今尾恵介のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
第1章 地図記号がつくり出す小宇宙
第2章 地形図の表現はどうなっている?
第3章 地形図上に広がる不思議な世界
第4章 地形図にまつわるよもやま話
第5章 地図はどこへ行くのか
<内容>
地図オタクの著者。おおよそのことは知っていたが、旧「国」が法令上はまだ生きていると聞いて驚いた。相模国とか山城国とかのことだ。なので地形図(国土地理院20万分の1地勢図)に書かれているのだと…。
まあ、これだけスマホや車のナビなどが普及すれば、紙の地図の行く末は見えているが、著者が言うように、自分も車のナビを見ながら、もう少し広く見たいなと思う。なので自分のナビは2分割で縮尺を変えているのだが、もう少し広く見て、周りや行く先を見たい気もするし、新幹線や飛行機から広く俯瞰したときもある。本のあとがきにあったように、それは人間の認知機能の一つらしいので、これからの人間はそれが退化し、身の回り数十mしかわからないようになるのか?方向音痴の時代になるのかも知れない。 -
Posted by ブクログ
身近なところで聞いたことがある地名が
本書に掲載されていた。
水流とかいてツルと読む。
宮崎・鹿児島に多いらしい。
私の住む宮崎、すぐ近所を流れる川に
かかる橋が〇水流橋、△水流橋などいくつか。
中学生の時に自転車を盗まれたのだが
学校に「お宅の生徒さんの自転車が〇つる橋
のところに放置されてますよ」
と一本電話が入り、音の響きだけでどんな漢字で
かくのか、果たして近いのか遠いのかも分からず
探し当てるのに難儀した。
水流とかいてツル
特殊な読み方過ぎてわかっていなかったが
身近な存在。
水流の地名は文字通り川沿いに多く、利水の
便が良く、しかも水捌けも良い土地につくらしい。
ところが変わって、福岡・佐賀・大分・熊本
になると津留という表記になるそうだ。
面白いものだと思う。 -
Posted by ブクログ
前作に続き、地図帳から読み取れることを歴史と交えて解説し、地図の面白さを伝えようとする本。今作は古い地図帳を多く引用し、当時の世相や、地名・地形・境界の変化などに焦点を当てている。「深読み」というタイトルに相応しく、どの項目も詳細に分析されていて、内容の濃い一冊となっている。
本書を通じて学んだ点は次のとおり。
- 1923年の関東大震災で市街地の多くが焼失したのを機に、東京では復興と共に防火対策が行われた。昭和通りや隅田公園、浜町公園を設けたり、街路樹にイチョウが選ばれたのがその例である。
- 三角州には様々な種類があり、円弧状、カスプ状、鳥趾状の3つが代表的。円弧状は太田川など日本でも多く見られたが、埋立地として工業地帯化され、あまり原形をとどめていない。カスプ状はテヴェレ川、鳥趾状はミシシッピ川が有名。 -
Posted by ブクログ
地形や地名、境界など地図帳に関することを歴史的背景と絡めて深堀りしている本。ただパラパラとめくるだけでは気付かないような地図にまつわる知識を多面的に解説していて、著者の教養の深さが伺える一冊であった。一方で、文章と地図の対応が少し分かりづらい部分があり、ひとつひとつ理解して読み進めるにはやや苦労した。
特に印象に残った点は次の3つ。
- 大きく蛇行する長江第一湾の南側には「大理」という地名があり、大理石の由来となった場所。10世紀に大理国が成立し、そこで石材が産出されていた。大理国は13世紀のモンゴル帝国の征服により消滅した。
- 「イギリス」という名前は、元々ポルトガル語の形容詞「イングレス」が日本訛りしたもの。江戸時代にはオランダ語から派生した「エゲレス」も使われ、当て字の「英吉利」が出てきた。これが「英国」の略称の由来になっている。
- 川の名前は上流と下流で異なることがある。その代表例が、日本最長の信濃川。上流にあたる長野県では千曲川と呼ばれている。