【感想・ネタバレ】イノベーションのジレンマ 増補改訂版のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年01月16日

技術分野に関わらずすべての社会人が読むべき。
技術やサービスが定着すると、ユーザーはその拡大や強化を求め、組織もそれに応えるよう動くようになる。まったく新しいものを既存ユーザーのニーズで評価すると大失敗する。
この本が出てから何十年も経つが、自分のいる会社含め未だにあちこちでこの本に載せられる事例が...続きを読む増えていくばかり。
ジレンマにどう立ち向かうかも指摘されており、賢者なら歴史に学ぶべきだ。

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Posted by ブクログ 2023年12月15日

需要線を供給が上回った時に破壊的イノベーションが作用する
技術が進歩しすぎて需要を追い越すらしい。
イノベーションには持続的と破壊的がある
大企業ほど目先のニーズの見える持続的イノベーションに注力し厳しい競争を強いられる中で品質を上げようと努力する。
しかし、需要を技術力が上回った時に信仰勢力の破壊...続きを読む的イノベーションが発生する。
破壊的イノベーションをおこすにはそれにあった組織が必要。
資源、プロセス、価値基準が組織の能力をきめる。
そのためには別体の会社にする必要がある、
破壊的イノベーションは市場予測は誰にもできないためトライアンドエラーのみ

【まとめ】
1 持続的技術と破壊的技術
優良経営企業の場合、すぐれた経営こそがリーダーの座を失うことにつながる。これらの企業は、顧客の意見に耳を傾け、顧客が求める製品を増産し、改良するために新技術に積極的に投資したからこそ、市場の動向を注意深く調査し、システマティックに最も収益率の高そうなイノベーションに投資配分したからこそ、リーダーの地位を失ったのだ。

●持続的技術
製品の性能を高める新技術。主要市場のメインの顧客が今まで評価してきた性能指標にしたがって、既存製品の性能を向上させる。
●破壊的技術
従来の顧客が求めていたもの、今までの市場にあったものとは全く違う性能をもった新技術。

大企業は持続的技術には投資をするが、破壊的技術には積極的に投資をしない。その理由は3つある。
①破壊的製品のほうがシンプルかつ低価格で、利益率も低いから
②破壊的技術が最初に商品化されるのは、一般に、新しい市場や小規模な市場であり、投資額に見合った旨みがないから
③破壊的技術は、初期段階ではニーズを満たせるほど性能が良くないから 

持続的技術…ガラケーの性能向上
破壊的技術…スマホの登場
と読み替えるとしっくりくるかもしれない。

最初は小さな芽だった破壊的技術の企業が、しだいに大きな企業に取って代わるほどの大企業に成長し、市場を席巻する。優秀な企業ほど、この破壊的イノベーションを取り入れることができず、やがて業界から追い出されることになる。これが「イノベーションのジレンマ」だ。


2 破壊的技術の5つの原則
大企業は、以下の5つの原則に逆らおうとするときに失敗する。これらの原則と対峙するのではなく、調和し順応することが大切。

①企業は顧客と投資家に資源を依存している
経営者は会社の資源の流れを自分が管理していると考えているかもしれないが、実際は顧客と投資家を満足させるパターンを取っている。すぐれた企業ほどこの傾向が強く、顧客が望まないアイデアを排除するシステムが整っている。そのため、顧客が望まず利益率の低い破壊的技術に、十分な投資がされないままチャンスを逃してしまう。

②小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない
企業が成長して大きくなると、将来大規模になるはずの新しい小規模な市場に参入することがしだいに離しくなってくる。成功している企業は、株価を維持し、社員の職務範囲が広がるようチャンスを設けるため、成長しつづける必要がある。しかし、4000万ドルを売り上げる企業が20%の成長率を達成するには、翌年の売上高を800万ドル増やすだけでよいが、40億ドル企業では8億ドルの増収が必要である。これほどの規模を持つ新市場はない。そのため、組織が大規模になり、成功するにしたがい、新しい市場を会社の原動力とすることに無理が生じてくる。

③存在しない市場は分析できない
優秀な企業は、投資の段階で市場規模や収益率を数量化してから参入する。ところが、破壊的技術が起きる市場は事前に察知できない。

④組織の能力は無能力の決定要因になる
破壊的技術を生み出すためには組織的能力が必要になる。組織の能力は二つの要素によって決まる。
一つはプロセスである。これは、組織の人員が習得した労働力、エネルギー、技術、資源といった「インプット」を価値の向上という「アウトプット」に変える方法である。
もう一つは組織の価値基準である。これは、組織の経営者や従業員が優先事項を決定するときによりどころとする基準である。
人間はきわめて柔軟性が高く、訓練しだいでさまざまな物事をうまくやれるが、プロセスや価値基準に柔軟性はない。大企業においては組織の能力を生みだすはずのプロセスや価値基準も、破壊的技術に対応するための業務に当てはめようとすると、効率が悪化する。

