伊豆原弓のレビュー一覧
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IT企業の経営幹部チームが陥る“機能不全”を物語形式で描きながら、チームがどのように信頼を築き、健全な衝突を通じて成果を上げていくのかを学べる一冊。ストーリー構成のため読みやすく、チーム運営の課題が具体的にイメージできる内容となっている。
本書の主な内容:チームを機能不全に陥らせる5つの要因
レンシオーニは、組織が陥りやすい機能不全を「5つのピラミッド」として整理している。
信頼の欠如(Absence of Trust)
・弱みや課題を率直に共有できない
・自分の担当外の仕事を手伝うことをためらう
衝突への恐れ(Fear of Conflict)
・意見が対立する議論を避け、実際には決定事項に納得していない
・建設的な衝突がないため、意思決定が浅くなり会議が形骸化する
責任感の不足(Lack of Commitment)
・決定事項に主体的にコミットしない
・曖昧な合意のまま物事が進む
説明責任の回避(Avoidance of Accountability)
・約束や行動計画を守らなくても互いに指摘しない
・責任の追及をリーダーに任せてしまう
結果への無関心(Inattention to Results)
・個人や部門の成果を優先し、チーム全体の結果に集中できない
・結果として競争力が低下する
業務への応用:機能するチームが備える5つの行動
本書の最後では、機能するチームが実践する行動が整理されている。いずれも日々のプロジェクトや組織運営にそのまま適用できる内容だと感じた。
お互いを信頼する
・家族情報や出身、経歴などを共有し、関係性を築く
・メンバー同士で長所と改善点を率直に出し合う
アイデアをめぐって遠慮なく衝突する
・意見の相違を明確にする
・議論が不快に感じはじめる“その瞬間”こそ重要であると認識する
決定や行動計画に責任感を持って取り組む
・決定事項と期限を明確化する
・場で合意できていない場合はその場で議論する
計画を守らなかった場合に互いに責任を追及する
・定期的な進捗レビューを設定する
・目標や基準を事前に共有し、透明性を確保する
個人ではなくチーム全体の結果を優先する
・成果の宣言を行い、チームとしてのゴールを明確にする
これらの概念に加えて、本書では
信頼をどのように構築するか、健全な衝突をどう促すか、責任を果たす文化をどのようにつくるか
といった具体的な実践方法も詳しく紹介されている。現場で使いやすい内容が多いため、関心のある方には実際に読んでみることをぜひおすすめしたい。 -
Posted by ブクログ
組織のリーダー向けにコーチングを行っており、HBSでリーダーシップ学の教授を務める著者による「昇進・異動した新任管理者が早期に成果を挙げるため」の方法を示した本。
2014年刊行。
内容はタイトル通り、「新任リーダーが90日間で成果を挙げる」ことにフォーカスしている。
ここでいう「成果」とは、「ブレイク・イーブン・ポイント」、つまり自分が組織に与えてきた価値と組織から消費したリソースが均衡になる点に達することを指す。
著者らの調べによれば、一般的な中間層のリーダーがここに達するまでに掛かる期間は平均6.2ヶ月なので、本書はこれを40%短縮することを目指す。
本書は新任リーダーがブレイク・イーブン・ポイントに達するまでのプロセスを以下のように整理する。
⓪新しい任務に合わせて思考回路を切り替える
①必要な知識や情報を効率良く学ぶ
②状況診断・戦略立案
③初期の成果を挙げる
④会社・上司と成功条件を交渉する
⑤組織のバランスを整える
⑥部下を評価してチームを作る
⑦内外の支持基盤を確立する
⑧自己バランスを保つ
⑨組織全体の移行を速める
これらのプロセスごとに章が分かれており、それぞれでモデルケース、具体的なTo-Do、チェックリスト、気をつけるべきことを示す構成になっている。
非常に実践的な内容で読みやすい。
勿論、これが全てではないし、特に本書はアメリカのビジネス環境・文化に寄った内容になっているので日本企業で適用するためにはアジャストは必要だが、それを差し引いてもとても役に立つ内容だと感じた。
個人的には、現在リードしているプロジェクトを上手く回すためにするべきことが明確になり、冷静に手順を考えるための参考になった。
繰り返し読んで、実務に取り入れたいバイブルの一冊となった。 -
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需要線を供給が上回った時に破壊的イノベーションが作用する
技術が進歩しすぎて需要を追い越すらしい。
イノベーションには持続的と破壊的がある
