佐野洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ビビッドな黄色いカバーが書店で一際目立っていた本。『百万回生きたねこ』で有名な佐野洋子さんが著者だ。いつも、佐野洋子さんと小川洋子さんを混同してしまうのだが、小川洋子さんは『妊娠カレンダー』や『博士の愛した数式』を書かれた方です(←当たり前)。
買おうか買うまいか手にしてから悩むが、最初の『才能ってものね』を読んでクスリ。絵は北村裕花さんという絵本作家の方が描いているのだが、この絵も佐野さんのことばにピッタリあっている。買うのを決めました。
どの話しもクスッとしながらも、鋭い視点に感心させられる。世の中、ビジネスモデルとかコンプライアンスとかグローバル化とか、何かこっちの方向にいかねば! -
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Posted by ブクログ
佐野さんのエッセイを読んでいると、渇を入れられた気がします。
「…自分が死んで自分の世界は死んだとしても、宇宙が
消滅するわけではない。そうガタガタ騒ぐな…」
なんともすっきりした死生観でした。
でも…、見送る方はやっぱり寂しいですよね。
余命宣告されたのに、二年経ってもまだ死なない!
主治医から、「佐野さん、まだ死にませんよ」と言われ、
「えー!お金使っちゃいましたよ。どうしてくれるんですか」
なんて、くってかかる佐野さん。
切実なのかなんなのか、クスッと笑ってしまいます。
後半のエッセー「そうだったのか」は、ガンを宣告される前、
神経症を患った頃のものです。
ガンよりも、痛々しさが伝わ -
Posted by ブクログ
力のあるエッセイでした! やっぱし戦争を経験した世代の人の書く本というのは…戦後とか知らない人が書いた本よりかはるかにパワーに溢れている…そんな感慨を抱かざるを得ない本でしたね。
ヽ(・ω・)/ズコー
著者のエッセイはこれまでも何冊か読んでいますけれども、いくつか重複している話がありますね。まあ、いいですけれども…
エッセイについての感想って難しいんですけれども、なんというか…物質的に豊かになっていく日本。その中で生きる日本人の精神の変質というか…そういうものをかなり危惧されておられましたね、著者は。そして、著者が危惧した通り、現代日本は沈没に向かっているかのような…そんな社会情勢だと -
Posted by ブクログ
本当に面白いエッセイ。
佐野さんが、自分の頭でしっかりと物事を考えて生活しているのがよく伝わって来ました。
でも、頭で考えてから行動するのではなく、やってしまったことを後になってから考えています。そして、その自覚なしの向こう見ずな行動の仕方が、読んでいて気持ちがよかったです。
自分の周りを見回して、テレビや映画越しに社会を見渡して、あるいは過去を振り返って発するコメントは、誰にも気遣っていない直球な意見で、周りの意見に振り回されずにここまでまっすぐに物事を見つめて考えられるのは、本当にすごいなと思いました。
この本を執筆している間もなかなかしんどそうな生活を送っていらしたと思うのに、その