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Posted by ブクログ
クリステンセン教授の代表作。経営書としては古典の領域なんだけど、全然古臭さを感じさせない面白さがやはりあった。クリステンセン教授はホント面白い本を書いてくれるなぁ。
「イノベーションのジレンマ」とはつまり(真に顧客が求める)評価軸の誤解と呼んで良いだろう。今売れている製品がより高品質になっていくことは、決して顧客や市場が求め続ける姿じゃない。技術とは進歩していくものなので、いつかローエンド商品が真に求められる範囲の規格を満たしてしまう。
まぁ難しいのは「市場で求められる製品規格」を決めるのは流動する市場のあり方からしか見えず、関連企業(本の中では「バリュー・ネットワーク」と呼んでいたが)が一意に決められないという部分。市場は出たこと勝負なのに、決められると誤解することが破壊的イノベーションを許してしまうというわけだな。
この理論を消費者目線からみた時がつまり『ジョブ理論』なのだなぁ、と勝手に理解しました。最初からこっちを読んでおけばもちっと理解が深まったかも?
古典でありながら強い説得力をもった一冊。オススメです。
Posted by ブクログ
最強に面白いし、怖い。
「偉大な企業はすべて正しく行うが故に失敗する」
主要顧客や株主の期待に応えて高利益率の製品を提供し続けてるうちに、全く異なる指標で評価される市場で生まれる利益率が低い製品にいつのまにか代替される。
最近だと地銀の勘定系システムのクラウド移行が例かな。
勘定系の評価軸は信頼性や性能。メインフレームが主に利用される。
ただ、スケールや管理の容易さで評価されるシステムにてクラウドが導入され始め、徐々に勘定系システムで要求される信頼性や性能を満たすようになり、メインフレームを代替。
メインフレームを提供する企業は持続的イノベーションを加速
→異なる指標で評価されるローエンド市場で破壊的イノベーションであるクラウドが勃興
→メインフレームは勘定系の評価軸に対して供給過多になり、クラウドが勘定系の需要を満たすようになり代替。
恐ろしいなあ。