大企業ほど目先のニーズの見える持続的イノベーションに注力し厳しい競争を強いられる中で品質を上げようと努力する。
しかし、需要を技術力が上回った時に信仰勢力の破壊的イノベーションが発生する。
破壊的イノベーションをおこすにはそれにあった組織が必要。
資源、プロセス、価値基準が組織の能力をきめる。
そのためには別体の会社にする必要がある、
破壊的イノベーションは市場予測は誰にもできないためトライアンドエラーのみ
【まとめ】
1 持続的技術と破壊的技術
優良経営企業の場合、すぐれた経営こそがリーダーの座を失うことにつながる。これらの企業は、顧客の意見に耳を傾け、顧客が求める製品を増産し、改良するために新技術に積極的に投資したからこそ、市場の動向を注意深く調査し、システマティックに最も収益率の高そうなイノベーションに投資配分したからこそ、リーダーの地位を失ったのだ。
●持続的技術
製品の性能を高める新技術。主要市場のメインの顧客が今まで評価してきた性能指標にしたがって、既存製品の性能を向上させる。
●破壊的技術
従来の顧客が求めていたもの、今までの市場にあったものとは全く違う性能をもった新技術。
大企業は持続的技術には投資をするが、破壊的技術には積極的に投資をしない。その理由は3つある。
①破壊的製品のほうがシンプルかつ低価格で、利益率も低いから
②破壊的技術が最初に商品化されるのは、一般に、新しい市場や小規模な市場であり、投資額に見合った旨みがないから
③破壊的技術は、初期段階ではニーズを満たせるほど性能が良くないから
持続的技術…ガラケーの性能向上
破壊的技術…スマホの登場
と読み替えるとしっくりくるかもしれない。
最初は小さな芽だった破壊的技術の企業が、しだいに大きな企業に取って代わるほどの大企業に成長し、市場を席巻する。優秀な企業ほど、この破壊的イノベーションを取り入れることができず、やがて業界から追い出されることになる。これが「イノベーションのジレンマ」だ。
2 破壊的技術の5つの原則
大企業は、以下の5つの原則に逆らおうとするときに失敗する。これらの原則と対峙するのではなく、調和し順応することが大切。
①企業は顧客と投資家に資源を依存している
経営者は会社の資源の流れを自分が管理していると考えているかもしれないが、実際は顧客と投資家を満足させるパターンを取っている。すぐれた企業ほどこの傾向が強く、顧客が望まないアイデアを排除するシステムが整っている。そのため、顧客が望まず利益率の低い破壊的技術に、十分な投資がされないままチャンスを逃してしまう。
②小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない
企業が成長して大きくなると、将来大規模になるはずの新しい小規模な市場に参入することがしだいに離しくなってくる。成功している企業は、株価を維持し、社員の職務範囲が広がるようチャンスを設けるため、成長しつづける必要がある。しかし、4000万ドルを売り上げる企業が20%の成長率を達成するには、翌年の売上高を800万ドル増やすだけでよいが、40億ドル企業では8億ドルの増収が必要である。これほどの規模を持つ新市場はない。そのため、組織が大規模になり、成功するにしたがい、新しい市場を会社の原動力とすることに無理が生じてくる。
③存在しない市場は分析できない
優秀な企業は、投資の段階で市場規模や収益率を数量化してから参入する。ところが、破壊的技術が起きる市場は事前に察知できない。
④組織の能力は無能力の決定要因になる
破壊的技術を生み出すためには組織的能力が必要になる。組織の能力は二つの要素によって決まる。
一つはプロセスである。これは、組織の人員が習得した労働力、エネルギー、技術、資源といった「インプット」を価値の向上という「アウトプット」に変える方法である。
もう一つは組織の価値基準である。これは、組織の経営者や従業員が優先事項を決定するときによりどころとする基準である。
人間はきわめて柔軟性が高く、訓練しだいでさまざまな物事をうまくやれるが、プロセスや価値基準に柔軟性はない。大企業においては組織の能力を生みだすはずのプロセスや価値基準も、破壊的技術に対応するための業務に当てはめようとすると、効率が悪化する。
⑤技術の供給が需要を超えてしまう。
いわば「顧客が必要としていない技術を無駄に追加してしまう」現象。
競合する複数の製品の性能が市場の需要を超えると、顧客は、性能の差によって製品を選択しなくなる。製品選択の基準は、性能から信頼性へ、さらに利便性から価格へと進化することが多い。
企業は、競争力の高い製品を開発し優位に立とうとするために、急速に上位市場へと移行する。多くの場合、高性能、高利益率の市場をめざして競争するうちに、当初の顧客の需要を満たしすぎたことに気づかない。そのため、低価格の分野に空白が生じ、破壊的技術を採用した競争相手が入り込む余地ができる。
