あらすじ
ある雨の日。青蘭中学の入学式を待ちわびる「塙さほ」は、傘もささずに青蘭の制服を着て立っている少女と出会う。「あたしがみえるの?」と語りかけてきたその少女は、みつあみで、幽霊で、名前は「ちえ」。それを聞いた両親は、その子は、「さほ」の亡くなったお姉さんだという。だが、母のお腹の中で死んだはずの自分が、なぜ成長して、青蘭の制服を着ているのか? 疑問に思った「ちえ」が、あることに気がついた、そのとき……。「ちえ」と「さほ」、ある姉妹が遭遇した不思議なものがたり、その真実はどこに?
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Posted by ブクログ
主人公のちえちゃんが、放浪息子の千葉さんにそっくりでまずそこにグッときてしまう。そうか、「わがままちえちゃん」だもんね。
志村先生には珍しいミステリ仕立てで、最初に読んだときは混乱するかも。
ちえとさほ、2人がボタンを掛け違えたまま物語が進むのは、同じ志村貴子まつりの「起きて最初にすることは」とも似ている。
登場人物誰もが何かしら足りないものを抱えながら、ふらふらしつつも日常を生きていくのは、志村作品に共通するテーマなのかもしれない。
一人一人のキャラクターは実際にいたら結構アクが強いかもしれないが、それでも憎めない絶妙な匙加減が、この人の作品を追わずにはいられない一つの要因でもある。
みんなダメなところ、弱いところを抱えつつも、それでもなんとかなるよいう優しい眼差しが作品世界を包み込んでいる。
Posted by ブクログ
死んじゃった女の子とその双子の姉妹、とその家族のお話。
気持ちは記憶を捻じ曲げて、過去を捏造する。
事実ではないけれど、「本当」のことだってある。
後悔は、いつか何かに生まれ変われる?
切ないな。
Posted by ブクログ
「志村貴子」を一冊だけ読むとしたら、これかも。毎話毎話つぎつぎに明らかになる物語の全貌にびっくりさせられっぱなしの、志村節全開な1巻完結ストーリー。
Posted by ブクログ
亡くなった姉妹の姿が見える自分と、見えない周りの人たち。
ミステリっぽい構成で作られている話。
家族関係で心に闇を抱えた経験ある人ならストン、と心に落ちる感覚のところがある
Posted by ブクログ
志村貴子さんの作品も初めて読みました。
なんだろう? 綺麗な物語だったなー。 ヒロインやその双子や友人など、可愛いからなのかな? 不思議な物語だけど、魅力を感じる。
Posted by ブクログ
やーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー、面白かった。
心霊とミステリ(?)が混じったという、大大大好物なジャンルだし、志村さんだし、ということで、ほとんど通読じゃ把握し切れてないので、二度三度読んで噛み締めたい。
やーー、よかった。
Posted by ブクログ
すごい漫画家さんだなーと改めて思う。
これを中編小説にすれば……と妄想したりして。
志村貴子の漫画の凄いところは、もちろん性をテーマにしていればいずれぶつからざるを得ないセックスの問題を、意外とあっさりと乗り越えてしまったりすること。
煩悶したり泣き喚いたりするところが、セックス行為以外の部分にある。これが醍醐味。
それにしてもさおりんにそっくりでびっくり。
Posted by ブクログ
志村貴子は思春期を描くのが本当にうまい。どんなちんけな悩みも美しく見える。
序盤の視点の切り替わりがむずかった。わからないまま読み進めたが、だんだんとわかってくる。