あらすじ
「東が上」の京都市街地図/鳥瞰図絵師・吉田初三郎/アイヌ語地名の宝庫/職人技のトーマス・クック時刻表/非常事態の地図……著者は小学校の先生が授業に持参してきてくれた国土地理院の一枚の地形図に魅せられて以降、半世紀をかけて古今東西の地図や時刻表、旅行ガイドブックなどを集めてきた。その“お宝”から約100図版を厳選。ある時は超絶技巧に感嘆し、またある時はコレクターの熱意に共感する。身近な学校「地図帳」やグーグルマップを深読みするなど、「等高線が読めない」入門者も知って楽しい、めくるめく世界。
はじめに――地図はみんなのもの
1章 余はいかにして「地図バカ」となりしか
2章 地図を愛した先人たち
3章 お宝地図コレクション
4章 西へ東へ、いざ机上旅行
5章 地名・駅名・バス停名あれこれ
6章 地図に刻まれた栄枯盛衰
7章 天災と人災
おわりに――紙の地図がなくなったら
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Posted by ブクログ
「地図」というメディアをこれほど楽しんでいる人は他にはいないのではない
でしょうか。
二次元の地図が表している情報を、たとえば珍地名を探すなどという楽しさを
求めるだけでなく、過去の同位置の地図との比較により、その土地がどのよう
な歴史的経緯を辿ってきたかことに着目します。
最近でも江戸時代の街並みの地図を確認しながら、現代を歩こうという企画が
花盛りです。
それはデジタルによる恩恵が大きいことは否定できません。一方で、デジタル
時代により、紙の地図は消えつつあるかもしれないです。
しかし、いつでもどこでもデジタルで地図を見ることができる現代こそ、いつ
でもどこでも最高のエンターテイメントを手に入れることができたのが現代
なのもしれないです。
近場であっても、とにかく旅に出たくなる一冊です。
Posted by ブクログ
今尾先生の本久々に読んだけど、本当にバカだ、ファナティックだわ。いろんな地図を紹介、その時の入手方法やら説明してくれて嬉しさが伝わってくる。でも、こういう話はずっと聞いていたい。紙の地図は本当に魅力的。かなり昔の地図も、印刷技術が高く素晴らしい色合いなのも目を引く。
Posted by ブクログ
地図好きの 地図好きによる 地図好きのための本――まさにサブタイトルどおりの本でした。一般に女性は地図を読むのが苦手といわれますが、むしろ私は好きな方で、よく社会科の授業中に授業と関係なく地図帳を読んでいたクチです(笑)知っている土地もまだ見ぬ場所も、地図を見れば行ったような気になれるし、こんな面白い地名があるのか!とか、鉄道や高速道路がこんなところを通っているのか!とか…いまだに地図は好きですね。時代の異なる地図を見ることでその土地の栄枯盛衰が分かるのも面白いし、すっかりデジタル地図が主流になってしまった昨今ですが、やはり紙の地図もなんとか生き残ってほしいなと思います。新書なので致し方ないかと思いますが、著者のコレクションをもう少し見せていただきたかったです。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 余はいかにして「地図バカ」になったか
第2章 地図を愛した先人たち
第3章 お宝地図コレクション
第4章 西へ東へ、いざ机上旅行
第5章 地名・駅名・バス停名あれこれ
第6章 地図に刻まれた栄枯盛衰
第7章 天災と人災
<内容>
地図好きの地図好きによる地図好きのための本、とあるとおり、最近のニッチな趣味者向けの本。今尾さんは骨の髄まで地図好きなのだが、もともとは雑誌「中央公論」連載の記事をまとめたもの。今尾さんは地図から派生して、地名の問題、災害との関連など、社会への提言もあり、地名好きの私としては、かなり重なる趣味者なのである。
Posted by ブクログ
好きが高じて、ライフワークとなる人は多くいるが、それがきちんと収入源として成り立っている人はどのくらいいるだろうか。著者の地図好きについてのルーツやその収集方法や視点はとても興味深い。現代において紙の地図が主流でなくなったことについては、我々もかつて車を運転する時には地域のドライブマップが必ずどの車にも載せていたのが、今はスマホやカーナビがその役割をやっている。また、古本店がどんどん無くなっていることについても言及されていたが、本屋自体が街から消えていっているということも改めて感じた。
Posted by ブクログ
説明が具体的だったので岐阜市出身かと思えるほど著者の地図解説が好きだったんですが、その秘訣が垣間見える
一体どんだけ収集しているんだろうか
紙が消えていくのは寂しいがnetで過去未来を旅できる事を活用したい