志村貴子のレビュー一覧
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一途な片想いを20年貫くヒロインを中心とした、ご近所恋愛物語。女性向けのこの手の恋愛漫画って、志村さん、初ではないですか?
これ、ヒロインが三十路っていうのが趣深いと思いました。同級生たちは次々に結婚して、焦る気持ちはあるものの、小学生以来抱き続けた気持ちを自分でもどうしたらいいのか分からないという不毛感。ヒロインの知らないところで繋がっている関係もあったりして、可愛らしい恋物語と見せかけて、なかなかビターテイストなのが志村テイストというかんじがします。
可愛かったりきれいだったりな面だけではないのがリアルなんだけど、でも皆が憎めないキャラクターだったり泥沼展開でさえもサラリとしているのはちょ -
Posted by ブクログ
志村さんのマンガは読んだことなかったです。
私、百合は管轄外なので。
でも、これはそうでないってことで(笑)
読んでみたら、まじでよかった。
大好きな人の好きな人は死んでしまっていて
つまり彼女にとってのライバルはこの世にいないんだけど
それって勝てる気がしないよね。
なぜなら亡くなった人はどんどん美化されていくものだから。
思い出は美しいほうがいいと人間の本能が決めているのか
みんな、どんな人も、美化されていくものなの。
だから、このふたりの物語が動き出すのには
ものすごく時間がかかるんだろうなってこと。
それでも、待ってみよう、見守ってみようと
思わせるだけの作品だと思います。
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Posted by ブクログ
主人公の女の子が、父の再婚相手に面と向かって「あなたのせいで私は傷ついた」といったようなことを告げるシーンがあって、このことの意味を考えていた。お互い過去には触れずになんとなく許しあうこともできたはずなのに、主人公はあえてその道を選ばなかった。明確に相手を傷つけることで、自らの復讐を果たしている。ただし、ハンムラビ法典のように、相手から受けた傷以上のものを返さないように十分配慮しているのがポイントだ。なるほど復讐というものは、正しく使えば、行き場のない加害者の罪悪感と被害者の遺恨に一つの着地点を与え、健全な対等性を取り戻してくれるものなのかもしれない。
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Posted by ブクログ
ネタバレうーん、素晴らしいです。
ネットなどでは結構、賛否両論あるこの作品なのですが、私は大好きです。
批判の原因は「女装・男装がすき」「女の子・男の子になりたい」など性に対する微妙な問題を含んでいる作品であることが大きいのかと。
でも、私が恐ろしいほどセンスいいなあと思うのは、そんな「微妙なテーマ」を実に爽やかにナチュラルに描いていること。
思春期ならではの繊細な心理描写が美しいのです。
キャラクターがとてもたくさんでてきますが、それぞれにしっかりとした性格と物語があって、どのキャラクターをスピンオフにしても面白い漫画になりそうです。
8〜9巻あたりから、徐々に主人公たちはリアルな問題に悩まされる -
Posted by ブクログ
青い花、完結。
鎌倉で、演劇で、女の子でということで、わたしの引き出しの中では、これは、「櫻の園」や「ラヴァーズキス」と同じ引き出しに入っております。
実は、「ゆめのかよいじ」も、同じ引き出しに入っていますが、あれは、鎌倉よりももっと田舎な雰囲気かなぁ。
鎌倉舞台の物語って、なんというか鎌倉愛に満ちていて、よいなぁと思います。
行ったことないけれど、憧れますね。
最終巻は、あーちゃんの「成長」をかく1巻。
心の成長は、実は自分のなかの狡さや、醜さに気づく過程でもあるのですが、それから全部目をそらしてもいけないし、それに押しつぶされてもいけない。
全部ひっくるめての自分を受け入れること。
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Posted by ブクログ
次の巻で完結。
ラスト1巻までやってきました。
主人公たちも、高校3年生。
そして、この巻見てて、性格だけではなくて、姿形も、みんなちゃんと成長しているのを感じで、すごいなぁと思います。
けっこう、マンガのなかの成長って難しいのです。
特に、子どもの時代って、1、2年で別人かと思うほど姿形が変わっていく。
でも、変わらない部分もある。
2、3年後に突然出てきて、
「かわったねーー」
とか、
「かわらないねー」
というのは、ある意味、簡単なんですけども、このマンガみたいに、連続している中で成長させるというのは、けっこう難しいと思います。
「はみだしっ子」とかは、確かに成長していた