今尾恵介のレビュー一覧
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前作に続き、地図帳から読み取れることを歴史と交えて解説し、地図の面白さを伝えようとする本。今作は古い地図帳を多く引用し、当時の世相や、地名・地形・境界の変化などに焦点を当てている。「深読み」というタイトルに相応しく、どの項目も詳細に分析されていて、内容の濃い一冊となっている。
本書を通じて学んだ点は次のとおり。
- 1923年の関東大震災で市街地の多くが焼失したのを機に、東京では復興と共に防火対策が行われた。昭和通りや隅田公園、浜町公園を設けたり、街路樹にイチョウが選ばれたのがその例である。
- 三角州には様々な種類があり、円弧状、カスプ状、鳥趾状の3つが代表的。円弧状は太田川など日本でも多 -
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地形や地名、境界など地図帳に関することを歴史的背景と絡めて深堀りしている本。ただパラパラとめくるだけでは気付かないような地図にまつわる知識を多面的に解説していて、著者の教養の深さが伺える一冊であった。一方で、文章と地図の対応が少し分かりづらい部分があり、ひとつひとつ理解して読み進めるにはやや苦労した。
特に印象に残った点は次の3つ。
- 大きく蛇行する長江第一湾の南側には「大理」という地名があり、大理石の由来となった場所。10世紀に大理国が成立し、そこで石材が産出されていた。大理国は13世紀のモンゴル帝国の征服により消滅した。
- 「イギリス」という名前は、元々ポルトガル語の形容詞「イングレ -
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別に「ひみつ」でも何でもない。しかし知られていないことも多い。学校を表す”文”とか、ナチスのマークと混同される寺院を表す”卍”などの地図記号の成り立ちや変遷、謂れについて書かれてる。
現在の国土地理院の前身の一つは、陸軍の陸地測量部である。地図と軍事は密接に結びついていた。江戸時代に鎖国をしていた我が国から地図を持ち出すことは国禁とされていたことからもわかる(シーボルト事件とか)。
地図は軍事情報として作成された一面がある。陣地の構築、部隊の移動展開に必要な地形かどうか、あるいは道路の幅員は野砲は通れるか、橋の状況はといったことが重要な情報だった。
歴史とともに、記号の統廃合や新 -
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国内外の地図に描かれている鉄道路線から、それぞれの地域の地形や歴史を読み解いていく本。
この本で紹介されている鉄道は、不自然な線形をしていることが多い。ループ橋やスイッチバック、迂回路などなど、まるでジェットコースターのような線形が多く登場し、どの事例も少年心をくすぐられるものである。
個人的に印象に残ったのは、台湾の山岳鉄道に登場する3重ループ橋である。地図ではトグロを巻くように描かれており、標高差を稼ぐためにグルグルと登っていくのだが、大半はトンネルであり、ループであることに気付かない乗客もいるのだろう。
新幹線はじめ、直線的で、トンネルや遮音壁に囲われた線形では、なかなか外の景色は -
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<目次>
序章 地図記号とは何か
第1章 定番記号の学校で教わらない話
第2章 あれも記号、これも記号
第3章 消えた記号、生まれた記号
第4章 記号が映し出す歴史
<内容>
地図マニアの今尾さんの本。今回は地図記号である。Googleマップが当たり前となり、ストリートビューとかを見てしまえば、地図からリアリティまで引き出せる今、地図を読み込む人はほぼいないだろう。そうなると当然地図記号もわからない!地図記号にスポットをあてて、歴史的に読み取っていく(古い地図からちゃんと凡例を持ってきている)ことは、さすがである。学校の地理の授業よりも役立つだろう。また日本近代の歴史も裏から理解 -
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えー、面白くなかった。。
途中で読むの止めようかと思ったゎ。
途中まで、☆2つにする気満々。最後の方だけ「本」っぽくなったから、辛うじて総合3に上げた感じ。
なんてか、ただ脈絡もない事実を前半は羅列してるし、あまり大した事実でもないし、(もちろん、史実を調べること自体が大変だったりプロの技なんだろうということを置いといて。一般向けに出しといて、だから何だ、て感じ。)
しかもそもそも、「事実」がわからないことが多すぎる地名の論争のなかで、特段環境証拠や客観的理論にのっとることなく、僕はこう思うんだよね、ていう一言が載っているだけ。
これは...ブログ感すごくて。
本、なのか?!ていう。
最後 -
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<目次>
第1章 地図で見る今・昔
第2章 地図で地名を発見する楽しみ
第3章 地図で見えてくる「領土と境界線」
第4章 机上旅行のすすめ
第5章 「地図歩き」のすすめ
第6章 地図には謎がいっぱい
第7章 地図記号は語る
第8章 古地図の魅力
<内容>
2005年角川学芸出版から出た単行本の文庫化(加筆・訂正あり)。もともとさまざまな雑誌に書いたエッセイの集成。地図界の第一人者だけあって、どの文章も魅力的。旅に誘われるし、地図を眺めたくなる。地図記号の話とかは、もう無くなってしまったものなど、気がつかなかった(最近地図をも見ないから)。そういえば、行きつけの書店のエレベータ -
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地理の授業でおなじみの帝国書院が、こんな番外編の面白い本を出していたとは。
記号の読み方、統計データの見方など、地図帳を楽しむコツが沢山紹介されている。この本を読み終わった後は、しばらく地図帳から手が離せなくなった。
飛び地、回廊のような狭歪な区角、イメージに反する緯度経度、分水嶺、地図記号のあれこれなど・・・
特に、河川の線形に関する解説が気に入った。山脈を貫いて流れる吉野川、太平洋にあと少しのところまで近づいてから遠ざかって大迂回する四万十川、海までたどり着かず内陸で終わる秋吉台の川など、日本にもこれだけ奇妙な地形が存在することを知った。