⑤技術の供給が需要を超えてしまう。
いわば「顧客が必要としていない技術を無駄に追加してしまう」現象。
競合する複数の製品の性能が市場の需要を超えると、顧客は、性能の差によって製品を選択しなくなる。製品選択の基準は、性能から信頼性へ、さらに利便性から価格へと進化することが多い。
企業は、競争力の高い製品を開発し優位に立とうとするために、急速に上位市場へと移行する。多くの場合、高性能、高利益率の市場をめざして競争するうちに、当初の顧客の需要を満たしすぎたことに気づかない。そのため、低価格の分野に空白が生じ、破壊的技術を採用した競争相手が入り込む余地ができる。


3 破壊的技術に直面したときは
①既存顧客から離れ、破壊的技術の開発を、そのような技術を必要とする顧客がいる組織にまかせ、プロジェクトに資金が流れるようにする。

②小さな市場に対応できるよう、組織を独立させたり買収したりしながら、小規模組織を作る。

③トライ・アンド・エラーを繰り返す。破壊的技術を商品化するための初期の努力は、学習の機会と考え、データを収集しながらアジャイルしていく。

④早い段階から行動し、現在の技術の特性に合った市場を見つける。既存の主流市場とは別の、魅力の薄い新しい市場が、破壊的技術をつくり出す要因になる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月22日

クリステンセン教授の代表作。経営書としては古典の領域なんだけど、全然古臭さを感じさせない面白さがやはりあった。クリステンセン教授はホント面白い本を書いてくれるなぁ。

「イノベーションのジレンマ」とはつまり(真に顧客が求める)評価軸の誤解と呼んで良いだろう。今売れている製品がより高品質になっていくこ...続きを読むとは、決して顧客や市場が求め続ける姿じゃない。技術とは進歩していくものなので、いつかローエンド商品が真に求められる範囲の規格を満たしてしまう。
まぁ難しいのは「市場で求められる製品規格」を決めるのは流動する市場のあり方からしか見えず、関連企業(本の中では「バリュー・ネットワーク」と呼んでいたが)が一意に決められないという部分。市場は出たこと勝負なのに、決められると誤解することが破壊的イノベーションを許してしまうというわけだな。

この理論を消費者目線からみた時がつまり『ジョブ理論』なのだなぁ、と勝手に理解しました。最初からこっちを読んでおけばもちっと理解が深まったかも?
古典でありながら強い説得力をもった一冊。オススメです。

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Posted by ブクログ 2023年08月31日

優良企業は、その優良な経営によって失敗する。
冒頭から謎めいた結論をつきつけられ、どうしてだろう、と自然に疑問を持って読み進めることができた。

本書では、イノベーションを持続的イノベーションと破壊的イノベーションの2つにわけ、それぞれの性質の違いにより、上記の結論が導かれることになる。

持続的イ...続きを読むノベーションとは、抜本的、漸進的なものを問わず、今ある製品の性能を段々と高めるようなものをいい、優良企業はこれへの対応に長けているため、それによって利益を上げている。
ところが、破壊的イノベーションは、既存の市場からすると、性能も収益率も低い、新しい下位市場で起きることが多い。これは、優良企業の収益も満たせず、また、その主要な顧客からのニーズもないため、優良企業は、顧客のニーズにきちんと応えるために、破壊的イノベーションへの対応が遅れる。
しかし、破壊的イノベーションによる技術が進歩するにつれて、それは下位市場からやがて既存の市場を塗り替えていくものとなる。
こうして、優良企業は、優良な経営ゆえに失敗する。

本書では、事例も含めて、この内容が詳細に検討されており、破壊的イノベーションに対応するのに、主流組織と別の組織により対応するという方法についても検討されている。
しかし、実際応用するとなると難しいと思う。何より破壊的イノベーションは、今までにない市場を生み出すし、それが破壊的イノベーションなのか、事前にはもちろん知りえない。
「見たものがすべて」と思いがちの人間からすると判断は難しいだろう。
また、破壊的イノベーションが起きてから、本書をひいて、後知恵で語るのは簡単なことだ。