3 破壊的技術に直面したときは
①既存顧客から離れ、破壊的技術の開発を、そのような技術を必要とする顧客がいる組織にまかせ、プロジェクトに資金が流れるようにする。
②小さな市場に対応できるよう、組織を独立させたり買収したりしながら、小規模組織を作る。
③トライ・アンド・エラーを繰り返す。破壊的技術を商品化するための初期の努力は、学習の機会と考え、データを収集しながらアジャイルしていく。
④早い段階から行動し、現在の技術の特性に合った市場を見つける。既存の主流市場とは別の、魅力の薄い新しい市場が、破壊的技術をつくり出す要因になる。 -
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ネタバレクリステンセン教授の代表作。経営書としては古典の領域なんだけど、全然古臭さを感じさせない面白さがやはりあった。クリステンセン教授はホント面白い本を書いてくれるなぁ。
「イノベーションのジレンマ」とはつまり(真に顧客が求める)評価軸の誤解と呼んで良いだろう。今売れている製品がより高品質になっていくことは、決して顧客や市場が求め続ける姿じゃない。技術とは進歩していくものなので、いつかローエンド商品が真に求められる範囲の規格を満たしてしまう。
まぁ難しいのは「市場で求められる製品規格」を決めるのは流動する市場のあり方からしか見えず、関連企業(本の中では「バリュー・ネットワーク」と呼んでいたが)が一意に決められないという部分。市場は出たこと勝負なのに、決められると誤解することが破壊的イノベーションを許してしまうというわけだな。
この理論を消費者目線からみた時がつまり『ジョブ理論』なのだなぁ、と勝手に理解しました。最初からこっちを読んでおけばもちっと理解が深まったかも?
古典でありながら強い説得力をもった一冊。オススメです。 -
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優良企業は、その優良な経営によって失敗する。
冒頭から謎めいた結論をつきつけられ、どうしてだろう、と自然に疑問を持って読み進めることができた。
本書では、イノベーションを持続的イノベーションと破壊的イノベーションの2つにわけ、それぞれの性質の違いにより、上記の結論が導かれることになる。
持続的イノベーションとは、抜本的、漸進的なものを問わず、今ある製品の性能を段々と高めるようなものをいい、優良企業はこれへの対応に長けているため、それによって利益を上げている。
ところが、破壊的イノベーションは、既存の市場からすると、性能も収益率も低い、新しい下位市場で起きることが多い。これは、優良企業の収益も満たせず、また、その主要な顧客からのニーズもないため、優良企業は、顧客のニーズにきちんと応えるために、破壊的イノベーションへの対応が遅れる。
しかし、破壊的イノベーションによる技術が進歩するにつれて、それは下位市場からやがて既存の市場を塗り替えていくものとなる。
こうして、優良企業は、優良な経営ゆえに失敗する。
本書では、事例も含めて、この内容が詳細に検討されており、破壊的イノベーションに対応するのに、主流組織と別の組織により対応するという方法についても検討されている。
しかし、実際応用するとなると難しいと思う。何より破壊的イノベーションは、今までにない市場を生み出すし、それが破壊的イノベーションなのか、事前にはもちろん知りえない。
「見たものがすべて」と思いがちの人間からすると判断は難しいだろう。
また、破壊的イノベーションが起きてから、本書をひいて、後知恵で語るのは簡単なことだ。
なんにしても、優良企業がその優良な経営ゆえに失敗するというのは、イノベーションへの考えを変えてくれた。 -
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そもそもシステム開発プロジェクトにおけるリスク管理とは何なのか、から具体的なハウツーまでコンパクトにまとめられており、非常に有益に感じた。
特にリスクを分析していく過程で「誰が負うべきリスクなのか?」は重要な観点に思えた。なぜなら「誰が」の選択肢が観点として無いまま分析を進めると、結果自身が負えるリスクしか直視しない(手に負えないリスクは無視する)という行動を度々目にするから。
しかし、理屈をわかっていてもうまく実践されないのがリスク管理の常だが、これも随所に引用されるウィリアム・キングドン・クリフォードの「信念の倫理」を使ってうまく解説してくれる。
曰く、信念こそが人がリスクから目を背ける理由となりえるものであり、確たる証拠もないのにリスクをないものと取り扱うのは罪である、というようなことが書かれている。
