杉浦日向子のレビュー一覧

  • 百日紅(上)

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    「散れば咲き 散れば咲きして百日紅」
     多分江戸のその辺へ行って、取材してきたんぢゃねえか程度の、歴史考証とかでなくて 当時の空気みたいなのが、全篇にむるむるしてゐる。
     北斎先生やその娘お栄(パパからは一貫して「アゴ」と呼ばれる)の才能ぷりや為人が描かれるのの次に、国直の描写が良い。(彼と同郷の人なのに私はまだ龍を見たことが無い)
     飯が美味しさう。

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    2018年10月27日
  • とんでもねえ野郎

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    時代は幕末
     開発のために造られた女郎屋が、一応道場になり、そこへなんかとんでもねぇ野郎が住みついてゐる。
     ポルタアガイストの関係、衒ひの無さ加減がよい。
     後の対談での、おに―たんの相手をさせられる杉浦日向子様のエピソードが頭の中を駆け巡る。

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    2018年10月27日
  • YASUJI東京

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    日曜美術館で紹介されていたので興味を持って購入。
    タイトルの井上安治テーマの作品より他の陰陽道的な作品の方が面白かった。

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    2018年05月20日
  • 東のエデン

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    『閑中忙あり』が好きである。黒砂糖入れたコーヒーが、安定の杉浦日向子ストロークで美味さうである。
     なんか最初の、欧州の人が日本を紹介する話が、向ふのユーモアを交へた表現で、一応上から目線の観察者の視点で、描かれてゐる割に、アレな翻訳家の人が、いい感じで謎のフォローを入れてくれて、大変良いのである。

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    2018年05月05日
  • 百日紅(下)

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    評判通り面白かった。短編集なのがいい。下巻はほとんどが怪異譚であるが、いかにも「江戸」らしい話が多く、違和感なく入ってくる感じ。夜の闇は限りなく暗く、提灯や行灯の明かりは、限りあるもの。聞こえる音は風の音、虫の音。そんな頃なら、こうした話があってもおかしくない。

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    2017年11月14日
  • 百日紅(下)

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    ネタバレ

    これ、主人公は北斎でなく娘だったのか。。。
    (今更)

    程よい余白があって、また読み返したい。
    登場人物についてもっと知ってから読むと、また違った受け取り方ができそう。

    ひとつ気になるのは
    素晴らしい美人絵を描いてもらって、背景が無いのが寂しいからと足してもらうのだけれど

    足してもらって男性が腑抜けた顔で縁側に座っている。

    これは満足したのか、逆に足してもらう事によって蛇足となってしまったのか。。。
    どちらだろう。。。


    他作品も読んでみようか。。。

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    2017年06月30日
  • 合葬

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    時代の趨勢も、戦いの意味も見通しもよくわからないまま、勢いに振り回されて散っていった少年たち。
    みんな、普通に生活していた、普通の若者たちだった。

    愚かと言えば愚かだし、悲劇と言えば悲劇だし。
    彼らは、死にゆく徳川幕府の道づれだったのか。
    生きて次の時代を迎えた者は、変わらぬ時の流れの中に身を置く。
    淡々と。
    また、普通に。
    生きていればなあ〜
    生きていれば。

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    2017年03月11日
  • 百日紅(下)

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    学生時代に読んだものを久しぶりに再読。当時はこれぞ時代物という感じの話で、起承転結があまりない作品としか思わなかったのですが、今読むと娘のお栄ちゃんが親の北斎に負けず劣らず才能があり、しかもこじらせ女子な感じが すごくよかった。解説にも紹介されていたけど、お栄の地獄絵の始末を北斎がつける話が好き。

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    2016年09月07日
  • 百日紅(下)

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    映画を見て、原作を読んでみたいと思った。
    もっと鮮烈な作品かと思ったら、以外と緩かった。

    映画は、本当に映像化して最適なものを選んであったことがよく分かった。

    どこかとぼけていて、どこか切ない。
    光と闇、紙一重で異界と通じている生活空間。
    苦しみをさらりとかわして、生きる市井の人々。
    江戸情緒ってこういうのもの。

    「鉄蔵」「四万六千日」「美女」「心中屋」が特に好き。

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    2016年04月24日
  • 合葬

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    柳楽優弥、瀬戸康史のダブル主演の映画化が封切。意識的に原作を読まずに映画を観てきた。そして映画を見終えた夜に読んだ原作の「合葬」。原作で作者が伝えたかったこと、映画の監督が伝えたかったことは別物だと感じる。原作の合葬「手を伸ばせば届きそうな、ほんの100数十年前の幕末、時代に巻き込まれていく青年たち。それを取り巻く多くの登場人物」が丁寧に、しかし淡々と語られていた。幕末は特別な時期だったのではなく、今という時代に続く、ほんの一瞬の通過点と言いたかったのだろうか。原作と映画の「合葬」。両方に触れてもらいたい。

