あらすじ
凹凸、暗渠、古地図、スリバチ……。地形を愉しむのは今や、NHKの人気番組『ブラタモリ』ばかりではない。とりわけ谷が多く風景の変化も著しい東京は、土地のなりたちに親しみ、移ろいを愛する者にとっての聖地とも言える。本書では、旅する写真家と鉄道・地形ファンが信頼する地図研究家が、異色のコラボで東京の「水流」に挑戦! あらゆる地形の原点とも言える、最大の「謎」に迫る。大判カメラで撮影したモノクロの「古地形」が哀愁を誘う一冊。 【目次】まえがき/第一章 水の力、太古からの流れ──中野区弥生町/第二章 地下に現れた「神殿」と「測量の人」──善福寺川/第三章 幻の土手とのどかな風景──神田川を東中野付近から下流へ/第四章 暗渠の魅力と洪水対策のグラウンド──妙正寺川(1)/第五章 文豪の暮らしと「気の毒」が募る寺──妙正寺川(2)/第六章 土地はどのようにして人を受け容れるのか──日暮里崖線/第七章 発展する都市が目を背けた川──渋谷川/第八章 崖から一路、コンクリへ──国分寺崖線/第九章 人工河川の魅力──小名木川/第一〇章 映画の聖地と縄文海進──四谷・鮫河橋谷/第一一章 湿った土地に集う人々──四谷・荒木町/第一二章 意識にのぼらない、しかし長い──石神井川/あとがき/参考文献
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Posted by ブクログ
これは地形オタクにはたまらない本です。
東京の都心を流れる神田川や渋谷川がどのように
地形を形作っていて、それが現在はどういう景観
になっているのかを写真で解説します。
川の流れは大昔から大きくは変わらないです。
そこに人間は護岸をしたり、貯水池を作ったり
整備をします。
そんな昔から変わらない部分と、大きく変わって
しまった点との対比がマニアを魅きつけるのでしょう。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 水の力、太古からの流れ~中野区弥生町
第2章 地下に現れた「神殿」と「測量の人」~善福寺川
第3章 幻の土手とののどかな風景~神田川を東中野付近から下流へ
第4章 暗渠の魅力と洪水対策のグラウンド~妙正寺川①
第5章 文豪の暮らしと「気の毒」が募る寺~妙正寺川②
第6章 土地はどのようにして人を受け入れるのか~日暮里崖線
第7章 発展する都市が目を背けた川~渋谷川
第8章 崖から一路、コンクリへ~国分寺崖線
第9章 人工河川の魅力~小名木川
第10章 映画の聖地と縄文海進~四谷・鮫河橋谷
第11章 湿った土地に集う人々~四谷・荒木町
第12章 意識にのぼらない、しかし長い~石神井川
<内容>
白黒の写真を撮る写真家の都会の川をめぐるエッセイと地形(地図)の専門家、今尾恵介氏の解説による本。多分に詩的であるが、東京の景色を最近流行りの「地形」から見届けている。それも大きな川ではなく、中小河川(多くは痕跡であったり暗渠化されていたり)に注目し、坂や崖といったところから見ている。