原卓也のレビュー一覧

  • カラマーゾフの兄弟(下)

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    ドストエフスキーの寿命が長ければ、この作品の続編があったという構想が遺されていたようです。悲惨な物語でなければ読みたかったですね。アリョーシャみたいな人はあなたの知り合いにいませんか?

    ついに、この大作を読みました。
    芥川賞作家の金原ひとみさんが、上巻を読むのに4ヶ月かかったとか
    中巻の帯に書かれていました。最初はつまらない、と。
    でも、僕は読んでみて、そんなことはなく、初めから面白く読めました。
    これからどう物語が展開するんだ?という興味をひかれるんですよね。
    俳優のきたろうさんの息子さんはこれを読むのに半年かかったとか
    『ほぼ日』で読みましたが、僕みたいな「今、自由人」にさえ、
    読むのに

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    2025年06月12日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    評論家筋いわく、世界の文豪の中でトルストイの人物描写は一番完璧らしい。そんな中これらの話は、わりと軽くトルストイ的描写を味わえる作品。結局「悪魔」は人の創りだすものやぜ!

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    2011年05月07日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    肉欲が原因で心身を滅ぼした二人の男。一人は嫉妬心のため、もう一人は誠実さのために。この二つのストーリーを並べて読むことで、さらなる面白味が生まれる。

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    2010年09月26日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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     トルストイの作品を初めて読んだ。『アンナ・カレーニナ』や『戦争と平和』等大作と呼ばれるものが多いが、かなり長い作品ばかりなので、トルストイの作品を読む気になれないでいたが、この作品は短いものだったので読んでみた。また、ロシアの作風がそうなのかもしれないが、作中人物が管を巻くように、自分の考えを述べると云うのが、ドストエフスキーの作品と似ていると感じた。

     どちらの作品も性欲を否定的に捉えたもので、かなりストイックな思想である。
     クロイツェル・ソナタでは主人公が、列車の中で自分の妻を殺した経緯を乗り合わせた乗客に語る。おそらくこの作品が書かれた時代は、縁組等によって結婚相手が決まってしまう

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    2010年09月19日
  • 賭博者

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     カジノに集まる人々の熱狂的な射幸心と金銭欲。作者の自伝的作品。ヤマは2つ。遺産を当てにされている将軍の伯母のビギナーズラックと破綻。第二は主人公である家庭教師の大勝利と散財。そのタイミングのズレで愛する人は精神を病んでしまった。
     ラストで革命を経験したフランス人は貴族の財産・文化を「相続」して、うわべだけの「洗練さ」を獲得した事。ロシアには性急な革命はまだ早いというメッセージが込められている。

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    2021年09月20日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    伊坂先生の『重力ピエロ』の中で一節が引用されており
    興味を覚えたので読んでみた。
    男の語る回想で殆どが物語られるのに、読みづらさを感じず
    つい引き込まれてしまう。

    個人的には、愛というものは存在すると思っているし
    子孫を残す為の本能以外のことが確かに在ると思いたいのだが

    しかし人がこの世に存在していなければならないとは
    けして思わず 寧ろ世界の為には人間などいない方が良いのでは
    と思う私にとっては、なんとも断定しがたい事実だ。

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    2009年12月31日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    基督教と言う背景ゆえに行き着いた結論なのか。
    そのストイックさ、性に対する極端なまでの抑制は何を生むのか。
    自分の内部での闘いはいつまで続くのか。
    彼はその禁欲の果てに何があると見たのか。

    08/5/27

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    2014年05月04日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    嫉妬のため妻を殺した男の告白を通して、惨劇の理由を迫真の筆に描き、性問題に対する社会の堕落を痛烈に批判した『クロイツェル・ソナタ』、実在の事件に自身の過去の苦い経験を交えて懺悔の気持をこめて書いた『悪魔』。性的欲望こそ人間生活のさまざまな悪や不幸、悲劇の源であるとして、性に関するきわめてストイックな考えと絶対的な純潔の理想とを披瀝した中編2作。

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    2009年10月07日
  • 狩場の悲劇

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    ネタバレ

    ロシアの作家チェーホフ(1860-1904)が二十代半ばの駆け出しのころに書いたミステリ小説にして唯一の長編小説。1884年。

    巻末の江戸川乱歩によると、本書は所謂「叙述トリック」のなかの「記述者=犯人」の類型に含まれるという。しかし、他の「叙述トリック」の有名作と比べて、この作品のインパクトはかなり弱くなってしまっているように感じる。それは、解説において佐々木敦が指摘しているとおり、この作品の構成の複雑さに起因するだろう。

    ある編集者のもとに元予審判事が原稿を持ち込み新聞への掲載を依頼するところから物語が始まる。この原稿『狩場の悲劇(予審判事の手記より)』の内容が本書における小説内小

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    2025年06月05日
  • カラマーゾフの兄弟(中)

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    ネタバレ

    大体のストーリーが掴めてきて上巻に比べたらスイスイ読めた。相変わらず登場人物が多い。ドストエフスキー自身はどうやって管理してたんだろうなぁ、脳内完結なのか紙に起こしていたのか。

    イワンも怪しいけどフョードルがすんなりドアを開けて部屋に入れてくれるとも思えず、アリョーシャが怪しいってことになるよなぁと推察。あとページを増すごとにドミートリーがフョードルと同じような発言や行動をしていて、血は変えられない同族嫌悪とはこのことか...と思った。

    ゾシマ長老のシーンで、人は信仰に奇跡を求めがちだけどあまりに傲慢だなとも思う。奇跡が起きた時はそれに縋るのに、奇跡が起きなかったら急に不信者になり、今まで

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    2025年04月12日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    ネタバレ

