伊豆原弓のレビュー一覧
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ストーリー仕立てでプロジェクト管理の本質を説いた作品。
ストーリーは、架空の国モロビアに
ソフト開発の管理者である主人公が拉致されて、
国家プロジェクトのソフト開発の管理をさせられるというもの。
話はかなりぶっ飛んでいるんですが、
その過程で、管理についての様々な法則を導きだし、
管理についての法則をまとめていくという
至って真面目でタメになる内容でした。
作品自体は小説のようにサクサク読めて、
それでいてめちゃめちゃ面白い。
トム・デマルコの作品は初めて読んだんだけど、
言っていることはものすごく的を射ていて、
「うんうん」と納得しながら読み進められました。
私たちのような知的生産に関わ -
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Posted by ブクログ
置き土産に @you_got 殿からいただいた(んだよね?)本。リスク管理について正面から理論的に述べています。著者が言うナノパーセント日がふつう期限になっちゃうんだけど、リスク図を見せながら「その日にできる確率はナノパーセントです。その2か月後までにできる確率なら70%です」なーんて言っても「ガタガタ言わずに期限までに上げろや」ってなるんだよなー。で直前になって、遅らせることができる機能を1.5次開発に回すってことになる。アジャイルとは言ってないけど、インクリメンタルな開発で機能を分けて段階的に納品するといいよってことをこの本でも言っていた。あと、「完成が遅れるプロジェクトのほとんどは、あま
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Posted by ブクログ
本書では、主人公トムキンスが旧ソ連のモロビア共和国でソフトウェア・プロジェクトを運営するという物語を通して、プロジェクト管理の教訓を分りやすく示しています。
内容的には、大規模プロジェクトで陥りがちな問題に対する初・中級者向けの教訓が中心となっています。
ただ、これまでの自分の常識が覆されるような目から鱗の事実も多く含まれており、小規模プロジェクトの経験しかない私でも大いに共感と収穫がありました。
何より物語自体が楽しくて、一気に読み終えてしまった程で、ぜひ会社の同僚にも勧めようと思っています。
論理的に論じられている指南書も確かに有用ですが、本書のような物語仕立てでの構成の場合、感覚 -
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内容は、Team building というテーマを、シリコンバレーのハイテク企業ディシジョンテックを舞台にしたフィクション仕立てで学んでいくものです。チームにとっての5つの機能不全を1つ1つ解き明かしていく訳ですが、この5つはチームを形成して機能させていくためには不可欠な要素であり、それらを共有していくプロセスは読んでいて引き込まれる力がある。登場人物も主人公のキャサリン(CEO, 57歳)をはじめ、マーケティングのマイキーや技術担当役員のマーティンなど個性派揃いで、彼らのキャラクター描写がビジネス書にとどまらず読み物としての面白さに一役かっている。必ずしもここに書かれている事すべてが正しいと
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Posted by ブクログ
成功するために必要なのは、複雑な理論をマスターすることではなく、途方もない自制心と根気を持って常識を実践することである。機能するチームのメンバーは、人間が不完全であることを認めることによって、信頼、衝突、責任感、説明責任、結果重視をこれほど難しくしている生来の性質を克服するのである。
チームを機能させる上で必要なことは、個々として認められ、注目されることばかりを求めるのではなく、チームとして認められ、注目されようとすること。チームの自尊心を個人の自尊心より優先すること。
チームメンバーは全員が勝利への責任を持っている。また個々人はそれぞれ役割、責任を持っている。勝利のためには個々の働 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ中小企業の中で組織人として新事業立ち上げに従事している私としては、あまりにも身に覚えがありすぎて、グサグサと胸に刺さる本だった。
「わかる…!!」と噛み締めながら読んでいた。
私の勤める企業が優良企業かどうかはさておき、「古い経営慣行が邪魔をして新しいことへの対応が遅れる」という本書の論旨はあまりにも刺さりすぎた。
私は3人の小さなチームに所属していて、幸い会社の中でもかなり若く、勢いのある人員が揃っているから、モチベーションは高い方だ。
しかし、それでも「なんで会社はそんなことにばかりこだわって動きが遅いんだ!今までの商売と違うんだから、古いやり方に当てはめられるわけないだろ!さっさ -
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Posted by ブクログ
高付加価値化、高額化の罠についての警告。本当にその通り。現在の技術を極めていく事で得られる高品質、完成度、その代償としての高額化、組織や商品発想の硬直化。その一番の原因が、サボっているからではなく、技術者が現在の枠組みやルールの中で一生懸命に取り組んでいるから。そして、枠外の最初は品質もルールも担保されないような発想にコストメリットで凌駕され、やがて品質でも並ばれて負けていく。しかし、ではどうすれば良いのだろう。。。事例で出てくるのは油圧シャベルやHDDの古い話。この事例については賛否あるらしいが、指摘されている警告は正しいと思う。現在進行形はグローバルの自動車業界か日本のモノづくりか。