入江真佐子のレビュー一覧

  • うそをつく子 助けを求められなかった少女の物語

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    トリイ・ヘイデンの16年ぶりの新作が出ていたことを知り、読んでみた。
    トリイがイギリスに移住してから、ボランティアとして関わった子の実話。
    今までのように密に関われないジレンマが本書の中にも書かれていたが、最後まで同じようにスッキリしない気持ちだった。

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    2026年05月31日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    『私たちが孤児だったころ』は、探偵小説の形式をまといながら、実際には“記憶”と“喪失”をめぐる静かな内面劇として立ち上がる作品だ。
    物語を読み進めるほど、主人公クリストファー・バンクスが追い求めているのは事件の真相ではなく、幼いころに失われた世界そのものなのだと気づく。

    記憶の“ずれ”が生む静かな痛み

    クリストファーは名探偵として語られるが、彼の回想はどこか曖昧で、幼少期の上海は理想化され、現実と記憶の境界はにじんでいる。
    この“にじみ”が物語の核心であり、読者は彼の語りをそのまま信じることができない。

    家族の影が、沈黙の中で形を変える

    クリストファーが両親の失踪を追う動機は、探偵としての使命感だろうか、むしろ幼い自分が抱えた喪失の穴を埋めたいという切実な願いに近いのではないか。
    しかし彼はその本音を語らず、淡々と“調査”を続ける。会話の隙間や、ふとした沈黙に、それが滲み出てくる。

    上海という舞台の“遠さ”

    物語後半、クリストファーは再び上海を訪れるが、そこにあるのは彼が求めていた“故郷”ではない、それは戦争に揺れる現実の都市だ。
    彼の記憶の中の上海と、目の前の上海の落差、「変わってしまった故郷」の感覚、懐かしさと喪失感が同時に押し寄せ、静かな痛みを残す。

    『私たちが孤児だったころ』は、ミステリーの形だが、実際には“記憶の物語”だ。
    語られない感情、曖昧な回想、変わりゆく故郷――こうした要素が重なり、イシグロが好きだという小津安二郎の映画が持つ余白の美学に通じる。

    派手な謎解きを期待する読者には向かないかもしれないが、静かに心を揺らす物語を求める人には、深い余韻を残すだろう。

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    2026年02月27日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    イシグロカズオの信頼できない語り手モノは面白いな、と思う。主人公が信じ込んでいる、両親失踪事件の真相が、上海で調査を進めるに連れてぜんぜん思っていたのと違うことが分かっていく。

    主人公の語りと、回想によって話があっちこっちに飛ぶ構成がちょっと分かりにくい。これが文学上の手法としての「意識の流れ」ってやつなんだろうな…(イシグロカズオのノーベル賞インタビューで、失われた時を求めてに影響を受けてるって話してたからそういうのを感じる)

    舞台になってるのが、第二次世界大戦前後の上海、というのも好きだった。
    というか、チャプター4くらいの上海回想編にたどり着くまでが面白く感じられなくて、頑張って耐えて読んだ(イシグロ作品はだいたい、途中まで耐えて読まないと面白いと感じられない傾向がある気がする。日の名残りも二日目夜からが面白くなったし。遠い山並みの〜も最後の最後になってようやく面白いと思えたし)

    孤児たち(サラ、クリストファー、ジェニー)が、「あなたはそのままで良いんだよ」と受け入れてもらえる場所を探して足掻く話でもあり、愛を求める普遍的な欲求の話なのかなと思った。

    ただ、サラの性格がイマイチ好きになれなかったり、クリストファーが両親を探しに日本軍と中国軍が戦う前線に飛び込んで行く時のくだりで人間性が終わってるというか、発狂してるんですか?って感じのムーブをかましたりとかしてて、読んでてキャラクターに対してストレスを感じるところもしばしば…。

    サラの、どうせ結婚するなら何か人類にとって価値がある人として、その人を支えたい、っていうのは、「日の名残り」の執事の美学にもちょっと似通じるところがある。
    けどだからと言って、社交界で出会う、自分が「価値がない」と判断した人を露骨に下に見て、状況が変わったと思ったら手のひらクルッと返して擦り寄るところは読んでてイラつくというか…まあこんな人っているよね…。

