【感想・ネタバレ】YASUJI東京のレビュー

あらすじ

井上安治、風景画家。元治元年、浅草生れ。14歳の時、小林清親に入門。明治22年没。25歳。安治は東京に何を見たのだろうか。明治の東京と昭和の東京を自在に往き来しつつ、夭折の画家井上安治の見た風景を追い、清親との不思議な師弟関係を描く静謐な世界。他に単行本未収録作品を併録。【解説:南伸坊】

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Posted by ブクログ

短命の浮世絵師・井上安治を主題としながら、現代の女子大生が彼氏であろう同級生と掛け合いをしてYASUJIの絵を紹介していく。師匠(と勝手に私が呼ばっている日向子さん)が井上安治に興味を抱いていることは他のエッセイ等から知れており、本書購入の動機にもなった。単行本未収録集も良かった。まんが日本昔ばなしのようだった。

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2017年08月29日

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主人公が、アスファルトの下に眠る東京の原野を想うシーンに共感。東京で生まれ育った自分が感じていた違和感とか、嫌悪とか、そういったものが「そうだったのか」と氷解していくような感覚だった。

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2014年04月21日

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111冊目『YASUJI東京』(杉浦日向子 著、2000年3月、筑摩書房)
東京の風景画を描いた明治時代の画家、井上安治。彼の絵に魅せられた女子大生が現代と明治の東京を行き来する、静かで奇妙な幻想漫画。表題作の他、短編6本を収録。
収録作品はどれも低血圧な印象で、これまで読んできた杉浦作品とは異なる読後感。全体に「ガロ」的な雰囲気が漂っており、リリシズムという言葉がピッタリと当てはまる。
奇しい気配を纏う、地味だが上品な短編集である。

〈東京は 月の入るべき 山もなし ビルより出でて ビルにこそ入れ〉

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2024年08月16日

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日曜美術館で紹介されていたので興味を持って購入。
タイトルの井上安治テーマの作品より他の陰陽道的な作品の方が面白かった。

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2018年05月20日

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主人公の女の子が東京のビル群を見てお墓と似ているというのが何とも不気味。戦争、地震、荒野になった東京は何度も復興して新しい街を作ってきた。杉浦さんが描いた当時よりさらに高層ビルが乱立する街をみて、また荒野になるのだろうかと恐れてしまう。安治の描いた東京が何か予知的なものを感じさせている様な気がするのは気のせいか。

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2013年11月10日

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ネタバレ

【収録作品】
YASUJI東京
単行本未収録集
 術/梅殿桜殿/白犬/鏡斎まいる①/鏡斎まいる②/鏡斎まいる③

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2024年10月23日

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夭折の画家・井上安治テーマに、明治の東京と昭和の東京とが交錯する。
筋と言えるものもなく、淡々と安治の絵と現代とが相互に描かれるのだが、その淡々ぶりがまたよい。
こういうテーマの選択も、杉浦日向子のすごいところ。

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2018年08月25日

Posted by ブクログ

風景画家・井上安治に思いを馳せる女学生が、安治の足跡を辿り、その師弟関係を描く物語。
「鏡斎まいる」の未収録作品も併録。

井上安治の描く東京と、明治の東京を行き来しながら、当時の絵描きが見た風景を探ろうとする不思議な漫画。
師弟の絵を並べ、その作風の違いを考証する場面はなかなか興味深い。
現代に生きる女子学生とその彼氏の、いかにも現代人的な会話が、東京の転換をまざまざと浮かび上がらせている。

題材は面白いが、少々わかりにくいので星三つ。
「鏡斎まいる」がやっぱり好きです。

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2009年10月04日

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