佐野洋子のレビュー一覧

  • 100万回生きたねこ
    この絵本は本当に深いなと感じる。

    様々な人に愛され、命が尽きるたびに大泣きをされるが、飼い主を嫌いだった猫は一切泣かずにまた生きる。
    しかし、たった一匹の猫を愛し、その猫との子猫たちを愛す。その猫が静かに動かなくなったときは、朝も晩も泣いて、泣きながら自分も動かなくなる。
    その後、決して生きかえる...続きを読む
  • 100万回生きたねこ
    白いねこと出会えたねこ。それだけで泣ける。最後はもう涙腺崩壊。
    子供の時には何故これが名作なのか分からなかった。ねこのように出会いと別れを繰り返して初めて分かる。極端にいえば出会いと別れは生と死だから。
  • 100万回生きたねこ
    自分のことが大好きで、誰のこともきらいだった「ねこ」。
    「おれは、100万回もしんだんだぜ!」と自慢して暮らしていた中で、見向きもしない白いねこが気になって近づくようになる。

    今まで何度死んでも泣かず、死ぬのなんか平気だったねこは、白いねこが亡くなって初めて泣いた。
    本当に好きな相手ができて、愛を...続きを読む
  • 私の猫たち許してほしい
    読んでいると自分の周りが静寂に包まれる。

    どこか悲しくて、寂しくて、懐かしくて、人間の深い部分を垣間見る、それでいて不快ではない不思議な良さがある。
  • 100万回生きたねこ
    再読。昔読んだ時よりずどんと心にのしかかってくる。年月を経て、大切な人が限りある命なんだって、余計にひしひしと感じるから。一緒にいる時間、一瞬一瞬を大切に過ごしたい、とあらためて思いました。
  • 100万回生きたねこ
    大事なものができて変われた猫君。
    最後はジーンとくる。
    何度も読むことで理解が深まる本だなと感じる。
  • 100万回生きたねこ
    人生において、「泣きたくなる」ときの想いというのは、時に、全ての優先事項を投げ出したくなる程の、かけがえのない大切なものなのかもしれない。

    泣くことって、時に、堪えたり、我慢したりすることもできるけれど、そうした事を考える余裕もないくらい、気付いたら号泣していたときの、心の中って、どんな感じなのだ...続きを読む
  • 100万回生きたねこ
    猫は100万回生き返りながら、自分の本当の死に場所-つまり幸せな場所を探し続けていたのでしょうか。そして、もう生き返ることはなくなった。
  • 100万回生きたねこ
    だいきらいな人やものは捨ててもなんとも思わない、なくなってスッキリするし、誰に対してもそう思ってしまう境界は繰り返す。
    人を愛し、大切にした者は失う時の辛さもあるけど、成仏できるという解釈をしてみた。

    この本の解釈に正解はないのかなとも思った。
  • 100万回生きたねこ
    今改めて読むと、命を、今を大事にするべきだと教えてくれるような話だった。ずっと読み継がれていくんだなぁ。
  • シズコさん(新潮文庫)
    こんな時代だったわねと思いながら読みました。自分の母のことをちょっとだけ思い出しました。反面教師にしてきた母のことを。
  • もぞもぞしてよ ゴリラ/ほんの豚ですが
    タイトルに惹かれて、小説だと思って読み始めたけど何か違う、でも小説?
    解説まで読んで、これは長い文章の絵本だったのかと腑に落ちた
    こういうの、好き
    夜に読むのにぴったり
  • シズコさん(新潮文庫)
    母と娘の関係は難しいと言われる。
    母娘に限らず、肉親には、共に過ごした時間と、良くも悪くも、深い愛情や期待がある。
    簡単に好いたり嫌ったりできるものではない。親子とて他人だと分かっているけど、そうそう割り切れるものではない。

    著者も幼い頃から母親に虐待まがいの扱いを受け続け、母親が認知症を患うまて...続きを読む
  • 100万回生きたねこ
    ラストの一文は、どうみてもバッドエンドなのに、このストーリーの場合は幸せで満たされている。
    飼い主や、飼われる環境が大嫌い、自分も好きではないとらねこは、100万回も転生を繰り返す。あるときとらねこは、誰のねこでもないのらねこになり、自由を手にし、はじめて自分が大好きになる。ヒーローとなったとらねこ...続きを読む
  • 役にたたない日々
    何回読んだかわからないほど好き。
    笑って、元気になれて、考えさせられる。
    身内にいたら笑えない御方。
  • 役にたたない日々
    一昔前の思考で、少し右派で、辛辣大胆、ヤケクソ感があるので好みが別れるかもしれないが、

    私は佐野洋子さんが好きだ。

    結局はすごく情深く、熱い心意気が感じられる。

    物事や出来事をこんな風に素直に受け止め、感じるままに生活したらどんなふうだろうと。

    自分には無い視点に気づかされる。
  • 死ぬ気まんまん
    死というものを非常にリアル正確に伝えてくれる貴重な本

    佐野洋子さんの思想は今では過激な表現も多いが、私は好みで、特に死生観はその人の最後の最後生き様、人格全てを表してしまうものだと思う。

    それは周りの家族も同然で。
    死はタブーではないと、死にゆく過程を見せてもらい育ったことが私のアイデンティティ...続きを読む
  • ふつうがえらい(新潮文庫)
    帯通り。佐野洋子は正しい、その上おもしろい。

    読んでる間何度も、この人っていつの時代の人だったかなと確認した。
    戦後に生きて、新幹線が開通した日に乗った人。
    今の時代でも見事におもしろく、新しく、おもしろい。

    やっぱり佐野洋子さんが好きだ。
  • でもいいの
    絵本のような想像の世界にいるような登場人物たち

    クセのオンパレードな訳ですが、
    昭和の時代にはそういう人たちが私の周りにもたくさんいたなぁ。

    なんて、昔を懐かしんだ本。
    クセ強人物はどの方も、佐野洋子さんの書く文章により、温かく、人間らしく、生々しく、泥臭く、
    良い味に変容され、

    一度会ってみ...続きを読む
  • シズコさん(新潮文庫)
    話があっち飛びこっち飛びしたり、同じエピソードが違う話の時にも出てきたり、その話の肉づけの仕方が独特で、最終的に厚みが出る面白い文章だなぁと思いました。

    佐野洋子さんの気持ちはとっても良くわかりますし、本当に勝手なのですが、最後結局気持ち良くなっていて、なんだよって思ってしまいました。
    救いがない...続きを読む