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【電子書籍化にあたり、地図・図版をカラー化しました】
街の風景は気づくと変わっている。しかし、何がどう変わったかなかなか思い出せないことも多い。そのような日々のささやかな変化の積み重ねがいまの街のすがたを形づくる。
日本のさまざまな地域の歩みを「定点観測」でたどってみたい。時代の異なる同じ地域の地図を数種類比べることで、それぞれの時代になにが大切にされ、どのような変化があったのかが見えてくる。
明治時代の地図を見ると干潟に塩田が広がる千葉県谷津。昭和36年の地図では干潟が埋め立てられ、遊園地となり、海上にジェットコースターが延びる。その後、平成19年の地図では団地がならび、干潟のごく一部だけが保存されている。
日明貿易で発達した大阪の堺市は明治の地図を見るとその「大きさ」が実感できる。昭和15年の地図には多くの鉄道が描かれ、大浜海水浴場や水族館で賑わう街の様子がうかがえる。その後、太平洋戦争では度重なる空襲を受け、戦後はさまざまな工場が建ち並び、風景は一変する。
このほか、名古屋の中村、仙台の長町、東京の立川や銀座、博多や横浜など、全28景を追いかけていく。
谷津と堺は地名変更や大阪都構想に揺れる。詳細な地図をもとに日本各地の街の歴史を考えることで、国のかたちが浮かび上がってくる。
Posted by ブクログ 2013年02月08日
このテの本はだいたい東京だけ、大阪だけなど限定的なパターンが多いものだ。しかしこの本は京都のみならず名古屋、武蔵浦和、習志野、横浜、仙台、尾久、川崎、博多などバラエティに富んでいる点が素晴らしい。
一冊で様々な土地の変遷や由来を知ることができ、どれも非常に頷けるものばかり。トータルバランスに優れる良...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月25日
映画「Always 三丁目の夕日」のような近過去を回顧する風潮は諸外国には無く、都市の改変が激しい日本独特の風潮であると川本三郎が述べていた。本書は正にそれを地で行く内容である。それほど大規模なものでなくても、よく街で新しい建物や店舗を見かけると、あれ、ここは前はなんだったっけと考える事が多い。そん...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月09日
西荻窪に住んで既に30年余りになるが、駅前なども土地が無いのでロータリーやバス停を含め余り変化が無いように思えるが良く気を付けて見れば随分と街は変わっている。先日は昔住んでいた善福寺公園の周りを散歩して見たら、かつては大きなお屋敷だった場所もいつの間にか切り売りされて住宅になっていたりするしな。でも...続きを読む
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