なんにしても、優良企業がその優良な経営ゆえに失敗するというのは、イノベーションへの考えを変えてくれた。

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Posted by ブクログ 2023年07月06日

イノベーションを「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」に分類し、ハードディスクや掘削機、製鉄を例示して、持続的イノベーションは顧客の声を傾聴し顧客に受け入れられる技術を積み重ねることにより大きな収益を得るのに対して、破壊的イノベーションは技術のレベル(顧客の求める性能)や収益は小さなもの...続きを読むかもしれないが、新たな市場で元の大きな市場を凌駕していく可能性を秘めていることから、持続的イノベーションから抜け出せない既存企業の対応をイノベーションの「ジレンマ」と呼んでいる。
最後に(第十章)でその破壊的イノベーションをマネジメントする方法として1997年時点で電気自動車を例示している慧眼に感服した(地球環境の逼迫という大きな潮流はあるが)。今のテスラや中国のBYD等の破壊的イノベーションを予見していたのか!と思う。

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Posted by ブクログ 2023年04月03日

イノベーションのジレンマを読んで

日本語版刊行にあたって
 日本の大企業の問題点を指摘。

序章
 本書で取り上げるのは、業界をリードしていた企業が、ある種の市場や技術の変化に直面した時、図らずともその地位を守ることに失敗する話。
 "すぐれた"経営者こそ、業界リーダーの座を失...続きを読むった最大の理由。これらの企業は、顧客の意見に耳を傾け、顧客が求める製品を増産し、改良するために新技術に積極的に投資したからこそ、市場の動向を注意深く調査し、システマチックに最も収益率の高そうなイノベーションに投資配分したからこそ、リーダーの地位を失った。本書では、この破壊的イノベーションにおける判断を法則化した。
 本書の第一章から第四章は、イノベーションのジレンマの構図(原因解明)、第五章から第十章は解決法に関して。
 すぐれた経営が失敗につながる理由
① 「持続的」技術(製品の性能を高めるもの)と「破壊的」技術(短期的には製品の性能を引き下げる効果を持つイノベーション)の間には戦略的に重要な違いがある。 ② 技術の進歩のペースは市場の需要が変化するペースを上回る可能性がある。 ③ 成功している企業の顧客構造と財務構造は、ある種の新規参入企業と比較して、その企業がどのような投資を魅力的と考えるかに重大な影響を与える。
 ①に関して破壊的な技術には、主流から外れた少数の、たいていは新しい顧客に評価される特徴がある。こちらの製品は、通常、低価格、シンプル、小型で使い勝手が良い場合が多い。
 ②に関して、企業が競争相手より優れた製品を供給しようと努力すると、顧客が必要とする以上のものを提供してしまう恐れがある。
 破壊的技術の5つの法則。① 企業は顧客と投資家に資源を依存している。② 小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない ③ 存在しない市場は分析できない。④ 組織の能力は無能力の決定的要因になる ⑤ 技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない
 ① 顧客と投資家を満足させる投資パターンを持たない企業は生き残れないため、実質的に資金の配分を決めるのは顧客と投資家。
⑤ 顧客が製品を比較して選択する際の基準が変化することを示す。製品の性能が市場の需要を超えると、製品選択の基準は性能から信頼性へ、さらに利便性から価格へと進化することが多い。企業は、競争力の高い製品を開発し優位に立とうとするために、急速に上位市場へと移行する。多くの場合、高性能、高利益率よ市場を目指して競争するうちに、当初の顧客の需要を満たしすぎたことに気づかない。そのため、低価格の分野に空白が生じ、破壊的技術を採用した競争相手な入り込む余地ができる。

第一章 なぜ優良企業は失敗するのか
 実績のある企業はプラスの不連続性を乗り越えて業界をリードする力はあるが、マイナスの不連続性に直面とすると、業界でのリードを失うのが通常。
 プラスの不連続に対する技術革新は持続的な投資能力を持つ大企業が強い。(持続的なイノベーションには強い)
 企業は新技術を開発する能力があったにも関わらず、既存の顧客への対応をし、新技術の発展には遅れた。
 まとめ ① 破壊的イノベーションは技術的には簡単。 ②この業界の先端開発は常に軌跡グラフの右上の利益率の高い領域に達することを目的としてきた。 ③ 破壊的技術を率先して開発し採用してきたのはいつも新規参入企業。

第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
 同じ製品であっても、バリューネットワークごとに、何をもって価値とするかが異なる。
 製品ごと、コスト構造ごとなどでバリューネットワークが分かれる。
 技術のSカーブは、技術戦略を考える際に最も重要。変曲点を見極めることが大事。破壊的イノベーションは別の性能を縦軸に取った図の上で発展し、別のバリューネットワークで求められるレベルになると、そのネットワークを侵食しはじめる。
 破壊的技術が既存企業で開発→マーケティング担当者が主要顧客に意見を求める→実績ある企業が持続的技術の開発速度を上げる→新会社が設立され、試行錯誤の末、破壊的技術の市場が形成される→新規参入企業が上位市場へ移行→実績ある企業が顧客基盤を守るために遅まきながら時流に乗る(しかし、新規参入企業が製造・設計の面で圧倒的な優位を築いている)