    クリストファーはイギリスで名を挙げた探偵のはずなのに、日本軍と中国軍の戦う前線にある労働者居住区に、何十年も前に行方不明になった両親が生きて幽閉されてると信じて突っ走っていくところ、そんな判断能力で探偵ができるか??と疑いつつ読んでたけど、その辺りの不協和音がなにか伏線になってるわけではなかった。両親が幽閉されてる場所を見つけたんだから、協力して当然って態度でクリストファーが中国軍の将校に迫ったり、軍の防備に使う兵士を自分に貸せと当然のように要求したり、将校の案内で前線の最先端に連れてってもらうことを当然のように要求したり、断られたら相手の能力が低いとなじったりナショナリティを馬鹿にしたりしだすの…怖…。

    幼少期の親友アキラを、偶然出会った日本兵と取り違えて、アジア系の顔判断できてないところを露呈させたりしてるのにも、クリストファーの無自覚(または時代柄当然のように内在させている?)なレイシズムを感じる。

    クリストファーをそういう人間として描くことに何か意味があったのかもしれないんだけど上手く読み解けず。
    クリストファーは上海のイギリス人たちを軽蔑してたけど、クリストファー自身もそういう人達と所詮は同じ、ってことだったのかな。

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    2026年02月09日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    感想は難しい。
    大人の欲望に振り回された子供の一生、って感じかな。
    戦争が引き起こす悲劇。
    血のつながりと同様の友愛。
    残酷な真実と、その上で得た名声。

    切ない物語なのに、不思議と穏やかな感情で締めくくるところで多少救われる。

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    2026年01月18日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    Audible
    かつて、彼の作品を読んだ時に原文で読みたいと思ったほど美しい文章だった。それは、この彼の5作品目となる長編小説でも変わらない。

    日中戦争中の上海が主な舞台なので、日本語を話せないという著者だが、それでも中国を苦しめた阿片と、中国を攻める日本軍のことはどのような思いで描いたのだろうと思わずにはいられなかった。それがこの物語を時々苦しくしたが、イデオロギーに固執していないのは救いだった。

    上海で生まれ育ったイギリス人の少年が、相次いで両親が失踪し、故郷イギリスの叔母の元で育てられ、やがてケンブリッジ大学を卒業した後、探偵として名士になる。遺産を相続した後は、孤児を養女に取るほどまで生活にも余裕があった。恐らく貴族ではなさそうだが、ブルジョワジーなのだろう。

    上海に戻り、両親を探す過程で、それまでの教育や探偵としてのキャリア、名士に慣れたこと、それまでに要したお金すべてが、母親が中国人の妾の一人になったことで支えられていたと知る。
    また、父親は誘拐などではなく、単に愛人と駆け落ちしただけだった。

    今までのすべてが虚構だったと知り、(描かれていないが)戦争が終わる。

    彼は両親を探し求めるように、使命も追い求めていた。その為に、人生で唯一一緒になっても良いと思った人まで失ってしまった。
    彼の人生がほぼ虚構だったように、彼の「使命」だと思っていたものも虚構だったのではないだろうか。

    老人になった彼が、それでもその使命が果たされなければ人生が始まらないと言っていたが、それは自分と少し被った。
    ずっと、健康を取り戻さなければ、人生が始まらないと思っていた。やりたいことも、健康でなければできないと。
    だが、人生に先があるかはわからないし、「いつか」は永遠に来ない。

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    2026年01月16日
  • 不安を乗り越える10のステップ~ドキドキ、バクバクをコントロールする方法

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    不安を感じることは、自身の心と身体のバランスが崩れていることへの警鐘であるとし、不安への対処法についてイラストを交えて簡潔に記載している。

    不安の捉え方について、インフルエンザなどの治療と同じように、まずは不安をありのまま受け入れること、そして、1自分を観察する、2考え方を疑ってみる、3代替をえらぶ、4そのまま放っておく、やり方を提唱している。

    不安は全て恐れから来ており、恐れていることを警告している存在でもある。また、子供の頃から他人に好かれようと自分を抑圧してきた結果、自分の短所を受け入れてもらえないことに恐れを感じている。

