川原泉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前作「ブレーメン2」でセンス・オブ・ジェンダー賞を受賞したのから一転、ホモフォビア的と批判された本作。問題とされたのは「紹介したい人がいる」と主人公の兄が連れてきたのが男だったという最終話で、確かにホモフォビアと言われかねない描き方ではあります。
だけど、川原泉にとって、あるいは主人公にとって、同性愛者かどうかはさして重要なファクターではない。彼らにとって重要なのは、その対象者が身内かどうかという点に尽きるんだと思います。川原泉の作品においては、身内か身内でないかが決定的な判断基準であり行動原理であって、それは初期から今に至るまで一貫しています。そこでは身内とは無条件に受け入れるべき相手として -
Posted by ブクログ
ネタバレコミックスが1巻で止まってて、続刊が出るのを待ってたら
ある日突然文庫版が出て、取り敢えず完結の体を取っていた、という。
改めて読み返すとどう考えても『未完の大作』という気がしてならない。
たぶん1話1エピソードのつもりだったのが
ボルジア家のお話が濃すぎて長くなってしまい
そのうち休載したり何だりで仕方なくオチをつけた、というところだろうか。
タンパク質の話とチェーザレ君たちの話のヴォリュームが違い過ぎる。
ホントはローマから帰ってきてまた違う時代の違う場所に飛んでって
そのうち仁希のリアリスト振りにも変化が現れて
最終的にバビロンに行って帰ってくるまで続くはずだったんだろうな。きっと。
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Posted by ブクログ
川原先生の最近の作品を読むのは久しぶり。
といっても、2006年から2008年に書かれた作品なのだけど、まあ、自分の中では最近の作品、ということになります。
そりゃ、昔々に比べれば、絵が若干、変わったな・・・とは思うけど、味のある人物設定には変わりがなく、ごはんはやっぱり「もぎゅもぎゅ」言いながら食べてるし、ふふっと薄笑いしながら読み切りました。
随所にはさまれる理数系講座も、好きだな~。
素直にまっすぐ生きていれば、いいことあるかもしれない。と、理由もなく自信をくれるから、また、心がかさついて来たときにでも取り出して読もう。
しかし
ノートのA5版は好きだけど、コミックのA5版はかさば