第三章 掘削機業界における破壊的イノベーション
 油圧式掘削機が破壊的イノベーション。始めは、小規模な住宅工事業者などに売られた。ケーブル式掘削機とは異なる尺度で測られる市場から始まる。実績ある企業は既存の市場で戦い、また敗北。

第四章 登れるが降りられない
 高い利益率を得られる市場に移動していく傾向がある。ハイエンド市場に進むほど、粗利益率が高く、管理費の高さを補う構造になっている。

序章②?
成功した経営者が、5つの原則を役立てた方法
① 破壊的イノベーションを「適切な」顧客に結びつけた
② 破壊的技術を開発するプロジェクトを、小さな機会や小さな勝利にも前向きになれる小さな組織に任せた
③ 破壊的技術の市場を探る過程で、失敗を早い段階にわずかな犠牲で留めるよう計画を立てた。
④ 破壊的技術に取り組むために、主流組織の資源の一部は理由するが、主流組織のプロセスや価値基準は利用しないように注意した。破壊的技術に適した価値基準やコスト構造を持つやり方を作り出した。
⑤ 破壊的技術を商品化する際は、新たな市場を見つけるか、開拓した。

第五章 破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に分かれる
 破壊的技術が出現した時、経営者はどうするべきか。
① とにかく破壊的技術を追求し、収入源である顧客が拒否しようと上位市場の技術より収益性が低かろうと、その技術は長期的に重要であると全社員に伝える
② 独立した組織をつくり、その技術を必要とする新しい顧客の中で活動させること
 (独立していることは、収益構造などの違いが悪影響をきたさないため。)

第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる
 新しい市場の成長率を上げようと、組織の規模が大きいまま行うと短絡的な成長需要を満たすことができない。また市場がうまみのある規模に拡大するまで待つと、新たな市場に馴染めない可能性がある。(破壊的製品の発売と、その販売対象となる市場の開拓をリードすることが重要。)
 つまり、小規模な組織で対応するのが良い。独立した組織でも良いし、買収しても良い。

第七章 新しい成長市場を見出す
 破壊的技術の市場予測は難しい。どのような顧客がどの程度の量を必要としているかは誰もわからないという前提のもと、プロジェクトを進めるべき。そして、製品の設計、設備投資は、様子を見ながら行うべき。
 試行錯誤して適切な戦略を見つける前に資源や信頼を失った場合は事業として失敗。
 破壊的技術には実効のための計画ではなく学習のための計画が必要。そうすれば後戻りのできない開発や投資をする前に、仮定が正しいかを検証したりできる。

第八章 組織にできること、できないことを評価する方法
 組織にできること、できないことは、資源(人材、設備、技術、情報、資金、顧客との関係など)、プロセス(商品開発、調達、予算作成、事業計画、人材開発、資源配分など)、価値基準(コスト構造や事業モデルを反映したもので、企業の収益を上げるために従業員が従うもの)の3つの要因によって決まる。
 失敗した企業は、破壊的技術でも成功する資源は持っているが、プロセスと価値基準な無能力だった。
 新しいプロセス、価値基準を持った別組織を買収する場合は、親会社と統合すべきではない。統合すると、親会社の判断基準を踏襲することとなる。(資源は統合ok)
 スピンアウト組織を作る場合は、独立組織が資源配分プロセスから独立していることが重要。
 まず経営者は、資源を確認し、次に組織に成功するためのプロセスや価値基準があるかを確認するべき。

第9章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル
 性能の供給が市場の需要を超えたときに何が起きるか?
 ドライブの話では、容量が市場の需要を超えると、大きさという別の性能指標が取られるようになった。
 一般に、ある特性に対して求められる性能レベルが達成されると、顧客は特性がさらに向上しても価格プレミアを払おうとしなくなり、市場は飽和状態に達成したことを示す。
 ウィンダミア•アソシエーツの「購買階層」によれば、機能、信頼性、利便性、価格順で顧客の製品選択の指標は変化する。
 顧客の需要の軌跡と、自社の技術者の供給の軌跡の両方を理解することは大事。

第十章 破壊的イノベーションのマネジメント
 技術が破壊的かどうかは、市場で求められる性能向上の軌跡と、技術が供給する性能の軌跡をグラフにするのが良い。
 マーケティング戦略のポイント(1. 主流市場で使えないことを認める 2. 初期の市場がわからないことを認める 3. 学習のための計画策定
 潜在市場の推測。破壊的技術の弱みが強みと考えられる市場であろう。
 開発としては、単純で信頼性が高く、便利なものを追求すべき。(9章の競争基盤の変化より)