    人間がみじめになるのは、
    物事をありのままに受け入れない
    現在を生きていない
    変わることに抵抗する
    苦痛に絡め取られたままでいる
    人に尽くしすぎている、 
    人生を個人的なものと捉えている
    から。
    そのため、
    どんな状況でもそこから学びを得られる、他人に期待しない
    いま、ここだけのことを扱う
    すべてのものは変わると認識する
    苦痛を、考え方を整理しろと言うメッセージと受け取る
    他人に与えているものを自分に与える
    人生を公平、不公平で判断するのではなく、自然で偏りのないプロセスと認識する
    ことを意識する。

    それができれば苦労しない、と思えることも多いが、不安への対処について根本的なことが書かれており、簡単に読めるので、試しに読むのはあり。

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    2025年04月13日
  • 霧のなかの子 行き場を失った子どもたちの物語

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    表紙の絵も好き、内容も大好き、でかなり読んでいたが、これだけまだ読んでいなかった…と思い、久々に借りる。一時没頭して読んでいたのに、数年たつと本の好みが変わったのか、今ひとつ進まない…。重すぎる状況の中で見えてくる真実。

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    2024年02月14日
  • タイガーと呼ばれた子 愛に飢えたある少女の物語〔新版〕

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    ネタバレ

    実話。母親に高速道路で捨てられ6歳で殺人未遂をした少女シーラと教師トリイ。
    シーラという子の続編なので先にそちらを読んだほうが良かったかも。
    シーラの叫び、心中を考えると、辛いなんて言葉では言い表せない。

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    2024年02月04日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    カズオ・イシグロの作品で初めて読んだもの。全部繋がってはいるけど、長かった。ジャンルをつけがたい不思議な作品。かなり読み進めて、ようやく物語が動き出した感があり、どこか欠けてもダメなんだろうけどやっぱり長かったなという印象。とにかく主人公のクリストファーにいらいらしてしまう。人間らしい作品。みんな思い込みで生きてるよな、いいわけいいながら生きてるよなを、突きつけられた。

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    2023年11月23日
  • うそをつく子 助けを求められなかった少女の物語

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    望まれずに生まれてきたがために、愛情を受けることなく幼少期を過ごし、子どもらしからぬ嘘をつくことでしか生きていられなかったジェシー。心底同情したくなる一方で、こちらの信頼を損ねるような態度と出来事が続きまくったら、愛情を注ぎ続けることは困難になりそう。諦めることなく心を砕き続けた筆者には脱帽。ジェシーの嘘で人生の一時期冤罪を背負わざるを得なくなったジェームスがその後立ち直っていることを心から願う。そして、ジェシー自身が、嘘をつくことなく今生きているのかどうか気になる。負の連鎖が生まれていないことを切に祈りたくなる。

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    2023年08月12日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    ネタバレ

    『日の名残り』『わたしを離さないで』の著者、カズオ・イシグロ氏の作品。

    10歳で両親が謎の失踪を遂げた主人公クリストファー・バンクスは、成長し名探偵としての名声を獲得した後、両親の失踪事件を解決するために立ち上がります。

    あらすじからすると探偵小説のようですが、探偵小説ではありません。しかし前半は美しい文章と、過去の回想から浮かびあがる様々な事実にワクワクです。

    …が、後半は突如として支離滅裂な行動を繰り返す主人公、品のない使い古されたチープな不幸、ありきたりで悲惨な結末にかなりうんざり。(世の中とはそういうもの、という作者のメッセージ!?)

    『わたしたちが孤児だったころ』の「わたしたち」とは誰を指すのか等々、作者の意図を色々と妄想しては、考察ブログ巡りを楽しめる一作です♪


    ※※※ここからネタバレ含みます※※※



    この小説、イギリスの方はどんな風に感じるのでしょう。

    母親の犠牲の元に生活の安寧と仕事の名誉を獲得していたクリストファー、体調不良を隠していた母とバスに乗ることを楽しんでいたサラ、アヘン貿易で得た富で生活していたクリストファーの母親…この物語は、他人の犠牲の上に成り立っていた“箱庭”で幸せに暮らしていた人たちが、その後「なにか価値のあることを成し遂げなければ」という強迫観念に近い思いに縛られて苦しむ話に読めました。(この“箱庭”から出ることが“孤児になる”ことなのでしょうか。)

    作中に出てくるアヘン貿易をはじめとして、イギリスには多くの他民族の権利と尊厳を犠牲にして富を得てきた歴史があります。そんな“箱庭”に暮らしてきたイギリス人は、同じような葛藤を抱えているのでしょうか?まぁ、日本の歴史も大概ですが…。

    などと妄想を膨らませて楽しめるという点では素晴らしい作品でした。読み終わった後の考察ブログ巡り含めて楽しめる一作だと思います!

