佐野洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ母と娘の関係は難しいと言われる。
母娘に限らず、肉親には、共に過ごした時間と、良くも悪くも、深い愛情や期待がある。
簡単に好いたり嫌ったりできるものではない。親子とて他人だと分かっているけど、そうそう割り切れるものではない。
著者も幼い頃から母親に虐待まがいの扱いを受け続け、母親が認知症を患うまてでは母親を嫌う気持ちを抱き続けていた。
一方で、家族の記憶を反芻する中で、激動の時代を力強く生きて、物理的に家族を支え続けてきた母親への尊敬と同情の念を抱いていることも再認識する。
ときに同じシーンの記憶を二度三度と繰り返し思い返しながら、許せない気持ちと許したい気持ちを行ったり来たりするのはとても -
Posted by ブクログ
■ネタバレがあります
佐野さんが、お母様とご本人の一生に渡る関係を書き切った自伝的なエッセイ。
佐野さんは、お母様からの愛情を感じない。ご自身も、お母様をはっきりと嫌っていて、その嫌っていること自体に強い自己嫌悪を感じている。お母様の晩年、老人施設に預けることになったが、それを佐野さんは、お金で母親を捨てたという、これも強い自己嫌悪を感じてしまう。
佐野さん一家は戦前、北京に住み、戦争が終わってから、日本に引き揚げてくる。結局、お母様は7人の子供を産み、うち、3人の男の子を亡くしてしまう。話は、佐野さんの幼少時代から始まり、引き揚げ後の一家の生活ぶりを描く。その中に、自分と母親との関係を織り -
Posted by ブクログ
この前の白いしるしの本の中に、
以前借りた人の、貸し出しレシートが挟まっていて、
その人は、
西加奈子さんの白いしるし
夏目漱石のそれからと三四郎
そして、佐野洋子さんのシズコさん
たぶん登場人物の、名前が題名の本が気になって、
この本にたどり着きました。
娘の洋子さんが、母親に対するシズコさんへの思いの本。
読んでて、小説ではほとんどない?
なんども同じことが何回も出てきて、
なんかこの本の良さがわからず、
早く読み終えたいなぁとも思ってた。
でも、最後の22のところから、
紙のロールみたいなものが、
いろんなきれいなもので開くように、
どんどんどんどん開 -