第十一章 イノベーションのジレンマまとめ

感想
 わかりやすく書かれた本。
③の原因から考えても、市場が求めているもの以外に自分が凄い可能性を感じていると思う分野には行動した方がいい
 やっばりこの本を読んで思うのは、多様なポートフォリオを持ち、収益を色々なところから確保していける企業は生き残る。またその際特化した市場を持っていることももちろんプラスの要素にはなる。
 新しい技術をいつも主流顧客に持ち込もうとする傾向はマーケティング能力の不足を表している。(本文) 顧客に新技術の必要性を解いたり、新たな顧客を探す努力はしなきゃだね。

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Posted by ブクログ 2022年07月09日

これまでに多くの企業がその技術力などで市場を獲得し席巻している一方で、実績を持ちすぎたがゆえに市場からの退却を余儀されなくなっている事実が多くある。

こうした状況は何が起きているのか?そこにイノベーションのジレンマがあると言うのが本書である。

こうしたことがたびたび起きるのは、経営戦略などが間違...続きを読むっていたのか?と思われがちだが、そう言うわけでもない。むしろ優秀な経営者が正しい判断をしてしまうが故にイノベーションのジレンマが生じてしまう。

具体的には持続的技術と破壊的技術と言われるものがあり、それぞれ主流市場(規模が大きい)と新興市場(規模が小さい)もしくは上位市場と下位市場と位置付けられる市場がある。

これらはマーケティング戦略で正しく判断しようとすると、大きな企業であればその企業が持つ価値基準によって、利益にそぐわない投資(破壊的技術への)が必要になり、また新興市場というものは予測が不可能なものであり、意思決定においてどうしてもジレンマが生じてしまう。

そこで、どう行動すべきか?それをクリステンセンが示唆してくれている。
今でこそ、要約動画などが出回っているが、本書をしっかり読み解くことと、要約動画で知った気になるのとは天と地ほどの理解の差がある。

企業経営に携わるものは必携の書と言わざるを得ない。

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Posted by ブクログ 2022年02月01日

正に古典的名著である。第10章の電気自動車についての考察は正に現在テスラが起こしているイノベーションを予感させるものであり、読んでいてワクワクさせられた。

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Posted by ブクログ 2021年11月09日

破壊的イノベーションとはなにか、技術の進歩はどのようにしておこるか、詳細に書かれています。専門外の部分は読み飛ばしたが、それでも非常に分かり易い本でした。

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Posted by ブクログ 2021年09月12日

最高の顧客の意見に耳を傾け、収益性と成長率を高くする新製品を作り出す優秀な企業がどうして衰退してするのか。
また、組織の能力は、人材の能力とは無関係であり、じん、資源などの入力を価値の向上というプロセスと優先事項を決定する価値基準によって決定される。
読みやすく、腑に落ちる本であった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月09日

最強に面白いし、怖い。
「偉大な企業はすべて正しく行うが故に失敗する」
主要顧客や株主の期待に応えて高利益率の製品を提供し続けてるうちに、全く異なる指標で評価される市場で生まれる利益率が低い製品にいつのまにか代替される。

最近だと地銀の勘定系システムのクラウド移行が例かな。
勘定系の評価軸は信頼性...続きを読むや性能。メインフレームが主に利用される。
ただ、スケールや管理の容易さで評価されるシステムにてクラウドが導入され始め、徐々に勘定系システムで要求される信頼性や性能を満たすようになり、メインフレームを代替。

メインフレームを提供する企業は持続的イノベーションを加速
→異なる指標で評価されるローエンド市場で破壊的イノベーションであるクラウドが勃興
→メインフレームは勘定系の評価軸に対して供給過多になり、クラウドが勘定系の需要を満たすようになり代替。
恐ろしいなあ。

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Posted by ブクログ 2021年07月18日

なぜイノベーションにやられてしまうのか、実感した。
企業の成長に対する期待値から必然とやられてしまうところを、どう防ぐのか、考えたいと思うきっかけになった。

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Posted by ブクログ 2021年06月13日

数多の優良大手企業が、本書で言う破壊的イノベーションを目の前にし、なぜ市場での優位性を保てなくなるのか、その根源的な理由を明確に示した普遍的な名著。大手企業の経営や技術に携わる方は必読の理論だと思います。

イノベーションのジレンマ=競争感覚を研ぎ澄まし、顧客の声に注意深く耳を傾け、新規技術に積極的...続きを読むに投資することが、企業としての優位性を喪失させるというパラドックス的事象(例、シアーズ、DEC、IBM、ゼロックス、コダックなど)。


