
    私は読んでみたけど、別に良い絵本だとは思わなかった。
    よい絵本がなんだかよく分からないし。
    愛とか死はもちろん「猫が死んでかわいそう」とかも思わなかった。
    みんな猫が死んで悲しんでるのに、猫...続きを読む
  • 役にたたない日々
    生きるって、しょーもない。
    毎日消費ばっかして、何か作ってもそれもそのうちゴミになる。

    すべては児戯に過ぎなくて、人生の目的なんて幻想だ。
    誰もが役目を持って生まれるとか、これって新興宗教だろう。

    でもまあ、そんなもんだ。死ぬまでに少しはいい人間になれたならめっけものだろう。
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
    佐野洋子の対談集。
    西原理恵子、リリーフランキーという対談相手も魅力的。

    深い悲しみと怒り、恨。

    でも、佐野洋子は飄々としている。その飄々と心の深淵を衝く佐野洋子の言葉にぐっとくる。
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
    怒りが根本にある西原さんと佐野さん。いくつになっても性格はかわらんものですね。自分の人生を笑いなく赤裸々に語る西原さんが珍しい。
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
    この対談集を読んでいたら、世の中にはいろんな人がいていろんな人生があって、今私が悩んでいることなんて「ちっせぇ〜なぁ」と笑い飛ばしてしまえるような元気さをもらった。
    平凡な人生を全うするのは、至難の業だと思うのね
    働かないで食うなんてありえないです
    女には、なかなか折れない強さがあるよね
    息子をニー...続きを読む
  • 役にたたない日々
    俺も癌にかかって70迄に死にたい。うちの父親は山のような年金があったから可哀想だったけど、癌は確実に死ねるからいい病気だ。
  • 神も仏もありませぬ
     画家で、「100万回生きたねこ」の作者としても知られる佐野洋子さんの63歳から65歳の頃に書かれたエッセイ。

     63歳の佐野さんが88歳の痴呆の母親に年を尋ねたら「そうねェー四歳くらいかしら」佐野さん自身が衝撃を受けながらも同時に可笑しさが込み上げて来る様子が手に取るようにわかる。

     佐野さん...続きを読む
  • シズコさん(新潮文庫)
    母と娘。
    老後を見てもらうなら、実の娘がいいと言われますが、一説にはお互いに本音でぶつかり合うから、わがままの言いたい放題、したい放題になってしまう、という話を聞いたことがあります。

    『100万回生きたねこ』の作者で絵本作家でもあった佐野洋子さんも
    そんな母と娘の葛藤を体験した一人でした。
    同じ娘...続きを読む
  • 役にたたない日々
    読んだ私は不惑ど真ん中。
    視力に筋力に記憶力に、生活の至るところに己の経年劣化を意識し始めて数年。
    まだまだ序の口なのだ、『老い』の。

    読みながら、ざわざわした。
    『史上初めての長寿社会での私達は、生き方のモデルを持たずに暗闇を手さぐりしながら云々……』
    というくだりが、どうにも頭から離れない。
    ...続きを読む