【感想・ネタバレ】ニッポニア・ニッポンのレビュー

あらすじ

長いあいだ門戸を閉ざしてきた日本に外国からの風が吹き込む。江戸から東京へ、江戸から明治へとすべてが移り変わってゆくなかで人々は時代の波にまき込まれ、それを受入れながら生きてゆく。現代の日本と地つづきにある明治・江戸を描き続ける杉浦日名子が案内する“ニッポン開花事情”。【解説:中島梓/林丈二】

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Posted by ブクログ

今ブームである北斎の娘・お栄を描いた先駆的な漫画『百日紅』でお馴染みの杉浦日向子。
江戸時代漫画のイメージが強いが、『東のエデン』など明治初期の若者の青春群像劇も描いていた。

本作はページ数は少ないものの、江戸時代と明治初期の両方を楽しめる贅沢な一冊。

因みに日本で最後の斬首刑者の高橋お伝の最期を描いた『陽炎法師』はガチでトラウマ。
個人的に気に入っている作品は欧州へ留学へ行く若者の前夜を描いた『前夜』(←そのまんま)。

杉浦日向子はガロ出身の作家だが、この頃活躍していた大友克洋や高野文子をはじめとする80年代ニューウェーブ漫画家は、何気ないワンシーンや会話や間を丁寧に描写する。

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2018年01月24日

Posted by ブクログ

「ありがとうござんす!! 八十両の夢とっくりと見いした!」
大門に立って出られるんだなあって思ったら
ふっと気が軽くなってあっちもこっともイッソ同じような心地がして。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

明治初年の青年たち。解剖実習を脱落したひよわな医学生君が、深夜の校舎でレンズの割れた眼鏡のまま、ナースのマリエに珈琲にごちそうになるところがよい。

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2009年10月04日

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146冊目『ニッポニア・ニッポン』(杉浦日向子 著、1991年7月、筑摩書房)
1984年11月に刊行された短編集の文庫版。江戸ものの作品だけでなく、明治時代を題材にしたものや周防や遠江、会津などの地方を舞台にしたものまで、タイトル通り「ニッポン」を描いた作品が揃う。死を扱った話も多いが、どの作品も皆全て風通しがよく、読後感は爽やか。中でも「馬風先生」が活躍する3篇は、このシリーズだけで1冊の本にして欲しいほどに気に入った。おかつが本当に魅力的…。

〈八十両の夢 とっくりと 見いした!〉

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2024年12月05日

Posted by ブクログ

たまに 本棚からとりだして
手に取ってしまうと
もう そのまま

杉浦日向子ワールドに
すっぽり入り込んでしまう

杉浦さんの作品には 
(談志さんの言葉をもらうと)
いつも
「江戸の風」がそよりと吹いている

この作品ももちろん
例外ではありません
江戸末期、明治に差し掛かる頃の
その時代の「風」に吹かれる
ことができるのです

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2023年01月24日

Posted by ブクログ

時代物の漫画はいつも何処か嘘っぽいと言うか、SF的な匂いを感じてしまうんですが、
杉浦さんの漫画に限ってはそう言うことは無い、
ある程度の人間臭ささが残っていると言うか、
1話1話にすっと吸い込まれるような気がするぐらい、すんなりと自分の中に落ちてくる気がする

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2009年10月07日

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割と初期の作品。ほのぼのとした感じだけでなくヒリヒリした作品もあって「へえ」と思った。最後の方の絵はちょっと大友風味。時代…。

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2009年10月04日

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江戸の日常を描く短編集。

黒と赤の二色刷で、血しぶきのみを赤く印刷し、戦場を跳梁する物の怪の姿を描いた「殺生」。
天の川に鮎を取りに行ったり、ふすまに描かれた菊の花を切り取ったり、仙人か陰陽師を思わせる「鏡斎まいる」は特に好き。


「ゑいもせず」に比べ大分画面がすっきりしているので、漫画として読みやすい作品。
江戸の情緒を満喫できます。

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2009年10月04日

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名作「百日紅」には及ばないけど、こういう短編集もいい。やっぱり杉浦日向子の江戸ものは唯一無二。引退せずにもっと描いてほしかった。

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2010年12月31日

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無精ひげの何の先生か分からない馬風先生と重度の近眼の若、与力の弟で女装癖のおかつという個性豊かな三人のほのぼの江戸日記

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2009年10月04日

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わかってきました。何がって、この人の作品の味わいが。文の間ならぬ画の間を読むとこにこの人の味わいがあるんじゃなかろうか。この作品はどの話もとっても面白かった。不思議な世界観。これまでに味わったことのないタイプだな。(05/11/19)

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2009年10月04日

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