破壊的イノベーションの特徴
・既存の技術の組み合わせ
・シンプルで低価格、低利益率
・新市場、小規模市場
・収益の高い顧客は使えない

(破壊的イノベーション≠高度で画期的な技術による革新)


既存企業の事情

1.企業は顧客と投資家に資源を依存
→顧客が望まず、収益性の低い分野に十分な資源を投下できない

2.小規模な市場では大企業の成長ニーズは満たされない

3.存在しない市場は分析できない
→王道的な経営である確実な市場調査と綿密な計画が立てられない

4.組織の既存能力(価値軸やプロセス)は無能力の決定的要因となる
→既存能力は状況が変わると不適切になる(ミニコン→デスクトップなど)
5.技術の革新速度は市場の需要をらしばし追い越す
→格下と思っていた破壊的イノベーションが、既存市場の要求を超える


破壊的イノベーションの特徴と既存企業の事情を合わせて考えると、
・破壊的イノベーションの作る新市場に対する投資の合理性が低い
・新市場と既存市場の顧客要求が異なり、既存の能力価値軸やプロセスが通用しない(=変化に対して慣性が強く変化できない)
となる。


破壊的イノベーションによる変化に対応するには以下3つの方法。
1.買収により新しい能力を獲得する
2.新しい能力を組織内で作る
3.スピンアウト組織によって能力を作る

しかし、1の場合人材、技術、製品、顧客などの資源を目的とした買収の場合は良いが、能力(価値軸とプロセス)を変化することは難しい。2.の場合は、社内の既存事業とのカニバリやコンフリクトが起き現実的には難しい。筆者は事実上3を推奨している(と私は感じた)。



大企業のビジネスマンに対し、これからの変化の激しい時代を生き延びるため、本書と両利きの経営(オライリー氏)は必読書のように思える。多くの人が手に取ることを願います。

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Posted by ブクログ 2021年05月03日

既存顧客のニーズを満足させる事に集中するが
故に、新たな潮流に乗り遅れてしまうと言う
ジレンマ。

ビジネスの奥深さと面白さを改めて勉強させて
もらいました。

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Posted by ブクログ 2021年03月20日

何故正しい経営をする大企業が技術革新(本では破壊的イノベーションの意)により淘汰されるのかが、実際の様々な業界を例に分かりやすく解説されていました。
また、対策する時の例が10章に記されており、より理解が深まりました。

後書きでもありますが、マネジメントする側の人は是非読むべき本だと感じます。
...続きを読むはまだペーペーなので実践することは無さそうですが、読んでいて非常に面白かったです。

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Posted by ブクログ 2020年12月25日

面白くて一気読みした。
今現在トップを誇っている企業でも、イノベーションに対応出来ないと衰退するという事例が多く起こっていること。分かっていても、イノベーションにはうまく対応出来ない理由があり、その理由と対応について書かれている。全体的にはディスク業界について書かれていますが、自分の属する業界でも色...続きを読む々あるなあと想いを馳せるなど。
最近でいうと、M1チップの登場によって、インテルやばいですよね。
リーディングカンパニーな経営者に刺さる内容なんですが、いちサラリーマンにとっても、将来何を目指すべきか?を考える上では、非常に重要な話だったと思う。

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Posted by ブクログ 2020年11月24日

ハードドライブなど具体的な事例を基に、データを示しつつ分かりやすく解説している。顧客の声を聴き、持続的技術を発展させていくというのは一見もっともな対応であるが、破壊的技術が生まれるや否や、その優位性はじわじわと侵食されていく。その原因は決して顧客の声を聴こうとした経営者ではなく、いかに破壊的技術に気...続きを読むづき、そちらにも資源(資金や人材)を小規模ながらでも投資できるかにかかっている。