    ※個人的には『わたしを離さないで』のほうが静かに心を抉られる感じで好きなので☆3

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    2023年05月16日
  • シーラという子 虐待されたある少女の物語〔新版〕

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    読んでいて辛いページもあった。ただ、本当に現実に起きていたこと。筆者も子供の姿はもちろん、自身の気持ちもリアルに描かれていて共感する場面が多くあった。他にもシリーズがあるみたい。読むかどうかは今のところ未定。

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    2023年03月23日
  • よその子  見放された子どもたちの物語

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    感想
    生徒と教育者の協力。上からの教育は行われない。苦労を共有し乗り越える方法を考える。誰かと生活したことが無い子に。優しさをおすそ分け。

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    2023年03月22日
  • 機械じかけの猫(上)

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    トリイのフィクションは別の作品も読みましたが、これを読んでトリイにはまだまだ深い世界を持った方なんだなあと思いました。ちょっととっつきにくい部分もあったけど、謎めいていてそれもまた良いです。後半が気になります。

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    2023年03月02日
  • ひまわりの森

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    トリイのフィクションはこれが初読みでした。ノンフィクションのものとは雰囲気も違いびっくりしましたが、外国のティーンエイジャーが主人公の小説は結構好きなので良かったです。思春期の気持ちをこんなに繊細に描けるトリイは、先生としてだけでなく、小説家としてもかなり秀でている方だと改めて感じました。

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    2023年01月27日
  • シーラという子

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    2022.10.18
    何で神様は彼女にこんな試練を与えるのか…
    という環境にいる女の子の急成長から目が離せませんでした。
    その勇敢な姿がとても胸をうちます。
    幸せになってほしい。

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    2022年10月18日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    子どもの頃思ってた事。母親がかけっこで自分を追い越してちょっと不機嫌になるところとか、どうしてこんな風に綺麗に思い出せるんだろう。イシグロの繊細で、今感じたばかりのような感情の描写が好きだ。

    非常にヘビーな内容。命懸けで戦地を彷徨うシーンは、後ろから闇が追いかけてくるのに走っても走っても進まない悪夢のよう。時空がぐにゃりと曲がった表現が上手いなぁと改めて思う。

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    2022年07月27日
  • うそをつく子 助けを求められなかった少女の物語

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    トリイ・ヘイデンのノンフィクション。
    『シーラという子』ほどの衝撃はなかった。自分が大人になったからかも。

    日常的に嘘をつき、常に会話の主導権をにぎろうとする少女に、トリイが根気よく付き合い、彼女が言えなかったことを言えるように導いてゆく話。トリイと少女のやりとりが、長々と、詳細に書かれている。読んでいるだけで疲れるのだが、ノンフィクションならではだと思った。

    個人的にはイギリスの紅茶とお菓子の文化に触れられる点が良かった。ボランティア先の施設、少女の実家、里親先に至るまで必ずお茶が出てくる。添えられている菓子がビスケットだったり、ティーケーキだったり、チョコだったりするが、本当に日常的にお茶とお菓子を嗜む文化なんだなぁと感じた。

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    2022年07月16日
  • シーラという子 虐待されたある少女の物語〔新版〕

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    忍耐、感情、はけ口
    知らない、やり返すことからいろいろな感情をもちお互いを信じて尊重する、それはとても大切なことだと思いました

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    2022年03月10日
  • わたしたちが孤児だったころ

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    カズオ・イシグロさんの本はこれで3冊目。どれも一回読んだだけでは真意にたどり着けた気がしない、そんな底なし感がある。
    この本は少年の頃、両親と引き裂かれた主人公が探偵となり、再会を果たすべく戦火の故郷を傷だらけになりながら彷徨う話だが、結局僕はどこで入り込んで良いのか分からなかった。面白くない、という意味ではなく、隙がない、そんな感じ。
    入り込みどころを探ってるうちに、急激に話がエンディングに向かって進行していく。そしてまたいつから読み返そう、そう思わせて終わっていく。前に読んだ2冊も同じように感じたことを思い出してしまった。
    自分の読解力のなさ、歴史に対する知識のなさ、それが本当に腹ただしい。

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    2021年05月05日