原卓也のレビュー一覧

  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    『クロイツェル・ソナタ』の方は光文社文庫で読んだので、こちらは『悪魔』のみの感想をば。

    エヴゲーニィという真面目な青年の悲劇。
    人間なら誰もが抱くであろう感情に苦悩し敗北してしまった人。
    こんなにも苦しんだのに誰一人彼の苦悩を理解しない結末。
    もしかしたら、それは現代人にも通用することで、今現代で同じ悩みを持つ人間がいたなら、恐らくその人も誰にも理解されないのではないだろうか…。
    エヴゲーニィはあの女性を“悪魔”と言っていたけど、悪魔は常にエヴゲーニィの中に居たんじゃないかな。それは誰の中にも居るだろうものだと思う。

    エヴゲーニィとリーザは良い夫婦だと思う。身重のリーザをお姫様抱っこしたシ

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    2013年01月12日
  • 人生論

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    トルストイが小さな怪我から重い病気になり死を意識する。なぜ何ために死はあるの理性と感情が保てない、という見舞いの手紙に返事したのが元となりトルストイ思想を知る本にもなる。というものの中盤は難解至極で凹む。人は真の理性をもてば死は怖くない、誕生から死しても未来へ永遠に続くものそれはあなたの愛で、自分の幸せ願望は他人も同じ、戦争なぞ無い未来が来る。だけども、苦や痛みは人生に当然あるもの、その中に幸せがあると理解せよ。顕微鏡で覗いても宇宙へ行っても見つからない。つまり、快楽のみにボ〜っと生きるなということかな。

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    2013年01月04日
  • 賭博者

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    賭博狂の心理がリアルに描かれていて、非常にスリリング、かつ恐怖感を抱かせる作品だった。
    賭博で大勝をする興奮、負けを取り返すという心理、それらを醒めた眼で眺める第三者的な視点と、自分自身がそこにはまり込む快楽の全てが、圧倒的なリアリティを持って描写されている。そのあまりのリアルさに、この作品に描かれている狂気が決して人事ではないと感じさせ、善良な人間も、賢い人間も、老いも若きも男も女も、簡単に狂気へと転落させる賭博行為への恐怖感が強烈に後味を残す。

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    2012年09月15日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    裏表紙に書いてある通り、ストイックだった。
    もう好きなようにしちゃいなよ。と、言いたくなるほどの苦悩。
    トルストイの小説はなんていうか、すごくロマンチックな男が多いというか、女以上に純粋と言うか…でも不誠実。完璧な誠実寄りの不誠実。そこがすごく人間っぽくてたまらないです。

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    2012年03月06日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    嫉妬の構造という本で紹介されていたので。
    展開的には、寝取られ好きな自分としては興奮した。
    わたしは性に関してかなりオープンというか貞操を守らない人間だから真逆の考えっておもしろかった。すごい読みやすかったし好き。
    他の作品も読みたいなー

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    2011年11月23日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    ネタバレ

    トルストイの本って長いから読みたくないと思ってたんだけどこちらはどっちも短編でお手頃。ものすごく恋愛とか性愛に否定的な考えを持っている筆者の自戒的でもある主張がありありと、伝わりすぎるくらい伝わってくる小説。この人本気で「みんなも姦淫だけは絶対に避けたほうが良いよ!人生狂わされるから!」って思ってたのかな。それはそれですごい事だ。あと小説としてはオチがしっかりしてて秀逸。「クロイツェル・ソナタ」のほうは序盤から中盤にかけてまったく場面が移動しないからつまらないけど「悪魔」の方は気にならない。

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    2011年08月21日
  • 人生論

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    ネタバレ

    トルストイがパスカル、カント、キリストなどたくさんの
    先人の教えを受けて究極の博愛を示す。
    正直、今、自分のものとして、実行することはできない。
    ただ、その理想への道筋を追うことで、得るものは多いと思う。
    まとめると『人類が 理性と愛で 幸を生み』といったところでしょうか?

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    2011年07月18日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    トルストイの転換点『人生論』と同年、1889年に『クロイツェル・ソナタ 悪魔』は書かれた小説。しかし、『悪魔』はトルストイの死後1911年に公開される。内容が私小説的色彩が強い作品だったのが理由と言われている。

    現代でも『クロイツェル・ソナタ 悪魔』はありそうな話ではある。浮気現場を目撃されて刃傷沙汰になり死人が出たり、元カノと別れられずにズルズルと...最後には家庭が崩壊し誰も幸せにはならないとか。人間のやっていることは昔から変わらないし、たぶんこれからも変わらないのかもしれないね。

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    2025年11月24日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    ネタバレ

    望ましいのは絶対の純潔を続けることであり、徹底的に一夫一婦の原則を守り通すことがいいと考えているトルストイ。道楽は絶対許してはならないというメッセージ性が強い。
    「クロイツェル・ソナタ」嫉妬や思い込みが激しく、勢いで妻を殺してしまう。ベートーヴェンの作品だが何度か出てくる。
    「悪魔」すざまじい話…性欲っておそろしい。最後の結末はもうひとつ別のパターンもあって、エヴゲーニイはステパニーダを射殺したものがあるとのこと。どっちの結末も救いがない。だめだ。。トルストイ自身の実話も絡んでいるようだ。面白かった!

