志村貴子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中心的な主人公とその周囲の人びとが各小話ごとに主役交代していく連載形式は、『青い花』/『放浪息子』の後期から引き続き。今作はその形式に特化している分、小話ごとのテーマ性の強さとか面白みは増している感もある。彼/彼女たちのコンプレックスとか嫉妬とか後悔とかそれらの克服の物語を通じて、恋愛や家族のあり方、性的指向の多様性を描いている。
あと、キャラクターの性格や描き方には以前よりも幅があるように感じる。こちらは『青い花』の「若草物語」からの発展かと思うけど、中高年が過去を回想するだけでなく今現在の生に思い悩む主人公としてたびたび登場していることはとくに印象的。 -
Posted by ブクログ
すぐ陰口や愚痴を叩いて、すぐ欲情して、気まぐれで飽きっぽくて、すぐ軽口を叩く、その割に中途半端にプライドが高い。たまに高過ぎてめんどくさい。そういう部分に自覚はあるが変わらない。変われない。変わってしまうと噓くさい。しかし、どんな人でもどこかしらに純粋さが見え隠れしている。だからなんだか憎めない。だからこそ厄介。そんなある種のゆとり世代の日常を生々しく捉えた青春モノ。偉そうに精神論語るのもほとんどモノローグばかりで、喋るとほんと今時のガキなのである。名言や迷言も数知らず。笑えないです。決して尊敬できないタイプの人々なのにいつの間にか演出に騙されて見入ってしまっている。漫画特有の『間』のつかいか
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