佐野洋子のレビュー一覧
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2〜3ページずつの短いエッセイがたくさん入ってる本。どこを読んでも面白かった。そうそうそうそう!という感じ。
たいていの場合、あちこちにお差しさわりがあったりとか、そういうつもりはないけど無造作に選んだ言葉で人の気分を害してしまったりとか、はたまたどう言葉を選んでも表現をこねくり回しても 「アタシあんた嫌い」 ということがバレてしまうから言えないとか、、、いろいろ気にして結局なんのこっちゃ、みたいなもやもやしたような寝言のようなことしか言えなかったりしますが、この本はそんなことお構いなしに、言いたいことをスパー!っと言ってのけるの連続で、本当に気持ちがスカー!っとしました。 -
Posted by ブクログ
『神も仏もありませぬ』(筑摩書房)を読む。この佐野洋子さん、なんだかとっても面白い人。御歳65歳。鏡に映ったご自分の容姿にぎょっとしたり 過激な言葉を宣ってみたりと とても正直で、且つかわいらしいの。どんな女性なんだろう。豪快で繊細。文章も個性的で、所々 『_・)ぷっ』って笑える。ユーモアがあるんだね。
絵本『百万回生きたねこ』(有名なんでしょ?)を描いた絵本作家さん。この『神も仏も・・』は彼女のエッセイ集だ。
佐野さんは、生きていることにいくつになっても慣れきっていないところが素敵なんだよね。。冗談みたいなこと言いながらも、生きていくことに対して本当に謙虚。そして 歳とったなどとおっ -
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内容をうろ覚えになった頃、また読み返してみる本。
生意気そうで自慢する自分好きな猫、それでもほんとうにほんとうに大切な存在に出会えたときは、素の自分が顔を出し愛情を注ぐ。
大切な存在とのそばにいられる安心感ともう会うことの出来ない喪失感、温かさも受け応えも伝わらなくなる寂しさが動かなくなるまで涙した猫の様子がうかがえる。
大切なものを失って本当の自分、優しさ、愛…がわかってくる。
涙って正直だけど、悲しみに向き合うときはまだその現実を受け止めきれてなく、あとから後から実感してくる。
猫にとってこれまで何度も生と死を繰り返したのは、ほんとうに大切な存在に出逢うまでの試練の道のりだったのかな。 -
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ふんだ、ふんだ。
小さい子にこのお話の深い部分は伝わるんだろうか。
ふんだ。
私はいばりんぼうじゃないけど、たまには言ってもいいじゃないか。
ふんだ。
…でも本当に見習うべきは王様よね。
ぺこぺこしているけど、『平和』というものを理解している。
だからお妃さまも大臣も食べられる魚までもが「ふんだ」と言いつつも王さまに従うんだろうな。
大砲をぺこぺこして避けちゃうなんて素晴らしくない?
兵隊だけじゃなくお城も木も草もみんなぺこぺこしちゃって被害はひとつもない。
攻めてきた方だって、玉を使い果たして疲れ果てただけで怪我すらしてない。
で、一緒にご飯食べて帰っていく。
王さま素晴らしい!
そもそ -
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『嘘ばっか』
こちらは再読。
作者は『100万回生きたねこ』でお馴染みの
佐野洋子さん。
「嘘ばっか」は…
二十六編のお伽話のパロディです。
一編一編がとても短く
サックサク読めちゃいます。
ただ…内容は決して夢いっぱいでもなく
「きれいごと」もないもんだから…
只々、感じ入ってしまいます。
生意気言っちゃうと…
感動は全くないです【一度読んだだけでは】
お伽話のように何度も時間をかけて読むと
ジワリジワリきます✨
それぞれの登場人物の一人称視点で語られるんだけど…
浦島太郎は乙姫様、親指姫は父親だったりで
このお話はいったい誰目線?
って迷子になっちゃうときもあるの。 -
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佐野さんにはあまり大切に思っていなかった友達がいたそうだ。見栄っ張りで嘘つきで、派手好きで、かっこばかりつけるバカな奴と思っていた。
その友達が入院してお見舞いに行った時、その友達の大切さに初めて気がついたという。
◯この人は、私の馬鹿なところ、だめなところ、嫌なところ、くだらないところを引き受けてくれていたのだ。
この人がいなかったら、私の嫌なところ、くだらないところは行き場を失って、私の中に溢れかえって生きてはいけなかったのだ。
立派な尊敬に値する友人だけを持っていたら、私はなんと貧しい土に生きている生き物だっただろう。 二人で過ごしたおびただしい無駄な時の流れ、その無駄を吸い上げて、 -
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ネタバレNHKの番組に、「ヨーコさんの言葉」というものが2014年辺りにあったらしい。その書籍版。
北村裕花さんの絵がたくさん描かれていて、それに佐野洋子さんのエッジの効いた言葉が添えられている。
やはりこの方はただものではない。なんでもないような言葉が、心の奥深くまで染み込んで揺さぶってくる。少ない言葉でとめどなく襲ってくる。
佐野洋子さん、大好きだなぁと改めて思う。
特に好きだったところを少し…
◯愛は身近にいるものを
いつくしむところから生れて、
それは実に
不公平なえこひいきで、
美意識すら変えるものなのだ。
〈個人主義のベルリンの老人たちを見て〉
◯いかに長い歴史と