佐野洋子のレビュー一覧

  • ふつうがえらい(新潮文庫)

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    ネタバレ

    エッセイといえば、野田秀樹の「ミーハー」が一番と思い続け、今まで他のエッセイには、手を伸ばすことなく過ごしてきた。
    とはいえ、それなりの年数も経ったので、そろそろいいだろうと…。
    (って、わけでもないが。実際「ミーハー」は、今読んだらどうなのだろう?確か絶版で、家にも見当たらない…)
    で、佐野さんの「ふつうがえらい」。むぅ~!おもしろい!
    斜に構えて、エッセイから遠ざかっていた年月が実に惜しい。
    「正義が嫌い」と言ってのける勇気。私も!!!!
    「確信に満ちている人が嫌い」私も!!!!
    思っていても、なかなか口に出せないことを、すっきりはっきり言ってくれる、そんな佐野さんのエッセイ集。(佐野さん

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    2012年05月20日
  • 友だちは無駄である

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    タイトルに驚いて読んだ。面白かった!
    産まれてはじめの他人との接触から現在までの友達について谷川俊太郎と対談してる。
    友達は、なにも生産性がないからこそ大切。無駄なことにこそ光りがある。

    改めて思うのは、こどもって大変だったなぁということ。戻ったりしたらやってける気がしないや。

    ともだちといつも通りの無駄な時間を過ごしたくなる本。

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    2012年04月22日
  • 右の心臓

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    戦後の混乱期を生き抜いたある少女の話。
    大人のずるさ、弱さ、強さ、優しさを、じっと見つめていた少女の強いまなざしにたじろいだ。
    幼いお兄さんの死をめぐる生々しい描写は、読み返すことができない。
    今なら助けられたであろう幼い命が、当時はどれだけ失われたのだろう。
    親の悲しみを思うとやりきれない。

    その父母も、佐野洋子さんも、もういない。

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    2012年04月21日
  • 私はそうは思わない

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    題名からしてもう、生きる力をもらえる感じ。
    女の20代以降は変化ばかりで、でも気を遣わなきゃいけないのは変わらなくて、苦しくなってしまうのだけど、
    私は私でいいんだと、作者のエッセイを読んで、軸を持ち直す感じ。

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    2012年03月30日
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん

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    佐野洋子と西原理恵子、佐野洋子とリリーフランキー、それぞれとの対談集。
    本来の性格でもあろうが、がん再発の状況下で何に対するこだわりもない著者が、人生と格闘中の西原や、浮遊感のあるリリーと自然体で語り合った対談集。
    彼女の本を読むとなぜか励まされる。

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    2012年03月10日
  • 神も仏もありませぬ

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    絵本の『100万回生きたねこ』の作者のエッセイ。
    どんな人があの『ねこ』を書いたのかしらと、
    興味がわいて読んでみました。

    あのねこは・・・作者そのもの?
    男性でも女性でも
    ここまでスッパリと物事を言いきれる作家に初めて会いました。

    この著書は、山村で暮らす自分の生活をもとに、
    幼いころの思い出や家族のことなど、
    日常の中での小さな出来事までも、鮮明に書かれたエッセイでした。
    最初に驚いたのは、物事に対する考え方が実にストレートなこと。
    過激すぎるほどストレートです。

    婉曲やはぐらかすような表現はいっさいせず、
    「○」か「×」か。「好き」か「嫌い」か。どちらかの表現のみなのです。
    自己中

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    2017年11月09日
  • 私の猫たち許してほしい

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    借りものではない言葉でつむぐ彼女の世界は、無骨だが繊細に、鮮やかな色合いを持って、心を突き刺さしてくる。
    高橋直子さんの解説にも魅入ってしまう。

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    2011年12月25日
  • ふつうがえらい(新潮文庫)

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    独特の鋭い感性で綴られたエッセイ。その毒舌ぶり、自分をも客観的に分析する冷静な観察眼に笑わせてもらえます。

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    2011年12月11日
  • 私はそうは思わない

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    『私はそうは思わない』と言うのはなかなか難しい。

    言えば角が立つし、そういう自分に確固たる自信もない。
    気持ちなんてすぐ変わっちゃうかもしれないじゃん。


    でも『私はそうは思わない』の蓄積がその人を形取り個性を浮かび上がらせる。

    毒のない人にはリアリティを感じない。
    毒こそその人、と思えば罵詈雑言も楽しい。



    殺菌しすぎの世の中で泥遊びする楽しさを佐野洋子の中に見いだす。

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    2011年11月12日
  • 役にたたない日々

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    エッセイなので読みやすく一日で読み終えました。

    「六十八歳は閑である。六十八歳は誰からも求められていない。六十八のバアさんが何をしようとしまいと注目する人は居ない。淋しい?冗談ではない。この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬ事を思いたい。」

    若い人から見たら立派なおばあちゃんと言われる年齢になっても、このように思っているということに、ああ、やっぱりそうなんだ、という思いと、外見が老いても、中身は若い頃と変わらないことのギャップを果たして自分は受け止められるだろうかと我が身に当てはめて考えてしまいました。

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    2011年10月09日
  • 神も仏もありませぬ

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     ”そして、私は不機嫌なまま65歳になった。”
     ”7歳も40歳も今でも同じでただ私が驚いている”
    と。
    老いや物忘れの日常を、構えなく綴る。
    時々深刻で時々さびしかったりもするけれど、ほとんどあっけらかんと可笑しい。
    たぶんそうなんだろうな。