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    2025年10月14日
  • 人生論

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    ネタバレ

    人間の生命について曖昧な定義を明確にしようという発想が新鮮でした。人間の生命とは理性的な意識を持って自分ではなく他人の幸福のために生きること、また他人を平等に愛することであり、これにより生命は時間や空間とは離れ、死にすら臆すことがなくなる、というのが筆者の考えかと思います。
    筆者はこの精神を持つことで、死の恐怖すら超越できたのか…晩年の筆者の心情が純粋に気になりました。

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    2025年10月01日
  • カラマーゾフの兄弟(下)

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    三兄弟の苦悩が身に染みてわかりました
    ドストエフスキーが晩年に書き残した想い
    続きの第二作が是非とも読みたかったです

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    2025年09月20日
  • 人生論

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    死に対する捉え方が印象的だった。これを執筆した時トルストイが死を覚悟していたからなのだろう。大抵ウンウンと同意しながら読めると思う。こんなに共感できると思っておらず、自分自身の感性に対しても新たな発見であった。

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    2025年09月19日
  • カラマーゾフの兄弟(中)

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    この物語は父殺しが中心と評論されているのに事件がちっとも起こらない。それどころか上中下しかないのに中を読み進んでも父親は生きている。はて?
    しかし中はだいぶ面白い。
    そして中の後半だいぶ進んでからやっと事件が!
    下も一気に読みたいけど消化不良にならないように100分で名著の解説部分を読んでから第四部へ!

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    2025年08月04日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    前半だれましたが、後半一気読み。

    こんなヒヤヒヤする話だとは思わなかった。
    聖書の知識があってこそ、読み切れたのかもしれない。
    (以前挫折経験あり)

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    2025年06月30日
  • カラマーゾフの兄弟(中)

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    ネタバレ

    まだ判断できない。
    だいぶ読むの時間かかった(普通にリアルが忙しかった)。
    早く下巻読みたいがまたまたリアルが忙しいのである。
    下巻読んだら一気に感想書く。あ、評価もね。

    はい下巻読んだよ。
    中巻は正直、物語の展開には必要だったと思うが、内容としてどう関わっているのかがわからなかった(下巻読み終わるまでは、ね)。これは最後のオチにつなげるための伏線だと思う。
    中巻では主人公アレクセイ(愛称アリョーシャ、以下ではそう呼ぶ)の師匠的な人、長老が死ぬ。その後の市民の反応が前半の主な部分かしら。
    半分あたりから大事なのだが、フョードル(父ね)が殺されます。急展開!と言いたいがまあ結構しっかり前置きあ

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    2025年08月10日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    登場人物の相関図をwebで調べながら読み進めました。
    女性にだらしないのがカラマーゾフの家系なのかと思っていたら後半で一気に神への信仰が加速。
    きっと下巻まで最期まで読めばすべての意味がわかるのだろうと思えています。
    でも長い小説だから次の中巻より先に解説本かYouTube大学に走りたくなります。。

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    2025年05月19日
  • カラマーゾフの兄弟(上)

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    ネタバレ

    まだ星はつけれない。だって上巻しか読んでないんだもの。
    現時点での感想は、登場人物が多すぎる!ってことだね。なかなか読むの苦戦したもんです。
    長男ドミートリィ、次男イワン、三男で主人公のアレクセイの中では、1番アレクセイが腹の底が見えない感じがありますね。
    宗教的な物語なので、日本人としては感覚的に掴みづらい部分も多いのですが、価値観がほんとに違う感じが大変興味深いです。
    大審問官はすごかった。
    どうすごい、何がすごいってのはちょっと言葉にするだけの語彙力がなくて悔しいな。
    とりま中、下も読みたい。読んだくる。めっちゃページ数多いけど。

    はい、全部読み終えたので星つけました。下巻まで読むとこ

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    2025年08月10日
  • カラマーゾフの兄弟(下)

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    ネタバレ

    酷い親を持った子の思想形成のパターン、として読んだ。
    何を拠り所に生きていくか。
    ドミートリーは純粋さと情熱、イワンは知性と思想、アリョーシャは敬虔さと素直さ、スメルジャコフは狡さ。
    最後のアリョーシャの演説でふと涙が出てしまった。
    「いいですか、これからの人生にとって何かすばらしい思い出、それも特に子供のころ、親の家にいるころに作られたすばらしい思い出以上に、尊く、力強く、健康で、ためになるものは何一つないのです。君たちは教育に関していろいろ話してもらうでしょうが、少年時代から大切に保たれた、何かそういう美しい神聖な思い出こそ、おそらく、最良の教育にほかならないのです。そういう思い出をたくさ

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    2025年05月06日
  • カラマーゾフの兄弟(中)

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    ネタバレ

    ゾシマ長老の神秘性が、死後の腐臭によって最も容易く覆っていくのがゾワゾワした。世間って怖い。
    その後の闘士になった?アリョーシャは実際どうなってしまったんだろう。
    ミーチャへの尋問、受け答えがもうわけわからなくて好き。取り調べするほうも怒りを通り越して笑えてくるんじゃないかと思うくらい破綻してて好き(実際は破綻してなかったりするの…?)
    色々謎を残したまま、下巻へ。

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    2025年04月20日
  • カラマーゾフの兄弟(下)

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    ネタバレ

    書きたいことが山ほどあるので忘れないうちに箇条書きで残すことにする✒︎

    ・下巻の裁判のシーン、めちゃくちゃ面白かった。長々と書かれているけどスラスラと文字が入ってきて不思議に思うくらい。
    ・今の時代だったら杵の指紋から犯人を特定する形になるんだろうけど、まだ証拠を証拠として扱えない時代...。こういう結末を迎えた事件も多かったんだろうな。
    ・この長さになるとつい上巻の内容を忘れがちなんだけど、中下巻にもちゃんと全て関わってきていて感嘆した。マジでどうやって書いたんだろう。

    ・ミーチャの罪が確定するところや、無罪であっても有罪であっても罪を受け入れるシーン、各個人の良心の呵責を見ると、本質

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    2025年04月12日