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Posted by ブクログ 2020年12月31日

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HBSでも有名な本書。概要については、解説でも述べられている以下の通りで、なぜ優良企業ではないところからイノベーションが産まれるのか明瞭になっている。
「偉大な企業は全てを正しく行うが故に失敗する。筆者は、なぜトップ企業が顧客の意見に熱心に耳を傾け、新技術に狂ったように投資したにも...続きを読む関わらず、なお技術や市場構造の破壊的変化に直面した際に市場のリーダーシップを失ってしまったのかについての説明を与える。責を負うべきは、無能な経営者、官僚主義、技術力の低下あるいは世襲制などではない。犯人は企業規模とその企業の最重要顧客である。本書はあなたの目を見開かせるに違いない」
簡単な解説を以下に記載する。
先ず、優良な企業がイノベーションを生み出せない3つの理由は以下である。
①持続的技術に固執して、上位市場から降りてこられず、破壊的技術を評価できないからである。
②市場の需要よりも、技術の供給能力が高まって、市場が評価しえない状況を、優良企業は把握できないからである。
③顧客と企業の財務、組織文化に制限されるからである。
このような事を起こす破壊的イノベーションの特徴は3つである。
①既存のバリューネットワークの中で、新しい性能指標となる可能性がある。
②新しいバリューネットワークを構築する可能性がある。
③市場・技術の中で新しい顧客ニーズに応える可能性がある。
破壊的イノベーションに対応するためには、少なくとも以下観点(①新しい顧客、②新しい組織規模、③新しい成長市場、④新しい評価基準、新しい性能、需要、ライフサイクル)で視野狭窄にならないようにして、不可知論的マーケティング思考(①最初から正確な予想はできない前提、②トライ&エラーができるリソースと仕組みを設ける、③学習のための計画であると理解)を持たなくてはならない。
最後に、クリステンセン教授が前書きで書いているように、日本における企業は、終身雇用を前提で上位市場に止まってしまう企業や人材が多い事、また、金融市場が新規企業にお金を循環させる仕組みが無いため、イノベーション(新陳代謝)が生み出されない=成長が止まり停滞に苦しむと予測していて、まさにその通りの状況になってしまっている。
ようやくコロナ危機をきっかけに企業や古い慣行が壊れ始め、新陳代謝のサイクルが加速し始めたのかもしれない。自分もその加速をドライブさせる人材となり、価値を提供できるようにビジネスを回していきたい。

//MEMO//
優等生である大企業であればあるほど、強みとする既存ビジネスとカニバルようなイノベーションを起こせなくなるという、あまりにも有名な書籍。
古典としてタイムピースの価値を原典を読むことで学びたい。
自身が大企業の中で感じた違和感が、イノベーションのジレンマで説明できると期待したい。

1. イノベーションのジレンマの構造
(1)持続的技術と破壊的技術
破壊的技術は最初は持続力を下げる可能性があるが、あるところから価値が逆転する可能性がある
(2)技術革新が需要を超える
技術革新が需要以上の価値を提供してしまう可能性、および、明日には競争力を持ってしまう可能性
(3)顧客基盤と財務の制約
破壊的商品は、最初は低価格、利益率も低い、新しい市場、小規模市場、既存顧客は求めない

2. 経営上のジレンマの解決法

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Posted by ブクログ 2023年02月15日

イノベーションのジレンマとは、
市場で地位を築いた優良企業が、その経営手法が優れているがゆえに、新技術に抵抗することができず、失敗するということである。

優良企業は、持続的技術の向上には優れており、それは企業が直面するイノベーションの大部分において有効である。なぜなら、顧客の求めるものに忠実に、積...続きを読む極的な投資を行い、既存の軸においてよりよい製品・サービスを生み出すから。

しかし、この下で最適化された能力・組織・文化は破壊的技術の前には通用しない。なぜなら、破壊的技術は既存の主要顧客にとっては価値のないものであることが一般的であり、かつ市場も小さく優良企業にとって魅力的な果実を得られるものではないために、資源を投資することが困難だからである。

破壊的技術は、既存の主要顧客の判断軸においては劣っているものが多いが、その特性が逆に付加価値となる市場が存在するはずである。マーケティング戦略によってこの市場を見つけ、そこにおいてより上位市場を目指して技術を向上させることで、いずれ既存の判断軸においても十分な性能に達する。これが、破壊的技術が持続的技術を完全に上回るタイミングであり、破壊的技術を無視してきた優良企業が地に落ちるときである。

技術の向上速度が市場の需要速度と一致しているとは限らず、技術が需要を上回ったタイミングが、破壊的技術が誕生するときである。技術が需要を上回ると、顧客の判断軸は価格へと移り、それ以上に技術を向上させたところで意味はない。
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2023年2月現在、この本を読んでいるとひたすらにAppleの iPhoneが頭に浮かぶ。明らかに、iPhoneの近年の画質向上とそれによる端末価格向上は市場の需要を上回っているものであり、何かしらの破壊的技術が頭を覗かせているのではと思う。
カリスマ経営者スティーブ・ジョブズがiPhoneを生み出してから約15年。世界を制したAppleは破壊的技術に対して適切な行動を取れるのか、それともこれからも持続的技術を追い求め、いずれ敗者となるのか。

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Posted by ブクログ 2023年01月22日

有名な名著。
会社が非常にその市場で強いため、また経営陣が非常に優秀であるほど、破壊的イノベーションに破れるというもの。
どのようにその罠をかわすか、明確な答えはないものの、暗示的な回答は示されている。

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Posted by ブクログ 2022年12月23日

業界をリードしてきた優良企業だからこそ、その成長を追い求めるという至極まっとうなことをした先に、破壊的イノベーションの攻撃に飲み込まれてしまうという現象を説いている本です。
ビジネス名著だけあって、この本で言われていることはよく引用されていると思うが、なかなか会社組織や業界の構造上、実行に移すことが...続きを読む容易ではないのでビジネスは難しいですね。