    ”金の心配をしながら、90まで生きたらどうしよう、呆けたらどうしようと、暗闇に突っ込まれた様になったが、ひどくたびたび突っ込まれても、考えたからって、どうなるものでもなかった。一生懸命心配しても呆けない保証もなく、もしかしたら102歳まで生きてしまうのを止める事も出来ず、今運よく心臓発作におそわれるかもしれない。しかしそれは人の力をこえる事だった。

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    2011年06月23日
  • 神も仏もありませぬ

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    やっぱり佐野洋子さんのエッセイはいいね。
    こういう60代でもいいんだ!!!って気持ちが楽になります。

    もちろん、常人ではないすごいエネルギーと才能がおありだった
    特殊な人の例なので、凡人以下の自分が真似しても
    鼻つまみ者になるだけですが、、、

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    2011年06月20日
  • 役にたたない日々

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    元気のない人、お読みください!
    「100万回生きたねこ」の著者の老境のエッセイ。年齢とか性を超えた「人間らしい(まったく格好をつけない)」名言の数々に脱帽。久々に「本棚に入れなきゃ!」と思った一冊です。
    因みに・・・その1.この本はワタクシではなく、本なんて自分じゃ買わないウチのハハウエが友人にもらったので読んでいるのを、何気なく手にとった・・・といういい加減な出会いです(~_~;)
    因みに・・・その2.佐野洋子さん、がんだったのを抗がん剤うたずに亡くなったんですね。。。なんだか生き方に共感してしまいました・・・

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    2011年06月11日
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん

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    ネタバレ

     自己啓発本のようなものをよく読むことがあるけれど、
    こういう対談集でそれぞれ歩まれた人生を語りながらの
    価値観や文化、思考を知るっていうスタイルは
    意外にいいもんですね。受け取りやすい。
    語り手が見えすぎているから、説得力がある。
    しかも、この3名という豪華さ。
    面白かったです。

     佐野さんのお話では、命に関する価値観が興味深かった。
    小さい頃から兄弟や時代のせいもあって死を間近で
    見てきた佐野さんにとって、飢えて死んでしまう子供の命と
    今の臓器を売り買いするような命は違うということ。
    死ぬということには、自然な摂理があるということ。
    タバコを吸いながら、健康とか長寿、お金に関しても
    執着

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    2011年05月17日
  • 友だちは無駄である

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    友だちは人生に直接役立つものでなく、役立ったらそれは友達でなく別の何かである。友だちと共に過ごす無駄な時間こそ貴重である、とか。
    対談形式はなんだか入り込みにくいけど、この対談相手佐野さんと仲良しなのかなあ、頭がよくてインタビュアーとして冴えてて佐野さんとの会話のテンポもすばらしいなあ、と思ってたら谷川俊太郎さんだった。ええー!
    年をとってこんな風に話せる相手がいたら最高だなと思った。小形桜子さんとの会話もよい。

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    2011年05月02日
  • 私はそうは思わない

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    ネタバレ

    好きな本…「サン・ミケーレ物語」「アフリカの日々」「クレーブの奥方」「ぽるとがるぶみ」「ねずみ女房」「絶対安全剃刀」

    ううんおれメロン食いたい 『野々宮』は『天使のお道具』を運ぶ 腹が立っている時は自分がまっとうである様な気がして元気が出る  「私はそうは思わない」というのは「私はこう思う」というのと少し違う。
    私はどちらも選べなかった…「可愛い」ハンドバックを取り、「知的でシック」を諦めた。
    私は五歳の頭と体で、「愛らしく」見えることへの自分へのおもねりは、「知的でシック」よりも低次元だったと自分の勇気のなさを残念に思うのであった
    私はまたぞくっとしたいと思っている…掘って掘って堀り進めば

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    2011年04月05日
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん

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    軽々と語られているのに一つ一つの言葉が重い。読み終えたらなぜだかちょっと涙が出た。佐野さんのご冥福をお祈りします。

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    2011年09月06日
  • 佐野洋子対談集 人生のきほん

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    途中で終わってしまっているのが残念。リリーさんとの対談がもっと読みたかった。やっぱり子どもを生むと人生観が変わるという話には子どもがいない身としては実感がわかないけど、まあそうなのかもと思ったりもする。

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    2011年09月03日
  • ふつうがえらい(新潮文庫)

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    正論を嫌うあまり、逃げて茶化して攻撃し始めて会話が成り立たなくなるのがうちの家人なのだけど、彼女が言いたいのはこういうことなんだろうなと思った。
    佐野さんは佐野さんの「正しい」という判断に「理由は分からない」ということを説明してくれ、それでもどうして自分は正しいと感じるのかということを説明してくれる。それはとてもおもしろくて納得がいく。
    こういう思考で、それをこんなにふつうに言葉にできる人を初めて見た。
    「100万回生きたねこ」をかいた人か!ってすごく納得した。
    河合隼雄さんの解説は理屈に落とし込んでくれてて分かりやすい。

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    2011年02月05日
  • 神も仏もありませぬ

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    面白かった。佐野さんは少し前までは絵本「100万回生きた猫」の作家で、この間「シズコさん」を読んだ時には絵本作家とはまったく別の顔を見せられて衝撃を受け、今回はとっても自由に生きる一人の魅力的な人間だった。老いてますます元気になんて言わないところがいい。もう引退したい、くらいに思っているところがとてもいい。いい人ぶらないしきれいごとじゃない本音も書いている。長生きしてボケることを恐れている。そうかー、そうだよなー、そうなるのかもしれないなーと、何度も思いました。

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    2011年07月16日