邪かどうか、信念の性質に関わらず、信念そのものが現実から目を遠ざけリスク軽視という罪を生み得る。うーん、深い。 -
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イノベーションを「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」に分類し、ハードディスクや掘削機、製鉄を例示して、持続的イノベーションは顧客の声を傾聴し顧客に受け入れられる技術を積み重ねることにより大きな収益を得るのに対して、破壊的イノベーションは技術のレベル(顧客の求める性能)や収益は小さなものかもしれないが、新たな市場で元の大きな市場を凌駕していく可能性を秘めていることから、持続的イノベーションから抜け出せない既存企業の対応をイノベーションの「ジレンマ」と呼んでいる。
最後に(第十章)でその破壊的イノベーションをマネジメントする方法として1997年時点で電気自動車を例示している慧眼に感服した(地球環境の逼迫という大きな潮流はあるが)。今のテスラや中国のBYD等の破壊的イノベーションを予見していたのか!と思う。 -
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イノベーションのジレンマを読んで
日本語版刊行にあたって
日本の大企業の問題点を指摘。
序章
本書で取り上げるのは、業界をリードしていた企業が、ある種の市場や技術の変化に直面した時、図らずともその地位を守ることに失敗する話。
"すぐれた"経営者こそ、業界リーダーの座を失った最大の理由。これらの企業は、顧客の意見に耳を傾け、顧客が求める製品を増産し、改良するために新技術に積極的に投資したからこそ、市場の動向を注意深く調査し、システマチックに最も収益率の高そうなイノベーションに投資配分したからこそ、リーダーの地位を失った。本書では、この破壊的イノベーションにおける判断を法則化した。
本書の第一章から第四章は、イノベーションのジレンマの構図(原因解明)、第五章から第十章は解決法に関して。
すぐれた経営が失敗につながる理由
① 「持続的」技術(製品の性能を高めるもの)と「破壊的」技術(短期的には製品の性能を引き下げる効果を持つイノベーション)の間には戦略的に重要な違いがある。 ② 技術の進歩のペースは市場の需要が変化するペースを上回る可能性がある。 ③ 成功している企業の顧客構造と財務構造は、ある種の新規参入企業と比較して、その企業がどのような投資を魅力的と考えるかに重大な影響を与える。
①に関して破壊的な技術には、主流から外れた少数の、たいていは新しい顧客に評価される特徴がある。こちらの製品は、通常、低価格、シンプル、小型で使い勝手が良い場合が多い。
②に関して、企業が競争相手より優れた製品を供給しようと努力すると、顧客が必要とする以上のものを提供してしまう恐れがある。
破壊的技術の5つの法則。① 企業は顧客と投資家に資源を依存している。② 小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない ③ 存在しない市場は分析できない。④ 組織の能力は無能力の決定的要因になる ⑤ 技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない
① 顧客と投資家を満足させる投資パターンを持たない企業は生き残れないため、実質的に資金の配分を決めるのは顧客と投資家。
⑤ 顧客が製品を比較して選択する際の基準が変化することを示す。製品の性能が市場の需要を超えると、製品選択の基準は性能から信頼性へ、さらに利便性から価格へと進化することが多い。企業は、競争力の高い製品を開発し優位に立とうとするために、急速に上位市場へと移行する。多くの場合、高性能、高利益率よ市場を目指して競争するうちに、当初の顧客の需要を満たしすぎたことに気づかない。そのため、低価格の分野に空白が生じ、破壊的技術を採用した競争相手な入り込む余地ができる。
第一章 なぜ優良企業は失敗するのか
実績のある企業はプラスの不連続性を乗り越えて業界をリードする力はあるが、マイナスの不連続性に直面とすると、業界でのリードを失うのが通常。
プラスの不連続に対する技術革新は持続的な投資能力を持つ大企業が強い。(持続的なイノベーションには強い)
企業は新技術を開発する能力があったにも関わらず、既存の顧客への対応をし、新技術の発展には遅れた。
まとめ ① 破壊的イノベーションは技術的には簡単。 ②この業界の先端開発は常に軌跡グラフの右上の利益率の高い領域に達することを目的としてきた。 ③ 破壊的技術を率先して開発し採用してきたのはいつも新規参入企業。
第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