この本では、すぐれた経営者の健全な決定が失敗する法則と、それを解決するために優良企業がすべきことが書いてあります。ディスクドライブ業界の例を中心に、各業界の失敗・成功例を引用し、グラフもたくさんあって読むのが大変ですが、伝えたいことはとてもシンプルだと思いながら読みました。実行するのが大変なだけです。

自分の会社ではどういうフェーズにいるのか考えたり、だれかとディスカッションしながら読むと学びが深まると思います。日本の破壊的イノベーションは何か調べてみるのもいいですね。スマホやデジカメ、ファストファッションなど業界の構造が入れ替わった身近な例がたくさん見つかります。
今後破壊的イノベーションで優良企業を攻撃するのは...ノーコードの技術はどうでしょう。エンジニアやコーダーの仕事の大半がAIを味方にしたノーコード技術に取って変わられる時代が来るのではないかと予想しています。

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Posted by ブクログ 2022年08月27日

日本企業のやりがちなこと。消費者が望んでいないのに間違った差別化のためにただただ機能を追加してく過ちを認識できてよかった。

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Posted by ブクログ 2022年02月27日

クリステンセン教授が実務家であるからこそ鋭い地に足のついた洞察が出来たのだろうと思われる。

本書は優れた経営者のもとなされる健全な決定が大企業を失敗に導く一方、既存事業を衰退させかねない破壊的技術にアロケーションしていく方法を解き明かす。

破壊的イノベーション=市場でそこまで求められていない技術...続きを読むにおいては既存顧客に聞いてはいけない。
まさに客に聞きすぎるきらいは日本に強くあり、スピンオフなのか強力なリーダーシップなのか市場に逆らった取り組みもあるなかでどのように生き残るのか。

持続的イノベーションばかりが目立つが、破壊的イノベーションを生み出せるのか、そこがこれからの鍵なのだろう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月21日

大規模な会社であればあるほど周りの目が気になり、圧倒的な躍進ができない。

というような内容
勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2021年08月14日

・破壊的技術が優良企業を失敗においやる。
・優良企業が、破壊的技術に投資しない理由は、①破壊的技術の方がシンプルで低価格、低利益率であることが通常
②破壊的技術は一般に新しい市場か小規模の市場で商品化されるため
③優良企業の収益性の高い顧客は、破壊的技術の商品を求めないため、破壊的技術の商品は最初は...続きを読む市場で収益性の低い顧客に受け入れられる。

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Posted by ブクログ 2021年05月19日

・上から下へは戻れない
・システム的に大企業は破壊的イノベーションを起こせない
→有利で成功確率が高いのは

0→1:ベンチャーや中小
1→100:大企業

顧客や過去の成功体験に縛られた大企業は、現状の利益率が低い破壊的イノベーションの開発に資産や労力を割けない。
日本企業が停滞しがちな根本的理由...続きを読むも間接的に学ぶ事が出来た。
20年前の本にも関わらず、現状でも非常に通用する原則的な内容だった。

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Posted by ブクログ 2020年05月02日

会社の先輩に勧められて読んだ。マイケルポーターの競争戦略で、マーケティングについて、少しは知っていたため、非常に興味深く読み進めることができた。

顧客の求める性能の上昇率は、持続的技術の上昇率より、傾きが小さい。最初は低性能の破壊的技術が、時間をかければ、必ず顧客要求特性に到達してしまう。

有料...続きを読む企業が新興企業に、破壊的技術により負ける理由を、複数の業界の実例を持って紹介している。ポイントは、有料企業は顧客の言い分を聞きすぎるため、破壊的技術が有効な見えない新市場を見つけることができない。その間に新興企業がバリューチェーンを先に作ってしまい、途中介入ができないことが挙げられる。

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Posted by ブクログ 2023年02月25日

偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗すると説く本。
慣例的に使っていたプロセスが新しい問題に適しているか考える。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月03日

評価はものすごく高いけれど
大企業のお話なので、あまり響く箇所なく。
中小企業は当たり前にやっていることが
書かれていると思う。
忠実に翻訳されていると思うが
もっと読みやすくしても良い。
ハードディスクの大きさをインチで語られても
頭に入らない。そこは翻訳しないのか。
大学生が読むにはちょうどよい...続きを読むかも。

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Posted by ブクログ 2022年08月08日

なにかの本で良いと書いてあって、紙で買って読んだ本。
なんかまどろっこしくて今はもう読む気がしない。

仕事も転職してステージも変わったし。
ということで断捨離。

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