杉浦日向子のレビュー一覧
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上巻でも書いたとおり、この漫画は文庫になると字が小さすぎて、少しでも暗いところでは、メガネをかけても台詞が読めない! そのため読めるシチュエーションが限られており、下巻も読み進めるのに苦労したが、どうにか読み終えた。何も考えず平積みになっているものをパッと上下巻買ってきたのだが、今後文庫サイズの漫画を買うときは気をつけよう。劇画タッチのアクションものの方が、文庫サイズになると迫力が薄れて良くないように思うが、実はそうでもなく、むしろこのような「静かな漫画」の方が、空気感や物語の間など、文庫になると失われるものが大きいように思う。この辺は映画と正反対で面白い。
内容は面白いが、上巻と比べてもさら -
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原恵一監督のアニメ映画がたいへん素晴らしかったので、原作の上下巻もすぐに大人買いしてきた。ところが読むのにひどく時間がかかった。理由は、文庫版のため台詞の文字が非常に小さいから。普通の文字で2mmm弱、ルビに至っては0.9mm。画数が多い漢字も多く、メガネをかけても暗いところでは台詞が読めない。そのため読めるのは、明るい場所でメガネをかけた場合に限られる。文庫版の漫画は他にも持っているが、ここまで字が小さくて読みにくいものは無い。
しかし内容は面白い。杉浦日向子の作品を読むのは多分これが初めてだが、人気があるのも当然だと思う。絵はそれほど上手いと思わないが、絵の空白部分やコマとコマの間に深い余 -
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杉浦日向子さんの突撃レポーターといったイラスト入りの取材記です。イワシ頭という表現はイワシの頭も信心からという言葉からですが、東京中のあらゆるゲテモノ的なもの、迷信、怪しげな場所、オカルト、まじない、占い、ある意味パワースポット・・人間の内に潜む欲望、願望などを吸い取るところは必ずあると20箇所を超える取材の顛末記を読んでつくづく思いました。
大抵の怪しげな商売には金銭的にもかなり高額な代金が付いて回るのに成り立つところが不可思議であり、興味深々な訳なのですが、普通おいそれとは覗けません。今回と同行した妙齢の女性「ポアール」さんはそれらの場所へ果敢に出動、身体を張った体験記となっています。
彼 -
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杉浦日向子の東京イワシ頭を読みました。
杉浦日向子が講談社の新人編集者ポワールといっしょに流行迷信(イワシの頭も信心から)を取材するというエッセイでした。
新興宗教のようなもの、占い師のようなもの、エステ、ギャンブル、人面魚、ストリップ、げてもの料理、と言ったいろいろな人物や団体を取材して絵付きのエッセイとしてまとめられています。
結構どぎつい取材もあったようですが、杉浦日向子らしい風俗を描く視点でまとめられているので、安心して読むことが出来ます。
書かれたのは1996年のようで、ネタが15年前なので、今読んでみると結構懐かしく感じました。 -
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『東京イワシ頭』に続くシリーズ第2弾。
これに『入浴の女王』を加えて、シリーズ3部作となりました。
楽しい、ほんと、楽しめる体験話。
気が向くままの、のんびり旅行、体験。
ポアール嬢との会話もなんかいい。
杉浦日向子さんが、あんまりにも活き活きとしているのでうれしくなってきます。
同行のポ嬢は、今頃何しているんでしょう。
講談社の編集者でいることを祈ります。
できたら、杉浦さんとのこと、何かに書いていてくれるとうれしいんですが。
杉浦日向子さん、ほんと素敵な作家さんだったと思います。
でも、ほんとに、杉浦さんもポ嬢もよく呑むねえ~。
感心です。 -
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おもしろかった。
杉浦日向子が、東京の1996年ころの怪しい文化を実体験しながら文章にしたもの。
あのころの日本の、怪しさを満喫できる。
今の日本も怪しいけれど。
あの頃の怪しさは、世紀末に向かう時期の怪しさとでもいえるのかな、ちょっと、怪人20面相、小林少年といった、昭和初期のころのような、セピア色を感じてしまうのは私だけだろうか?
同行していた担当編集者の≪ポ≫さんは、今頃、講談社の、お偉いさんになったかなあ?
とてもかわいいというか、きれいなというか、魅力的な女の子ってイメージだったけれど。
あの時の≪ポ≫です。って、出てきてほしい気がする。
にしても、杉浦日向