今尾恵介のレビュー一覧
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<目次>
第1章 ああ、紛らわしき日本の地名~ところ変われば、名も変わる
第2章 「平成の大合併」が変えた地名~人あるところ、忖度あり
第3章 消えた東京の地名~23区編
第4章 変わりゆく東京の地名~三多摩編
第5章 一目瞭然!地名を見ればわかること
<内容>
地理に関すればこの著者。また地名にも造詣が深く、昭和・平成期のつまらない地名の改変にかなり批判的である。私もその点は賛同である。一方近年の歴史書や国語書を読んでいると、地名や人名の表記が、現在のように固定されるのは、明治以降の話で、その点を考えると、漢字から地名を考えていくのは無理があると思われる。なんせ、字が読めない、書 -
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タブレットに東京時層地図というアプリを入れて、たまに都心の地図やら自分の住んでいる周りの過去を調べたりしているのでこの本はその全国からピックアップされた場所を今尾先生の解説で理解を深めるという贅沢な本であった。どんどん海岸線が変わっていく湾岸の地域などは面白いし、消えた路線をたどるのも楽しい。出身地の名古屋や、土地勘のある堺などなど、興味深く読んだが、全く行ったことのない広島、宇品の変遷にも興味津々。
私も今尾先生同様、昔の地名はそのまま残しておいてほしい派。昨今の似たりよったりのひらがな地名やらキラキラした変な地名や駅の周りは自分だったら住みたくないなーと思う。 -
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地図好きの 地図好きによる 地図好きのための本――まさにサブタイトルどおりの本でした。一般に女性は地図を読むのが苦手といわれますが、むしろ私は好きな方で、よく社会科の授業中に授業と関係なく地図帳を読んでいたクチです(笑)知っている土地もまだ見ぬ場所も、地図を見れば行ったような気になれるし、こんな面白い地名があるのか!とか、鉄道や高速道路がこんなところを通っているのか!とか…いまだに地図は好きですね。時代の異なる地図を見ることでその土地の栄枯盛衰が分かるのも面白いし、すっかりデジタル地図が主流になってしまった昨今ですが、やはり紙の地図もなんとか生き残ってほしいなと思います。新書なので致し方ないか
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注意すべき点としては、まず本作は学術書ではなく随筆であるということ。そのため、随所に「~だろうか」というような推測表現が頻出するが、その後「正解」について記載がないまま話が進行することが多い。司馬遼太郎作品を読んでいると「著者」が急に顔を出してあれこれと講釈を垂れることがあるが、ちょうどあのような感じである。しかしだからといって学術的に不正確であるといいたいわけではない。むしろ著者はわたしを含めた地理好きにとっては名前が知られた存在で、地名に関しては一家言をもっている。そのため豊富な智識量をもとに、各地に伝わる地名の由来とされる「俗説」についてすぐに疑問を呈するなど、さすがの博学ぶりを発揮して
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<目次>
第1章 余はいかにして「地図バカ」になったか
第2章 地図を愛した先人たち
第3章 お宝地図コレクション
第4章 西へ東へ、いざ机上旅行
第5章 地名・駅名・バス停名あれこれ
第6章 地図に刻まれた栄枯盛衰
第7章 天災と人災
<内容>
地図好きの地図好きによる地図好きのための本、とあるとおり、最近のニッチな趣味者向けの本。今尾さんは骨の髄まで地図好きなのだが、もともとは雑誌「中央公論」連載の記事をまとめたもの。今尾さんは地図から派生して、地名の問題、災害との関連など、社会への提言もあり、地名好きの私としては、かなり重なる趣味者なのである。