原卓也のレビュー一覧
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ネタバレ本書は小説ではなく生命に関する論文であるが、トルストイを文豪たらしめているその表現力は存分に満喫することができる。多彩な比喩を用いたその表現は、人生、苦しみ、死といったものと対峙した人間の心情を鮮明に描き出し、トルストイの思想を説得力を持って表現する。これらの比喩の多さ、斬新さ、的確さはそれだけでも本書の醍醐味の一つと言える。以下に一場面を引用する。
「真の生命の発現とは、動物的な個我が人間をおのれの幸福の方に引き寄せ、一方、理性的な意識は個人的な幸福の不可能さを示して、何か別の幸福を指示するということにある。人ははるか遠くに示されるこの幸福に目をこらし、見きわめることができぬため、最初はそ -
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死の床につくゾシマ神父の回想と垂訓が2部の最後を締めるが、少し長すぎて要点が絞り込めていない。ここでこの大長編を読むのをやめた人は多いと思う。(わたしは二人知っている。)アリョーシャが物語の前面に出てくるが、ドストエフスキー作品中最も人気のあるキャラだけあってやはり好ましい。(ただしわたしはソーニャの方が好きだ。) 天性の人徳と優しさを持ちながら、妙に現実的で、異教徒に対する偏狭さに狂信的なものを感じるときがあるところも魅力だ。
信仰の揺らぎに直面した状態で“カナの婚礼”の説話を聞きながらアリョーシャが霊感を受ける場面はこの作品中で一番渾身の場面だと思う。
ちなみに女性の美徳は男のアリョーシャ -
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神の存在意義からミステリーへの
前半は、(前編)最終部の「大審問官」から続く神の存在についての考察が続きます。それは、アリョーシャが慕うゾシマ長老の死によって、さらに問われることに。この部分を読み進めるうちに、遠藤周作さんの名著「沈黙」を思い浮かべました。神への信仰が深まるにつれ、本当に神は存在するのか…。永遠に解決されない課題なのでしょうか…。
一転、後半からミステリー調の流れになって、現実に引き戻されます。そして、ついにその時は訪れるのです。
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購入済み
神の存在と人間の心の葛藤
19世紀ロシアの文豪ドストエフスキーが描いた、神の存在とこの世に生きる人間の心の葛藤をテーマとした小説。「人を愛する心とは」といった命題について考えさせられました。まだ上巻だというのに、深い。しかし、カラマーゾフ一家の父と3兄弟を中心に語られる物語は親しみやすく、女性を巡る情景やそれに嫉妬する人間の心がわかりやすく表現されており、ドストエフスキー初心者にもすぐ入りこむことができました。次の中巻も期待大。原卓也さんの翻訳も非常に好感が持てます。素晴らしい翻訳、ありがとうございます。
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『人生論』トルストイ メモ
◯内容整理
・「動物的個我」と「理性の法則」という考え方。動物的個我は、生命とは誕生から死までの期間である、その限られた生命の中で幸福は人生を達成しなければならない、みたいな考え方。目に見える(偽りの)生命。人間は目に見える人生こそが自分の人生という確信に陥ってしまった。
→人間の幸福は、理性的意識の覚醒=動物的個我の幸福の否定によってはじまる。
・動物的個我における時間的、空間的条件は、真の生命に影響を与えない。(限られた人生の中でどう生きるか、みたいなことは、真の幸福には影響しない。真の幸福ではない)
→理性への従属を通じて幸福を志向する力は、向上させる力であっ -
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世界的文学作品というのはどういうものなのか?フラットな気持ちで読んでみた。冷静に見ると、形としては滅茶苦茶なところがあるし物語の流れもスマートとはいえないと思う。サスペンス的な要素を含む話の骨格の周りに沢山の視点と物語がある。流石の文量なのでそれぞれに厚みがあり世界がある。百年以上前の小説に「萌え」をみたり。親子、兄弟、恋愛、友情。お腹いっぱいの作品。一言で言うのは難しい。読んだ。印象を持った。というのは財産だろう。読み応え、という点では間違いなく一級品。ドストエフスキーの別の作品も読んでみようかなと思うくらいの読み応えはあった。読むのが大変だった。が、また読み返したいなと早くも思う不思議な作
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特に印象的なのは当然物語のクライマックス、母親が死ぬシーンになるが、トルストイが書きたかったのは、その後の主人公の心理、思考描写だろう。おれも最近ばぁちゃんが死んだが、そこには悲しい人の役をどれだけうまく演じられるか競っているような面があって、本当に自分が考えていることを見つめるのが怖かった。トルストイはそれをあっさり書いていて、彼の鋭い眼差しは自分にも容赦がない。ただ宗教的な面で彼だけ見えてる部分があったが、それでもおれからしたら宗教的な面で本当にそうだろうかと思う部分もある。幼年時代の終わりとして、誰しも母親なるものの死が必要になる。しかしおれはトルストイが好きだ。アンナ・カレーニナなど他
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トルストイズムに触れたくて読んでみたけど、個人的には読みやすかった!
前半は眠くなることしばしば、、という感じだったが、後半慣れてくると章が細かく分かれており、分かりやすく論理が展開されていると思った。
基本なるほどなーと素直に受け取りながら読めたけど、トルストイが説く「自己犠牲の愛」だけは共感できなかったな。
これは自己犠牲に反発を覚える自分の人生経験があるからだと思うけど…彼が印税で稼いだお金を受け取らず奥さんと喧嘩したことを思い出した。
聖書の再解釈ともいえる内容、極端に思える箇所があるかもしれない。けれど、彼が歩んだ人生を通して実感を伴ってたどり着いた思想の極致なのだろうと納得する -
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まだ判断できない。
だいぶ読むの時間かかった(普通にリアルが忙しかった)。
早く下巻読みたいがまたまたリアルが忙しいのである。
下巻読んだら一気に感想書く。あ、評価もね。
はい下巻読んだよ。
中巻は正直、物語の展開には必要だったと思うが、内容としてどう関わっているのかがわからなかった(下巻読み終わるまでは、ね)。これは最後のオチにつなげるための伏線だと思う。
中巻では主人公アレクセイ(愛称アリョーシャ、以下ではそう呼ぶ)の師匠的な人、長老が死ぬ。その後の市民の反応が前半の主な部分かしら。
半分あたりから大事なのだが、フョードル(父ね)が殺されます。急展開!と言いたいがまあ結構しっかり前置きあ