今尾恵介のレビュー一覧
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地図研究家の今尾恵介さんによる、地図帳の本。
帝国書院が中学校向けに出版している『中学校社会科地図』高等学校向けの『新詳高等地図』を中心に、地図でわかるさまざまな事実を紹介しています。
分水界、低地、高地等、地形に着目したり、都道府県界、旧国界、外国の国境や州境に着目したり、かなり詳細に書かれています。
新旧地図帳を比較する章では、古いものは、大正9年発行の地図も載せられていて、古い時代の地名、行政の境界等が現在のものとかなり変わっているところもあり、大変興味深かったです。
面積が世界最小の国、バチカン市国は東京ディズニーリゾートの面積より小さい、同縮尺の地図で比べると一目瞭然 -
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ちょっと前に話題になった「高輪ゲート
ウェイ」駅。この名前の公募順位は100位
以下だったにもかかわらず、JRが命名しま
した。
その評判は周知の通り。しかもその後の
コロナ禍で、ほとんど忘れ去られた存在に。
そもそも駅名はJRという企業に命名権が
あるのは分かりますが、一方で公共的な
建物に対する名称なので、そんな勝手なこ
とが許されるのかが疑問です。
一時期、よく聞かれた市町村の合併により
その新しい市町村の名称をどうするかで、
結局地名や歴史とは全く関係ないひらが
なや、幼稚園のクラスのような名称に行き
着くという「キラキラネーム」地名もよく
見られます。
「高輪ゲートウェイ駅」 -
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ネタバレ地名崩壊
著者:今尾恵介
発行:2019年11月10日
角川新書
大阪市でも1980年代に住居表示が変わり、例えばミナミの畳屋町が東心斎橋となるなど、雰囲気のある町名が消えていった。北区でも、梅ヶ枝町、老松町、空心町などが、みんな西天満や東天満になった。
この本によると、「心斎橋」という地名はもともとなかったらしい。ブランド地名として行政がグルになって増やしていったということになる。
1923年の関東大震災による復興事業、1962年に実施された住居表示法、平成の大合併により、歴史を感じる地名がどんどん抹殺された、とくに1962年の住居表示法は「地名ジェノサイド」を招いたと著者は嘆いている -
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由緒ある地名が簡単に消滅する時勢に警鐘を鳴らす一冊。
キラキラネームと同様に地名にもひらがなとカタカナが流行。特に平成の大合併で激変している。難読地名をひらがなにした「こあら(小荒)」はよいとして、あるかぽーと(下関市)、メルヘンランド(小矢部市)、豊幌はみんぐ町(江別市)など。
合成地名も今ではそうと気づかないほど定着していることも。谷津・久々田・鷺沼で津田沼とか鳥羽(と)、吉野(よ)、新田(し)、成相(な)で豊科。
最近では災害地名が有名だが本書は具体的な場所がはっきりしない災害地名は当てにならないことを指摘している。
土地のイメージが地価に影響することもあるので、部外者があまり言 -
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帝国書院からの出版です。
小学校の時に誰もが目を通したであろう
地図帳も帝国書院です。
その帝国書院から地図研究家として名高
い今尾氏の執筆とくれば、読まずには
いられません。
あらゆる情報が詰まった地図帳でありま
すが、充分にそれを使いこなしていると
は言いがたいと思える人こそ読むべき
一冊です。
例えば最近は県境マニアが注目を浴びて
います。アメリカにも同様のマニアがい
て、4つの州が出会う場所があるらしい
のです。
ユタ州、コロラド州、アリゾナ州、ニュ
ーメキシコ州の州境が集まっているそう
です。そんな場所も地図から読み取るこ
とができます。 -
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日本全国、いや世界の駅名の名付け方、改称の傾向や歴史を丹念にまとめた、まさに「学」を極める1冊。著者の調査の徹底ぶりは、巻末の付表のボリュームを見ただけでも分かります。
土地の名をイメージだけで変えてしまった「五月台」や、逆に地名が整理されても駅名として残ったゆえに世間に定着した「原宿」など、地名と駅名の着かず離れずな関係がうかがい知れるのも興味深い所。
著者は高輪ゲートウェイのネーミングセンスに疑問を提示していますが、あれだけの騒ぎもあっという間に忘れ去られ(流行語大賞にノミネートすらされませんでしたね)、数年後には駅名としてもエリア名としても完全に定着してしまうのでしょうね。かくも駅名 -
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キラキラ地名に警鐘を鳴らす。高輪ゲートウェイ駅の開業を機に駅名とその元となる地名について体系的にまとめた画期的な本。
駅名をどうするか、鉄道開通からの問題、自治体名だったり広域地名、大字や名所旧跡など。全国、手荷物の誤配を防ぐためにあえて地名に方角をつけたり旧国名を冠したり。
戦争の進展とともに軍施設を表す駅名や観光地の駅名は改称を余儀なくされ、戦後は住宅開発により○○ヶ丘(実は戦前からあるというが)や〇〇台の駅名、地名。
キラキラネームと同様に駅名、地名もひらがな、カタカナが増えるのが最近の傾向のようである。
戻元は高輪ゲートウェイ駅のネーミングに違和感を感じたことが本書執筆のきっか -
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普段誰も気に止めるとこのない踏切。実はその名称は隠れた歴史の証拠。日本全国の珍名踏切を実際に訪れる贅沢な旅の記録。
地名や駅名と異なり、踏切名を変更することはほとんどないようである。そのため小字名だったり、ランドマークとなる建物名や今は使われない通りの通名などが踏切の名に遺されている。
パーマ踏切、爆発踏切、勝手踏切など。
実際に踏切を訪れ、通りがかった人に取材をしている。多くの人に不審がられる様子が面白い。また10年ぐらい前と言っても実際には30年以上経っている例が経験上多いというのも良く分かる気がする。
減少傾向の踏切。また私鉄では駅名と通し番号のみのことも多いという。旧国鉄の踏切 -
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ネタバレ<目次>
まえがき
第1章 駅とは何か
第2章 駅名に採用される地名とその階層
第3章 在来線の駅名
第4章 路面電車の停留場
第5章 新幹線の駅名
第6章 寺社仏閣の駅名
第7章 数多い「前の駅」
第8章 東西南北と中、そして新
第9章 駅名が変わるとき
第10章 観光のための改称
第11章 防諜のための改称
第12章 住宅地系の駅名はブランド化する
第13章 これからの駅名はどうあるべきか
<内容>
山手線に50年ぶりに生まれた新駅「高輪ゲートウェイ」。能町みね子さんが駅名の反対署名をしていたが、著者もこの駅名に大反対。そのあたりにイン