杉浦日向子のレビュー一覧

  • 百日紅(下)

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    タイムマシンでこの時代のこの時を覗き見しているような、感覚です。現代で使う「ゆるさ」とはちょっと違う「ゆるさ」がこの時代では流れていた、と感じることのできる希少なマンガです。
    最近見た「歌川国芳」の感覚にも通じます。
    知るのが遅すぎた・・・。

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    2012年02月27日
  • 二つ枕

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    「聞かせなんし」とか、
    「あああ おおきに酔った……」とか。
    駄目な男と花魁、という関係に涙してしまう。
    そして浮世絵ふうの、「内面の謎」を感じさせる絵柄。
    多才な作家だったんだなぁ。

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    2014年01月04日
  • ゑひもせす

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    忠臣蔵に疑問を持つワタシは、「吉良供養」が読みたくて、もちろん杉浦日向子先生の漫画が大好きなので購入。

    それぞれの話の中に出てくる人たちの髪型に大いに注目。
    「こんな結い方が粋だったんです」とニッコリしながら語る杉浦日向子先生(テレビを通してですが)が今も目に浮かぶようです。

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    2012年02月12日
  • 東のエデン

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    収録されている「閑中忙あり」シリーズが楽しいです。明治初期の世の中を飄々と生きる書生たち。ぜひNHKあたりでドラマ化してもらいたいものです。らしゃめんの殿に対する想いがせつない。ヨーソロ ニッポン!

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    2011年11月25日
  • 合葬

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    幕末の幕軍側についた彰義隊の少年たちの漫画です。戦争漫画だからと言って、ことさら煽るような描き方ではなく、淡々と物語は進みます。ラスト近く、見開きの青空の美しいこと。泣きました。時代の変革期に犠牲が出てしまうのを「仕方ない」と片付ける世の中になってほしくないと思いました。名作です。

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    2011年11月25日
  • 合葬

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    少年達弱々しく情けなく艶かしい。日曜日の日本。淡々としているのに時々はっとさせる絵がほんと、すごい。強く憧れる。

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    2010年12月27日
  • とんでもねえ野郎

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    主人公の桃園彦次郎は確かに「とんでもねえ野郎」のようです。端から見てる分には楽しいですが、知り合いになるにはちょっと躊躇しちゃう…そんな人です(^-^;;A。

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    2009年11月13日
  • とんでもねえ野郎

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    主人公は貧乏道場の道場主・桃園彦次郎。
    友人に酒をたかり、決闘をすっぽかし、鰻を食い逃げし、知人を謀って酒を飲み、まつたけをドロボウし、郭で無料で豪遊し、他人を騙して酒にありつく。武士の風上にも置けない男、まさに「とんでもねぇ野郎」。
    そんな愛すべき小悪党と彼の妻、幼友達ほか、愉快な仲間たちの短編漫画集。
    杉浦日向子の本のうち、もっとも気楽に読める一冊。

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    2018年09月02日
  • 合葬

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    いわずとしれたデビュー作。若干BLっぽい趣向も感じるけど、20台前半でこの深奥な描写はありえない。これを読むと、全ての歴史漫画を見る目が変わってしまう。
    なんていうか、フランスの歴史映画の視点に似ている気がする。時代背景より前に、その固有の人間がとことんリアルに浮かび上がる感じ。影義隊は「陽だまりの樹」(手塚治虫)にリンク。

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    2009年10月04日
  • とんでもねえ野郎

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    江戸もの。
    主人公の開いている道場は子供ばかりでほぼ託児所だし、決闘を挑まれようものならこずるい手でサッサと逃げる(弱いから)。
    ひょうひょうとしててダメな大人なんだけど憎めない。
    面白かった。

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    2009年10月04日
  • とんでもねえ野郎

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    「浮世絵漫画」というか江戸マンガの杉浦日向子さん作品。
    江戸の下町道場主の主人公のあっけらかんとした、とんでもぶりがなかなかの傑作。

