今尾恵介のレビュー一覧
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地図好きの 地図好きによる 地図好きのための本――まさにサブタイトルどおりの本でした。一般に女性は地図を読むのが苦手といわれますが、むしろ私は好きな方で、よく社会科の授業中に授業と関係なく地図帳を読んでいたクチです(笑)知っている土地もまだ見ぬ場所も、地図を見れば行ったような気になれるし、こんな面白い地名があるのか!とか、鉄道や高速道路がこんなところを通っているのか!とか…いまだに地図は好きですね。時代の異なる地図を見ることでその土地の栄枯盛衰が分かるのも面白いし、すっかりデジタル地図が主流になってしまった昨今ですが、やはり紙の地図もなんとか生き残ってほしいなと思います。新書なので致し方ないかと思いますが、著者のコレクションをもう少し見せていただきたかったです。
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注意すべき点としては、まず本作は学術書ではなく随筆であるということ。そのため、随所に「~だろうか」というような推測表現が頻出するが、その後「正解」について記載がないまま話が進行することが多い。司馬遼太郎作品を読んでいると「著者」が急に顔を出してあれこれと講釈を垂れることがあるが、ちょうどあのような感じである。しかしだからといって学術的に不正確であるといいたいわけではない。むしろ著者はわたしを含めた地理好きにとっては名前が知られた存在で、地名に関しては一家言をもっている。そのため豊富な智識量をもとに、各地に伝わる地名の由来とされる「俗説」についてすぐに疑問を呈するなど、さすがの博学ぶりを発揮している。かといってそのような「俗説」も一刀両断してしまうわけではなく、たとえば新潟県上越市にある「猿供養寺」という地名については、「地元の人が猿供養寺にまつわる『物語』を今に伝えていることこそが重要なのではないだろうか。」と配慮してみせる暖かさをもっている。このような絶妙なバランス加減が、本作中で随所に登場する地域住民との親しげな会話と相まって、読後感をじつに心地よいものにしている。また、地名の由来を離れて、たんに本作で取り上げられているようなさまざまな地名があることを知るだけでも楽しい。なかなかおもしろい作品であると思う。
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<目次>
第1章 余はいかにして「地図バカ」になったか
第2章 地図を愛した先人たち
第3章 お宝地図コレクション
第4章 西へ東へ、いざ机上旅行
第5章 地名・駅名・バス停名あれこれ
第6章 地図に刻まれた栄枯盛衰
第7章 天災と人災
<内容>
地図好きの地図好きによる地図好きのための本、とあるとおり、最近のニッチな趣味者向けの本。今尾さんは骨の髄まで地図好きなのだが、もともとは雑誌「中央公論」連載の記事をまとめたもの。今尾さんは地図から派生して、地名の問題、災害との関連など、社会への提言もあり、地名好きの私としては、かなり重なる趣味者なのである。 -
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地図研究家の今尾恵介さんによる、地図帳の本。
帝国書院が中学校向けに出版している『中学校社会科地図』高等学校向けの『新詳高等地図』を中心に、地図でわかるさまざまな事実を紹介しています。
分水界、低地、高地等、地形に着目したり、都道府県界、旧国界、外国の国境や州境に着目したり、かなり詳細に書かれています。
新旧地図帳を比較する章では、古いものは、大正9年発行の地図も載せられていて、古い時代の地名、行政の境界等が現在のものとかなり変わっているところもあり、大変興味深かったです。
面積が世界最小の国、バチカン市国は東京ディズニーリゾートの面積より小さい、同縮尺の地図で比べると一目瞭然。
地図だから一目で判ることがたくさんあって面白かったです。
地理学に関して、色々な見方があるんだというのも気づかされました。 -
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ちょっと前に話題になった「高輪ゲート
ウェイ」駅。この名前の公募順位は100位
以下だったにもかかわらず、JRが命名しま
した。
その評判は周知の通り。しかもその後の
コロナ禍で、ほとんど忘れ去られた存在に。
そもそも駅名はJRという企業に命名権が
あるのは分かりますが、一方で公共的な
建物に対する名称なので、そんな勝手なこ
とが許されるのかが疑問です。
一時期、よく聞かれた市町村の合併により
その新しい市町村の名称をどうするかで、
結局地名や歴史とは全く関係ないひらが
なや、幼稚園のクラスのような名称に行き
着くという「キラキラネーム」地名もよく
見られます。
「高輪ゲートウェイ駅」がキラキラネーム
に値するかは意見が分かれるところですが
駅名に関して言えば、以前から「新」や
東西南北を付けただけの安易な命名が散見
された歴史があります。
そんな駅名の全てがわかる一冊です。