同じ製品であっても、バリューネットワークごとに、何をもって価値とするかが異なる。
製品ごと、コスト構造ごとなどでバリューネットワークが分かれる。
技術のSカーブは、技術戦略を考える際に最も重要。変曲点を見極めることが大事。破壊的イノベーションは別の性能を縦軸に取った図の上で発展し、別のバリューネットワークで求められるレベルになると、そのネットワークを侵食しはじめる。
破壊的技術が既存企業で開発→マーケティング担当者が主要顧客に意見を求める→実績ある企業が持続的技術の開発速度を上げる→新会社が設立され、試行錯誤の末、破壊的技術の市場が形成される→新規参入企業が上位市場へ移行→実績ある企業が顧客基盤を守るために遅まきながら時流に乗る(しかし、新規参入企業が製造・設計の面で圧倒的な優位を築いている)
第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション
油圧式掘削機が破壊的イノベーション。始めは、小規模な住宅工事業者などに売られた。ケーブル式掘削機とは異なる尺度で測られる市場から始まる。実績ある企業は既存の市場で戦い、また敗北。
第四章 登れるが降りられない
高い利益率を得られる市場に移動していく傾向がある。ハイエンド市場に進むほど、粗利益率が高く、管理費の高さを補う構造になっている。
序章②?
成功した経営者が、5つの原則を役立てた方法
① 破壊的イノベーションを「適切な」顧客に結びつけた
② 破壊的技術を開発するプロジェクトを、小さな機会や小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せた
③ 破壊的技術の市場を探る過程で、失敗を早い段階にわずかな犠牲で留めるよう計画を立てた。
④ 破壊的技術に取り組むために、主流組織の資源の一部は理由するが、主流組織のプロセスや価値基準は利用しないように注意した。破壊的技術に適した価値基準やコスト構造を持つやり方を作り出した。
⑤ 破壊的技術を商品化する際は、新たな市場を見つけるか、開拓した。
第五章 破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に分かれる
破壊的技術が出現した時、経営者はどうするべきか。
① とにかく破壊的技術を追求し、収入源である顧客が拒否しようと上位市場の技術より収益性が低かろうと、その技術は長期的に重要であると全社員に伝える
② 独立した組織をつくり、その技術を必要とする新しい顧客の中で活動させること
(独立していることは、収益構造などの違いが悪影響をきたさないため。)
第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる
新しい市場の成長率を上げようと、組織の規模が大きいまま行うと短絡的な成長需要を満たすことができない。また市場がうまみのある規模に拡大するまで待つと、新たな市場に馴染めない可能性がある。(破壊的製品の発売と、その販売対象となる市場の開拓をリードすることが重要。)
つまり、小規模な組織で対応するのが良い。独立した組織でも良いし、買収しても良い。
第七章 新しい成長市場を見出す
破壊的技術の市場予測は難しい。どのような顧客がどの程度の量を必要としているかは誰もわからないという前提のもと、プロジェクトを進めるべき。そして、製品の設計、設備投資は、様子を見ながら行うべき。
試行錯誤して適切な戦略を見つける前に資源や信頼を失った場合は事業として失敗。
破壊的技術には実効のための計画ではなく学習のための計画が必要。そうすれば後戻りのできない開発や投資をする前に、仮定が正しいかを検証したりできる。
第八章 組織にできること、できないことを評価する方法
組織にできること、できないことは、資源(人材、設備、技術、情報、資金、顧客との関係など)、プロセス(商品開発、調達、予算作成、事業計画、人材開発、資源配分など)、価値基準(コスト構造や事業モデルを反映したもので、企業の収益を上げるために従業員が従うもの)の3つの要因によって決まる。
失敗した企業は、破壊的技術でも成功する資源は持っているが、プロセスと価値基準な無能力だった。
新しいプロセス、価値基準を持った別組織を買収する場合は、親会社と統合すべきではない。統合すると、親会社の判断基準を踏襲することとなる。(資源は統合ok)
スピンアウト組織を作る場合は、独立組織が資源配分プロセスから独立していることが重要。
まず経営者は、資源を確認し、次に組織に成功するためのプロセスや価値基準があるかを確認するべき。
第9章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル
性能の供給が市場の需要を超えたときに何が起きるか?