    ご新造さんや、お人よしの幼馴染の与力、犬に、吉原の呼び込みまで、みんな手玉にとったり取られたり。からりとして痛快。
    読みきりタイプで、どこを読んでも丁寧な細やかさと時代考証あり。
    「風流江戸雀」などと作風や雰囲気などが似ているもの。

    出版年月日等1995.7
    NDC(8版)    726.1
    【江戸・マンガ】

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    2012年01月28日
  • とんでもねえ野郎

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    決して強くはない。決してヒーローではない。
    けれど確固たる信念と正義の心…を持っているわけでもない。
    ろくでもない男のろくでもない生活。

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    2009年10月04日
  • とんでもねえ野郎

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    先生の作品の中でもダントツに明るくってほのぼのしてて大好きです。もっと脚光浴びてもいいのにとか思ってしまいますね(笑)

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    2009年10月04日
  • 東のエデン

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    ホームシックにかかった誰かが「ホーム・スイートホーム」を口ずさんでいる。----いや
    振り返るとガイドが微笑んでいた。親切なガイドは僕の感傷に伴奏までつけてくれるのだ。

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    2009年10月04日
  • ニッポニア・ニッポン

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    「ありがとうござんす!! 八十両の夢とっくりと見いした!」
    大門に立って出られるんだなあって思ったら
    ふっと気が軽くなってあっちもこっともイッソ同じような心地がして。

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    2009年10月04日
  • ゑひもせす

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    「「袖もぎ様」とは恐れ入ったな。」
    「学問所へ行くのに朝夕通るが 全く知らなかった。」
    「ばかだな。朝夕あすこを通るから袖なんかもがれるんだ。」
    「え!?」
    「お前の袖に墨がついていたということさ。」

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    2009年10月04日
  • ニッポニア・ニッポン

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    明治初年の青年たち。解剖実習を脱落したひよわな医学生君が、深夜の校舎でレンズの割れた眼鏡のまま、ナースのマリエに珈琲にごちそうになるところがよい。

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    2009年10月04日
  • 百日紅(上)

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    葛飾応為の絵が好きだったので、彼女の半生が知れるのかな?と思って購入。想像と違い、北斎やその弟子など、市井の人々の人生の一瞬を描いたお話だった。
    説明らしい説明がなく、一人一人の行動原理や心情を想像に委ねるあっさりした展開が良かった。
    ぐっちゃぐちゃに散らかった狭い部屋で量産される絵。北斎は人間的にもいい加減なところがあるのだが、絵に対しては視点が違うし、絵狂いであってもちゃんと人間がわかっている感じがした。なかなかかっこいいおじいさん。
    応為が主役かと思っていたのだけど、そういうわけでもなく、上巻を読んだ時点では、彼女の絵に対する思いもよくわからないし、人間的な部分も理解できなかったというの

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    2025年11月16日
  • 東のエデン

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    杉浦日向子といえば江戸時代だが、これは徳川の時代が終わり西洋の文化が入り始めた文明開化の明治に生きる人々を描いた短編集。江戸っぽさを多分に残した明治の雰囲気が良い。

    東のエデン
    日本に駐在するアメリカ人が日本をディスりつつも親近感を抱き始めている複雑な心境を別れた恋人への手紙に認めている。

    やまあり
    ちょっとした怪異というか不思議譚

    仙境
    山の中で不気味な仙人に出会うこれも怪異譚

    閑中忙あり
    5話のシリーズで医学生、美術学生、元士族などの若い書生たちの日常を描いている

    ぶどうのかおり
    「閑中忙あり」の後日談のようで、美術学生が絵をやめて車夫として働いている

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    2025年02月16日
  • とんでもねえ野郎

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    本当にとんでもねえ野郎なんだけど、憎めない。今の時代だったら何度も捕まってしまうような野郎だけど、江戸時代にはこんな感じでも許される柔らかさがあったのかな。
    何かを伝えたいとか、教訓的とは真逆の、なんのことはない話ばかりなのに、読み終えるとなんだか楽しい。
    朗らかな晴れの日のようなお話たちだった。

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    2025年01月18日