今尾恵介のレビュー一覧
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別に「ひみつ」でも何でもない。しかし知られていないことも多い。学校を表す”文”とか、ナチスのマークと混同される寺院を表す”卍”などの地図記号の成り立ちや変遷、謂れについて書かれてる。
現在の国土地理院の前身の一つは、陸軍の陸地測量部である。地図と軍事は密接に結びついていた。江戸時代に鎖国をしていた我が国から地図を持ち出すことは国禁とされていたことからもわかる(シーボルト事件とか)。
地図は軍事情報として作成された一面がある。陣地の構築、部隊の移動展開に必要な地形かどうか、あるいは道路の幅員は野砲は通れるか、橋の状況はといったことが重要な情報だった。
歴史とともに、記号の統廃合や新 -
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国内外の地図に描かれている鉄道路線から、それぞれの地域の地形や歴史を読み解いていく本。
この本で紹介されている鉄道は、不自然な線形をしていることが多い。ループ橋やスイッチバック、迂回路などなど、まるでジェットコースターのような線形が多く登場し、どの事例も少年心をくすぐられるものである。
個人的に印象に残ったのは、台湾の山岳鉄道に登場する3重ループ橋である。地図ではトグロを巻くように描かれており、標高差を稼ぐためにグルグルと登っていくのだが、大半はトンネルであり、ループであることに気付かない乗客もいるのだろう。
新幹線はじめ、直線的で、トンネルや遮音壁に囲われた線形では、なかなか外の景色は -
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<目次>
序章 地図記号とは何か
第1章 定番記号の学校で教わらない話
第2章 あれも記号、これも記号
第3章 消えた記号、生まれた記号
第4章 記号が映し出す歴史
<内容>
地図マニアの今尾さんの本。今回は地図記号である。Googleマップが当たり前となり、ストリートビューとかを見てしまえば、地図からリアリティまで引き出せる今、地図を読み込む人はほぼいないだろう。そうなると当然地図記号もわからない!地図記号にスポットをあてて、歴史的に読み取っていく(古い地図からちゃんと凡例を持ってきている)ことは、さすがである。学校の地理の授業よりも役立つだろう。また日本近代の歴史も裏から理解 -
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えー、面白くなかった。。
途中で読むの止めようかと思ったゎ。
途中まで、☆2つにする気満々。最後の方だけ「本」っぽくなったから、辛うじて総合3に上げた感じ。
なんてか、ただ脈絡もない事実を前半は羅列してるし、あまり大した事実でもないし、(もちろん、史実を調べること自体が大変だったりプロの技なんだろうということを置いといて。一般向けに出しといて、だから何だ、て感じ。)
しかもそもそも、「事実」がわからないことが多すぎる地名の論争のなかで、特段環境証拠や客観的理論にのっとることなく、僕はこう思うんだよね、ていう一言が載っているだけ。
これは...ブログ感すごくて。
本、なのか?!ていう。
最後 -
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<目次>
第1章 地図で見る今・昔
第2章 地図で地名を発見する楽しみ
第3章 地図で見えてくる「領土と境界線」
第4章 机上旅行のすすめ
第5章 「地図歩き」のすすめ
第6章 地図には謎がいっぱい
第7章 地図記号は語る
第8章 古地図の魅力
<内容>
2005年角川学芸出版から出た単行本の文庫化(加筆・訂正あり)。もともとさまざまな雑誌に書いたエッセイの集成。地図界の第一人者だけあって、どの文章も魅力的。旅に誘われるし、地図を眺めたくなる。地図記号の話とかは、もう無くなってしまったものなど、気がつかなかった(最近地図をも見ないから)。そういえば、行きつけの書店のエレベータ -
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地理の授業でおなじみの帝国書院が、こんな番外編の面白い本を出していたとは。
記号の読み方、統計データの見方など、地図帳を楽しむコツが沢山紹介されている。この本を読み終わった後は、しばらく地図帳から手が離せなくなった。
飛び地、回廊のような狭歪な区角、イメージに反する緯度経度、分水嶺、地図記号のあれこれなど・・・
特に、河川の線形に関する解説が気に入った。山脈を貫いて流れる吉野川、太平洋にあと少しのところまで近づいてから遠ざかって大迂回する四万十川、海までたどり着かず内陸で終わる秋吉台の川など、日本にもこれだけ奇妙な地形が存在することを知った。 -
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地図の専門出版が世に問う「深読みシリーズ」で、地図の歴史的な読み比べが出た。今年8月に発行された時から紐解くのを愉しみにしていたが、感想は「少し残念」というものだった。
100年前の地図というと、全て旧字体でしかも印刷技術は発達していないから文字が潰れているものも多い。それなのに、前作と同じレイアウトを使い、1ページの1/6ぐらいしか使わない地図が多用されていた。これだと、目の悪い私なんかそれだけで見る気が半減した。地図にある豊富な情報が読み取れないのだ。昔の地図は今回の倍ぐらいは総て拡大するべきだったと思う。
それでも、面白かったところ。
・関東大震災直前とその後区画整理された後の東京・ -
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ネタバレ<目次>
第1章 地形に目をこらす
第2章 境界は語る
第3章 地名や国名の謎
第4章 新旧地図を比較する~地図は時代を映す鏡
第5章 経緯度・主題図・統計を楽しむ
<内容>
教科書の地理・地図分野の最大手、帝国書院から出たところが大きい。地理や地図の普及を意識した企画。それなりに面白かったが、興味のない人を引き込むにはまだ足りない。掲げたテーマがマニア向きだからか?地図が小さいのも問題。一応、赤矢印で強調しているのだが、それも小さい。探すのが大変。鉄道線の「ハタザオ線」とか、地図からみとるのは無理(老眼では…)。今尾さんと欅坂あたりの対談形式が面白かったのではないか?