ドライブの話では、容量が市場の需要を超えると、大きさという別の性能指標が取られるようになった。
一般に、ある特性に対して求められる性能レベルが達成されると、顧客は特性がさらに向上しても価格プレミアを払おうとしなくなり、市場は飽和状態に達成したことを示す。
ウィンダミア•アソシエーツの「購買階層」によれば、機能、信頼性、利便性、価格順で顧客の製品選択の指標は変化する。
顧客の需要の軌跡と、自社の技術者の供給の軌跡の両方を理解することは大事。
第十章 破壊的イノベーションのマネジメント
技術が破壊的かどうかは、市場で求められる性能向上の軌跡と、技術が供給する性能の軌跡をグラフにするのが良い。
マーケティング戦略のポイント(1. 主流市場で使えないことを認める 2. 初期の市場がわからないことを認める 3. 学習のための計画策定
潜在市場の推測。破壊的技術の弱みが強みと考えられる市場であろう。
開発としては、単純で信頼性が高く、便利なものを追求すべき。(9章の競争基盤の変化より)
第十一章 イノベーションのジレンマまとめ
感想
わかりやすく書かれた本。
③の原因から考えても、市場が求めているもの以外に自分が凄い可能性を感じていると思う分野には行動した方がいい
やっばりこの本を読んで思うのは、多様なポートフォリオを持ち、収益を色々なところから確保していける企業は生き残る。またその際特化した市場を持っていることももちろんプラスの要素にはなる。
新しい技術をいつも主流顧客に持ち込もうとする傾向はマーケティング能力の不足を表している。(本文) 顧客に新技術の必要性を解いたり、新たな顧客を探す努力はしなきゃだね。 -
Posted by ブクログ
西海岸のとあるITベンチャーの経営陣たちがどうもうまくまとまっていない。そんなところに着任した、経験豊かなCEO。彼女はチームをどうまとめていくか。そんなフィクションと、まとめの最終章から成る一冊。
紆余曲折やカタルシスもあるビジネス・ストーリーとして大変読みやすく、あっという間に読めてしまう。どうしても時間がない場合は最後の章だけ読むのもいいだろう。個人的にはこのへんがなるほどポイント。
(マネジメントは) なるべく良いチームを作ることが仕事。個人個人のスポーツキャリアを世話することじゃない
人を育てるのも大事だが、人を入れ替える、人を切るのも大事
チームワークというとスポーツが出てくる理由は、得点。つまりKPI/KGIを持つチームワークだから。
政治的とは、自分が本当にどう考えるかではなく、他の人にどう反応して欲しいかによって、言葉や行動を選ぶこと
とはいえ、雇用も転職も、なんといっても馘首にも自由度がある米国でのお話であること。次に、チームビルディングする対象が経営陣たちであること。つまり、良くも悪くもある程度の質を持っている人たちを部下に構えたケース。ここは割り引いて読まないといけないね。
すぐ読めておすすめの一冊。