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「地形図を作り始めたのは、どの国でもたいてい陸軍である。もちろん海図は海軍が作った。陸であれ海であれ、国を守るために正確な地図が必要であることは当然である。しかし一方で、他国を侵略するにも、先立つものは地図であった。」(本書「はじめに」より)
軍港や飛行場などの軍用地、重要な工場や発電所、ダム、鉄道操車場といった場所の地図は、敵国の目から隠すために、ときに別のものとして描かれたり、まったくの空白とされることもあった。とはいえ、正確に描かれた地図のなかでこのような改描は逆に目立つことも多い。呉や佐世保、横須賀といった地の空白が意味するものは、歴史を知るわたしたちにとっては明らかだ。この本では、さまざまな用途や時代の地図をもとに、日本がかかわった「戦争」の痕跡をさぐっていく。 軍用地や軍用鉄道は戦後どのような変遷を遂げたのか。また、日本の支配下にあった朝鮮や台湾、満洲国の地図はいかに描かれていたのか。 地図から日本の歩みが立体的に浮かび上がる。掲載地図130点以上。領有をめぐって揺れる尖閣諸島や北方領土の地図も掲載。 【電子書籍版では地図を多数カラー化しました】
Posted by ブクログ 2013年09月08日
昔の地図を眺めるのは楽しいけれど、改めて昔の地図眺めてみようかと思えた一冊。
戦時改描自体は知ってたけど、まぁこれほどまでに稚拙な表現だったとはねぇ。筆者は色々と考察してるけど、一番の理由は人出が足らなかったのではないかと思う。
なかなか面白く、読みやすく本だが、白黒のため地図が見づらいことと、...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年06月09日
著者は、鉄道を中心に地図を解説した著作を数多くだされている。あとがきにも“一介の地図愛好家”と書かれているが、その歴史観の根底には、しっかりしたものが流れている様に感じた。
本書の多くも鉄道が取り上げられているが、戦争との関係では重要なインフラであり、地図を語る上では避けられないだろう。そこから庶民...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月05日
自分も地図を眺めるのはキライじゃないが、これだけの情報を地図から読み取れるとは。やはりその道の達人は違うと感心する。
戦争を経て変わる土地の様子を年代ごとの地図で追うのと、軍事施設を地図上から隠してしまったりする戦時改描が2つのテーマ。
・観光用の路線などは廃止して線路を供出。鉄道の上り坂を迂回...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年02月13日
本の雑誌で、「名指揮者が楽譜を読むように、地図も読み手によって見えるものが全然違う」と名言をおっしゃっていた今尾さんの本。地図の読み方がすごいのはもちろんだが、そのベースに、権力の地勢にとらわれずに土地上の人々の暮らしにもとづくものの見方が信頼できて、安心できる。自分が地図好きだったらもっと楽しめた...続きを読む
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