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    2015年10月06日
  • 合葬

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    幕末の上野戦争を舞台に、彰義隊の若者たちと、当時の出来事として客観的に描かれた物語。

    大河でもそうだが、ヒーロー主観の物語よりも出来事を客観的に描いた物語が好きで、これもそん感じの物語で一気に引き込まれる。

    当事者の若者たちの物語は最後は悲しい描かれ方ではあるが、その家族や町人たちは変わりなく日常を過ごし、少しづつ関わり合いながら明治の風が吹き込んでいく様がリアルで面白い。

    町人文化目線で幕末の動乱を描くというのはさすが杉浦さんだなと思う。

    もっともっと多くのこういう作品に触れてみたかったので、杉浦さんの早逝は改めて残念だ。

    映画化されているようだが、変に脚色せず原作に忠実に描けば面

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    2015年10月05日
  • 二つ枕

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    浮世絵漫画の決定版。時代考証とか花魁などの登場人物の考え方といい、この作者自体が江戸からタイムスリップしてきたとしか思えない。
    私は話よりも作品世界に浸っていた。

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    2015年08月06日
  • 新装版 呑々草子

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    杉浦日向子の呑々草子を読みました。

    東京イワシ頭に続く、杉浦日向子と編集者ポワール(略してポ)が体当たりで敢行する日本各地をめぐる体験記でした。
    意味なし意義なし目的なし、起承なければ転結もなし、という面白旅行記なのでした。

    杉浦日向子のエッセイとイラストそしてポのイラストが旅の楽しみを感じさせます。
    さらに呑々(のんのん)の字のとおり、各地の銘酒が紹介されています。

    konnokは酒は弱いので実体験はできませんが、呑兵衛の女性のエッセイは大好きなのでおもしろく読みました。

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    2015年08月02日
  • ゑひもせす

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    史実に微細な点まで忠実な赤穂事件には驚いた。吉良家の家臣の一人一人の行く末まで調べてある。素晴らしい仕事ぶりだと思う。

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    2015年08月02日
  • 合葬

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    明治新政府が樹立され、徳川慶喜が上野寛永寺に謹慎となっていた頃、江戸では慶喜公の待遇改善を求め彰義隊が結成され、町の治安維持を行っていた。
    家を追い出され居場所を失った吉森柾之助は、親友の秋津極、福原悌二郎と出会う。
    彰義隊に3人は入隊するが、彰義隊はやがて先鋭化して明治政府との対立を深めていく。

    杉浦日向子さんが上野戦争を描いた漫画。
    実写映画化も決まっているので予習のために読んでみました。
    全く知識ありませんでしたが、上野でこんな戦いがあったんですね。
    今度、上野を訪れた時は注意して史跡をみてみようと思います。

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    2015年07月13日
  • 百日紅(下)

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    北斎、お栄、英泉(善次郎)、国直ら浮世絵師たちが暮らす江戸で起きる幻想的な事件の数々。

    映画「百日紅 Miss HOKUSAI」が良かったので杉浦日向子さんの原作漫画も買ってきた。
    浮世絵のような世界観が 不可思議な出来事に現実味を持たせてくれる。
    杉浦さんの漫画はもっと読みたいな。

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    2015年06月14日
  • 百日紅(下)

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    お猶の話は短かったんですね。
    ふつう映画観てから原作読むと、ちょっとイメージ違う、となるのですが、お猶ちゃんのとこは、ちょっと薄ら寒い印象そのままだなぁ、と感心。
    お栄ちゃんや善さん、国直たちの着物の着くずれが素敵だなぁ。
    また、映画が見たくなってしまったわい。

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    2015年06月13日
  • 百日紅(上)

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    東京新聞にて、ちょこっと触れられてて、まあ、ついに買ってしまいました。なるほどー、江戸イメージを改善したのか!と。
    北明さんは、映画じゃちらっとでしたが、こんなにとんでもない…、そして北斎にもほれかけてしまいました。
    国直も、思ったより面白い奴で、源ちゃんいい奴。
    犬もかわいいし。

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    2015年06月12日
  • 百日紅(上)

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    北斎、お栄、英泉(善次郎)、国直ら浮世絵師たちが暮らす江戸で起きる幻想的な事件の数々。

    映画「百日紅 Miss HOKUSAI」が良かったので杉浦日向子さんの原作漫画も買ってきた。
    マンガというより浮世絵のような絵柄が面白い!

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    2015年06月11日
  • 百日紅(上)

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    <内容>
    葛飾北斎とその娘お栄の話を中心に、著名な浮世絵師、作家などをちりばめて、江戸時代の雰囲気とちょっとした怪談ネタを練り込んだ作品。

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    2015年06月06日