今尾恵介のレビュー一覧
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西荻窪に住んで既に30年余りになるが、駅前なども土地が無いのでロータリーやバス停を含め余り変化が無いように思えるが良く気を付けて見れば随分と街は変わっている。先日は昔住んでいた善福寺公園の周りを散歩して見たら、かつては大きなお屋敷だった場所もいつの間にか切り売りされて住宅になっていたりするしな。でも所詮はここ2-30年の記憶しか無いのでその昔がどうであったかは知るすべも無い。
本書は古くは大正時代、昭和初期、高度成長期、平成期に発行された地図をベースにいかに一つの街が変遷していくのか具体的にまた詳細に定点観測して見せるもので何とも興味深いものだ。かつては田甫だったものが大きな工場になり、そし -
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[ 内容 ]
路線変更の理由、峠越えの技術、乗り換えの名所、車窓から見る地形。
[ 目次 ]
第1章 線路を観察する(線路の幅はどうなっているか 距離標を楽しむ)
第2章 いかに山を越えるか、いかに曲がるか(全国の急勾配区間 汽車はいかに峠越えしたか カーブを曲がる技術)
第3章 車窓から見えるもの(車窓からいろいろな地形を楽しもう 長老トンネル物語 鉄橋あれこれ 高い橋、渡らずの橋、川のない橋 名称のルール)
第4章 「線路」を知る(鉄道の線路名はどうなっているのか 乗り換えの話 全国ナゾの線形めぐり 路線変更には理由がある)
第5章 鉄路でたどる鉄道史(何のために作った鉄道? 引込線が語 -
Posted by ブクログ
鉄道を好きな人が鉄道のどこに魅力を感じていて、どこに面白さを見出しているのかに興味があったから、個人的な好き嫌いということは置いといて、まず鉄道関連の本を読んでみようと思って本書を手に取った。(この本の他にも鉄道関連の新書を6冊をまとめ買いした。)
この本は、鉄道そのものではなく、それを支えている線路に光を当てて書かれた本で、普通とは違う視点から鉄道の面白さを教えてくれる。「かっこいいから」とか「貴重だから」じゃ納得できない僕にとっては、なかなか嬉しいアプローチ方法で確かにそういう見方をしたらおもしろいな!と思えた。
第1章では、「線路の幅」「標識(距離標、勾配標、曲線標)」について。
第2章 -
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身近なところで聞いたことがある地名が
本書に掲載されていた。
水流とかいてツルと読む。
宮崎・鹿児島に多いらしい。
私の住む宮崎、すぐ近所を流れる川に
かかる橋が〇水流橋、△水流橋などいくつか。
中学生の時に自転車を盗まれたのだが
学校に「お宅の生徒さんの自転車が〇つる橋
のところに放置されてますよ」
と一本電話が入り、音の響きだけでどんな漢字で
かくのか、果たして近いのか遠いのかも分からず
探し当てるのに難儀した。
水流とかいてツル
特殊な読み方過ぎてわかっていなかったが
身近な存在。
水流の地名は文字通り川沿いに多く、利水の
便が良く、しかも水捌けも良い土地につくらしい。
ところが変 -
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前作に続き、地図帳から読み取れることを歴史と交えて解説し、地図の面白さを伝えようとする本。今作は古い地図帳を多く引用し、当時の世相や、地名・地形・境界の変化などに焦点を当てている。「深読み」というタイトルに相応しく、どの項目も詳細に分析されていて、内容の濃い一冊となっている。
本書を通じて学んだ点は次のとおり。
- 1923年の関東大震災で市街地の多くが焼失したのを機に、東京では復興と共に防火対策が行われた。昭和通りや隅田公園、浜町公園を設けたり、街路樹にイチョウが選ばれたのがその例である。
- 三角州には様々な種類があり、円弧状、カスプ状、鳥趾状の3つが代表的。円弧状は太田川など日本でも多 -
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地形や地名、境界など地図帳に関することを歴史的背景と絡めて深堀りしている本。ただパラパラとめくるだけでは気付かないような地図にまつわる知識を多面的に解説していて、著者の教養の深さが伺える一冊であった。一方で、文章と地図の対応が少し分かりづらい部分があり、ひとつひとつ理解して読み進めるにはやや苦労した。
特に印象に残った点は次の3つ。
- 大きく蛇行する長江第一湾の南側には「大理」という地名があり、大理石の由来となった場所。10世紀に大理国が成立し、そこで石材が産出されていた。大理国は13世紀のモンゴル帝国の征服により消滅した。
- 「イギリス」という名前は、元々ポルトガル語の形容詞「イングレ