原卓也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「“生きてる”と“生きる”はちゃう」
せやな、“本当に”とか“マジで”とか“ちゃんと”とかを頭につけると生存と生命が全然違く感じる。
わかりやすいぞと思ってページをめくれた。
初めは“私”って何?的な実存主義を題材にしてるんかなとおもたら学者全般に否定的になって、キリストとか仏陀とかツァラストラとか褒め出すからそう来るか!とおもた。
進めるとよりキリストっぽくなって・・・
「愛しなさい、神と隣人を」
個人の幸福はやがて不幸を招くからみんなで幸せになろうや。だから隣人を愛することはわかった。なんで神を愛さなあかんの?神は隣人の1人じゃないの?
これ以上は怒られそうやからやめときます。
他にもいろいろ勉強になる良書です。 -
Posted by ブクログ
大変ディープな内容を扱ってはいるが、よく読むと納得できる部分が多く、さらに同じ内容を折に触れて反復している。深い作品だけにしっかりメモをとりながら読めば良かったと、読み終わってからしばらく経つ今になって後悔。
人間の生命は幸福への志向である。しかし、人間は理性という天性の特質ゆえに、動物的個我の追求によっては真の幸福を達成できない。なぜなら、不可避な死を認識してしまう以上、生きている間のいかなる個人の快楽も結局は無に帰す虚しいものであるという事実から逃れることができないからだ。根源的には満たされえない個人の快楽を追求する人々は、不可避な死から必死に目を背け、それに常に怯えながら生きていくしかない。
この個我としての人生に対する絶望から立ち上がり、真に幸せに生きるために必要なものこそが、全人類に対する愛である。自己ではなく他者の幸せを追求することに人生の意義を見出すならば、自分の死は全く恐れるべきものではなくなる。自分の死は、他の全人類の終焉を意味するものではないし。むしろ然るべき時に自分が死ぬことは人類全体の繁栄にとって必要不可欠なものであるのだ。
人生における、個人に起因しない理不尽な苦しみすらも、自らの生命を人類全体という視点から捉え、全人類との因果の鎖の中で見れば、自分の味わう苦しみは全人類が負っている罪(原罪?)に起因するものである。自分はそれを味わっているに過ぎないし、自分が味わうことによって他社の苦しみは軽減される。すなわち、理不尽な苦しみの耐えがたさも、人類への愛に追って軽減される。むしろ、これらの苦しみの、個人に限定された因果関係からは説明しがたい理不尽さは、生命を一個我として捉えるべきではないということを示している。
以上、本作品の要旨を私なりに整理した。しばしば論理が明確に示されないまま自明であるかのように断定に至る部分も少なからずあり、完璧に理解しきるには難しい、だが、偉大な思想家トルストイの人生についてのスタンスを学べたことに意義はあると思う。個我の快楽を否定し全人類への愛によって生きるという人生はいくら理性的ではあるとはいえ実際なかなか実行できないものではあると思うが。
自分のために内容を整理した感が強いのでとても長くなってしまってごめんなさい。
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Posted by ブクログ
【愛こそ人間のすべて】
「人間が生きる目的はなんなのか?」「生物が生きる目的はなんなのか?」そんな答えを見つけたくてたどり着いた一冊。
人間、生物、無生物に分類するあたりや、人間は「自分の幸せのために生きている」という点は同意する一方で、「愛」によって「死」はなくなる、という点などは納得できない。
訳者が記述しているが、どうもトルストイ自身が60歳になり、自分の死に向き合うにあたって、自己の精神の安定を求めて書いたように見える。
自分の幸せではなくて、相手の幸せを願うことこそ、「愛」であり、それをすることで死が怖くなくなる。自分というものを破棄し、人間というコミュニティ/カテゴリに収まることで、自分の死は人間という単位では死ではなくなるために、恐怖から解放される。
意識は寝るときも、死ぬときも無いわけで一緒なのだから、怖くないでしょ?っていう独自の論理は、なかなか面白い。
が、そんなこと気にせず、つまるところ大事なのは「自分の幸せ」なのであると私は思う。 -
Posted by ブクログ
訳が読みやすくて、良い。
一人の男と一人の女がひたすらに愛し合うことを望んだ夫たちの破滅。
片方は妻の殺害に至り、片方は自殺を遂げる。
「クロイツェル•ソナタ」で、美しい妻が二枚目の男と合奏を披露するシーンがある。
そんな二人を、じっとりと憎悪を込めた目で見つめながら、クロイツェル•ソナタについて、こう語る。
「たとえばこのクロイツェル•ソナタにしても、それを作ったベートーベンは、なぜ自分がそういう心境にあったかを知っていたわけですし、その心境が彼を一定の行為にかりたてたのですから、彼にとってはその心境が意味を持っていたわけですが、こっちにとっては何の意味もないんですよ。」
なるほど、と思う。
それもトルストイがそう言い切れることに。
結婚が如何なる束縛であろうと、男と女には読めない心の揺れがあるものだと思う。
その揺れを見つめ続け、貞淑さを追うことによってもまた、ある種の破滅を起こしてしまうのだなあ。いやはや、難しい。。。