    重たすぎる腰を上げて読み始めた。2回挫折しているのでこれで3回目。今回こそは読み切りたい...。ちなみに前回のチャレンジから10年以上経っているのでストーリーは何一つ覚えていない。

    まーじで本名に加えてニックネームまで書くの禁止にしてほしい...!笑 ただ最初の200P強に渡る紹介文が後々響いてくるので読まずに進むのは惜しい、というところ。父と長兄の醜すぎる争いと共に、徐々にストーリーが動き始める。

    大審問官...うーん、とても難解だし捉え方があってるのかすら分からないけど興味深い。
    キリストは全ての罪を背負い人に自由を与えたはずなのに、人は自由すぎると途端に迷いだす。そのため指導者を置い

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    2025年03月31日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    上〜下 読み切りました。

    自分の力不足ゆえ頭に入って来ず。
    無念。

    もはや読み始めてしまったから今更引き返すわけにはいかんという意地で読み切りました。

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    2024年07月13日
  • 狩場の悲劇

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     チェーホフと言えば短篇と戯曲というイメージだが、そんなチェーホフが書いた唯一の長編小説。しかもそれは、殺人事件が発生し、調査があって、遂には犯人が示されるという推理小説的なもの。
     
     自分が書いた経験談を出版して欲しいと新聞社に持ち込んだ男と、新聞社の編集者とのやり取りがあって、編集者は一応その小説を読むこととした。そして、その小説が「狩場の悲劇(予審判事の手記より)」というもの。語り手である予審判事の男が住んでいるところに、領地を持つ伯爵が久し振りに帰ってくる。そんな彼らの前に、狂人の父と暮らす美しい娘が現れるが、彼女は伯爵の執事を務めるかなり年上の男のプロポーズを受け入れた。こうした登

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    2024年05月20日
  • 人生論

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    大人ならこういのもちゃんと読んどかなきゃなと思い、チャレンジしましたが、やはり撃沈しました。しかし、思ったよりそこまで難解ではなかったです。

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    2023年06月15日
  • カラマーゾフの兄弟(下)

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    ネタバレ

    読み終わるのに本当に4,5年かかった シンプルに長いよ 話が
    ・ゾシマが亡くなったあとのシーン、腐臭がし出して民衆が手のひら返して批判しだしたのめっちゃ印象に残ってる 人間を感じた
    ・子どもが苦しんだりそのことで親が悲しむシーンシンプルに胸糞悪い
    ・血を分けたから父親というわけではない 父親を父親たらしめるのはその役割を果たしてこそ 
    子どもに愛してもらえる理由もそこにある
    というところ 共感する
    ・苦しいときには誰も手を差し伸べてくれなかったくせに、ことが起きたら有罪だと切り捨てるのはお前も罪があるだろみたいなところ ここもめちゃ共感するし、現代に通ずるものがあるよね
    新たな加害者や被害者を

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    2024年07月31日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    肉欲への軽蔑の意味が込められているのかもしれないが、殊更に描かれているのは、それへの憧憬も入り混じっているとも思う。

    クロイツェルソナタが悲劇を加速させるファンファーレのように作品を生々しく躍動させる。




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    2022年09月12日
  • 狩場の悲劇

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    ネタバレ

    かなりの人が知ってるであろう某作家の超有名トリックが出版される何十年も前にこれを20代半ばで書いていたっていうのは本当にすごいなと思うんだけど、変に注釈などをいれたせいで最後の謎解きが全く驚きがなくなってしまっていて、ミステリ的にはとてももったいないなと…。
    もし注釈を入れずに、最後の謎解きで本当に一気に謎を解いていればもっと評価された作品なんじゃないかなと思った。

    事件が起きるまでも200ページ以上あるし、登場人物がどれもこれもいやな人ばかりなのでその点でも結構きつかったかもしれない。

    このトリックをおそらくはじめて使ったということに関しては本当にすごいけど、そこまで楽しめなかったかもし

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    2022年08月16日
  • 賭博者

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    ネタバレ

    後半のアレクセイがポリーナのためにルーレットに挑み、大金をメイクし続ける描写はまるで自分自身が賭博場にいるかのような興奮を覚えた。ルーレットに勝っても人生そのものの賭けにはおよそ負け続ける状態。それでも何かを信じて、明日もまた賭博場に行ってしまう。哀しき人間の性。

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    2022年07月07日
  • 狩場の悲劇

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    ネタバレ

    如何にものロシア文学で、恐ろしくキャラの濃い登場人物たちが、日本だったとりあえず何かの施設に閉じ込められそうな大騒ぎを、当たり前の顔をして次々と引き起こす。肝心の殺人事件は物語の三分の二を過ぎるまで起こらない。この手のお話に慣れてない人には、少しキツいかも知れない。うんざりしながら、魅せられる感じで、迂生は結構好きです。
    ミステリとしては、題名を告げられて、アレね、と答えられなければ、モグリと誹られても致し方ないと言う、超有名トリックを遡ること40年前に採用していた、という点で評価されているようだ。とはいえ、ミステリとして書かれたわけではなく、おおよそその半世紀後、読者が椅子から転げ落ちた、驚

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    2022年06月27日
  • カラマーゾフの兄弟(中)

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    ゾシマ長老の死、フョードルの死、ミーチャの連行とイベント盛りだくさんの中巻だが下巻への大いなる布石という感もあってなかなか消化不良な部分多し。ゾシマ長老の説法はなかなか心を揺さぶる「ありがたいお話」という感じがするが上巻のイワンが持ち出した大審問官ほどの凄みを感じないのは何故か。
    途中途中で挟まれることわざとかちょっとした詩歌のノリがあまりにも19世紀ロシア然としててまったく入ってこなかった、、。それはそれとして楽しめるのが上級者なのだろうが。
    次でついにラスト、下巻にも当然のごとく期待。

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    2022年03月17日