佐野洋子のレビュー一覧

  • 役にたたない日々
    真に自立した女性は、必ずしも男女同権を叫ばないとか、言葉狩りを憂うとか、おしゃべりをしているみたいな気さくな文体ながら、内容は痛快で奥が深かった。
  • 私はそうは思わない
    佐野洋子のエッセイは、ファンは多いと思う。
    なぜだろう?

    きちんと、物事に向き合うという姿勢が感じられるからかもしれない。
    斜に構えることなく、開き直るところは、しっかり開き直ったり、
    感じたことをストレートに表現したり。

    そのあたりが共感を生んでいるのかもしれない。
    彼女が遺してくれたものに感...続きを読む
  • 友だちは無駄である
    切れ味のよい人間関係のお話。
    友情、恋愛、親子、社会での関わり。
    題名は、とても逆説的。
    ご本人無駄だけど、その無駄が大切であることを
    よくわかっている。

    すっきりとした良い本です。
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
     「おじさんのかさ」って佐野さんの作品だったんですね。「100万回生きたねこ」も子供の頃読んだきりで何もわからなかったけど、また読んでみよう。
    3人とも壮絶な人生なのにカラッと語られていて引き込まれる。会話がかみ合っていない気がしたけど(笑)

    佐野さんの無欲ぶりにびっくり。私はどうあがいても西原さ...続きを読む
  • 右の心臓
    書かずして書く、というか、サラリとしてるというか、とにかく均一なテンションで描かれているんだけど、どの話も見事な見事なまでに畏い。
    テンション変わらないから油断すると電車の中でも泣いちゃいます。
  • 友だちは無駄である
    「100万回生きたねこ」の佐野さんはエッセイも上手い。
    タイトルからは一見寂しい印象を受けるけど、ここで表してるのは「無駄な時間をともに費やすもの=友だち」という意味。

    言い得て妙なり。

    一人っ子だったせいか今でも新しく友だちを作るのは得意じゃないけど、長い付き合いの友だちと無駄な時間をこれから...続きを読む
  • ふつうがえらい(新潮文庫)
    エッセイといえば、野田秀樹の「ミーハー」が一番と思い続け、今まで他のエッセイには、手を伸ばすことなく過ごしてきた。
    とはいえ、それなりの年数も経ったので、そろそろいいだろうと…。
    (って、わけでもないが。実際「ミーハー」は、今読んだらどうなのだろう?確か絶版で、家にも見当たらない…)
    で、佐野さんの...続きを読む
  • 友だちは無駄である
    タイトルに驚いて読んだ。面白かった!
    産まれてはじめの他人との接触から現在までの友達について谷川俊太郎と対談してる。
    友達は、なにも生産性がないからこそ大切。無駄なことにこそ光りがある。

    改めて思うのは、こどもって大変だったなぁということ。戻ったりしたらやってける気がしないや。

    ともだちといつも...続きを読む
  • 右の心臓
    戦後の混乱期を生き抜いたある少女の話。
    大人のずるさ、弱さ、強さ、優しさを、じっと見つめていた少女の強いまなざしにたじろいだ。
    幼いお兄さんの死をめぐる生々しい描写は、読み返すことができない。
    今なら助けられたであろう幼い命が、当時はどれだけ失われたのだろう。
    親の悲しみを思うとやりきれない。

    ...続きを読む
  • 私はそうは思わない
    題名からしてもう、生きる力をもらえる感じ。
    女の20代以降は変化ばかりで、でも気を遣わなきゃいけないのは変わらなくて、苦しくなってしまうのだけど、
    私は私でいいんだと、作者のエッセイを読んで、軸を持ち直す感じ。
  • がんばりません(新潮文庫)
    頑張らないと言いつつ頑張ってるのがかっこいい。
    忙しい忙しいと振舞う人が大嫌い。
    だから佐野洋子が好き。
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん
    佐野洋子と西原理恵子、佐野洋子とリリーフランキー、それぞれとの対談集。
    本来の性格でもあろうが、がん再発の状況下で何に対するこだわりもない著者が、人生と格闘中の西原や、浮遊感のあるリリーと自然体で語り合った対談集。
    彼女の本を読むとなぜか励まされる。
  • 神も仏もありませぬ
    絵本の『100万回生きたねこ』の作者のエッセイ。
    どんな人があの『ねこ』を書いたのかしらと、
    興味がわいて読んでみました。

    あのねこは・・・作者そのもの?
    男性でも女性でも
    ここまでスッパリと物事を言いきれる作家に初めて会いました。

    この著書は、山村で暮らす自分の生活をもとに、
    幼いころの思い出...続きを読む
  • 私の猫たち許してほしい
    借りものではない言葉でつむぐ彼女の世界は、無骨だが繊細に、鮮やかな色合いを持って、心を突き刺さしてくる。
    高橋直子さんの解説にも魅入ってしまう。
  • ふつうがえらい(新潮文庫)
    独特の鋭い感性で綴られたエッセイ。その毒舌ぶり、自分をも客観的に分析する冷静な観察眼に笑わせてもらえます。
  • 私はそうは思わない
    『私はそうは思わない』と言うのはなかなか難しい。

    言えば角が立つし、そういう自分に確固たる自信もない。
    気持ちなんてすぐ変わっちゃうかもしれないじゃん。


    でも『私はそうは思わない』の蓄積がその人を形取り個性を浮かび上がらせる。

    毒のない人にはリアリティを感じない。
    毒こそその人、と思えば罵詈...続きを読む
  • 役にたたない日々
    エッセイなので読みやすく一日で読み終えました。

    「六十八歳は閑である。六十八歳は誰からも求められていない。六十八のバアさんが何をしようとしまいと注目する人は居ない。淋しい?冗談ではない。この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬ事を思いたい。」

    若い人から見たら立派なおばあちゃんと...続きを読む
  • 神も仏もありませぬ
     ”そして、私は不機嫌なまま65歳になった。”
     ”7歳も40歳も今でも同じでただ私が驚いている”
    と。
    老いや物忘れの日常を、構えなく綴る。
    時々深刻で時々さびしかったりもするけれど、ほとんどあっけらかんと可笑しい。
    たぶんそうなんだろうな。


    ”金の心配をしながら、90まで生きたらどうしよう、...続きを読む
  • 神も仏もありませぬ
    やっぱり佐野洋子さんのエッセイはいいね。
    こういう60代でもいいんだ!!!って気持ちが楽になります。

    もちろん、常人ではないすごいエネルギーと才能がおありだった
    特殊な人の例なので、凡人以下の自分が真似しても
    鼻つまみ者になるだけですが、、、
  • 役にたたない日々
    元気のない人、お読みください!
    「100万回生きたねこ」の著者の老境のエッセイ。年齢とか性を超えた「人間らしい(まったく格好をつけない)」名言の数々に脱帽。久々に「本棚に入れなきゃ!」と思った一冊です。
    因みに・・・その1.この本はワタクシではなく、本なんて自分じゃ買わないウチのハハウエが友人にもら...続きを読む