シーラという子 虐待されたある少女の物語〔新版〕

シーラという子 虐待されたある少女の物語〔新版〕

小説・文芸
1,188円 (税込)

5pt

お世辞にも清潔とはいえぬ姿に敵意むきだしの目。シーラは6歳にして傷害事件を起こし、トリイの特殊教室に送られてきた。決してしゃべろうとせず泣きもしない。ときに怒り狂い金切り声をあげ大暴れする。だが実は、ずばぬけた知能の持ち主で、心身に深い傷を負っていた…。暴力、貧困、虐待に蝕まれた少女が堅く閉ざした心をおそるおそる開き、一人の献身的な教師と深い信頼の絆で結ばれてゆく姿を描いた感動のノンフィクション、待望の復刊

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シーラという子 虐待されたある少女の物語〔新版〕 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    環境次第で子どもはここまで変わるのかと驚いた。虐待の場面は読むのが辛かったが、シーラの成長が気になって後半からは読むのが楽しみになった。

    0
    2025年09月02日

    Posted by ブクログ

    問題を起こす子供が、本人の問題ではなく、本当は虐待や育ってきた環境に大きな原因がある可能性がある。もしかしたらほとんどがそうなのかもしれない。問題を起こす大人も同様なのだ。

    0
    2023年12月03日

    Posted by ブクログ

    虐待されて育ったシーラという子どもと、シーラを指導することとなったトリイという教師の出会いから別れまでの話。

    シーラが辛い環境下で育てられ傷ついていることに胸が苦しくなり、とても重い内容だったが、私はトリイへの尊敬がとても強く心に残った。

    自分が関わった子ども達との記憶を重ねながら、トリイならこのような冷静で温かい対応ができるのだと反省と感心が混ざった。

    トリイはとにかく忍耐強い。またシーラの態度がどんな背景からくるものなのかを察する力を持ち、丁寧に愛情たっぷりに接した。
    自分が話をする時も、シーラの話を聴く時も、言葉で伝えることの大切さを自ら示して心の距離を少しずつ縮めていく様子に、学びがたくさんあった。

    「畏敬の念を感じた」と何度も出てくるように、「抱いてあげようか」ではなく「抱きしめてもいいかしら?」というトリイの、子どもへの見方が伝わってくる。
    大人だからと決して上から目線ではなく、子どもに対しても人間として対等だという意味での深い敬意が見えた。

    このほかにトリイの人間性がよく表れていたのが、シーラに謝ったり、降参したりする場面だ。

    どんなことでも自分が間違っていたと認めることはなかなかできないものだ。
    ましてや子どもへの指導に対して非を認めることはプライドも邪魔をして、私は素直に謝れたことがないかもしれない。
    でもトリイは違った。シーラに対して、自分の指導が間違っていたのではないかと悩み抜き、間違っていたと認めたり、時にシーラに譲ったりと、誠実に彼女と向き合い続けた。

    きっとそんなトリイの信念、情熱、愛情がシーラの心を少しずつ溶かして、良い方向に導いたのだと思う。


    また私は、シーラから発せられる質問の一つ一つにとてもドキドキした。

    「悪いことをしたらあなたもぶつんでしょ?」と聞くシーラに、父親から浴びせられる辛辣な言葉や、服も買ってもらえずぞんざいに扱われ殴られる日常がどれだけ彼女の成長に影響を及ぼしているのかを思った。

    お母さんに置き去りにされた過去から、トリイが二日間出張でいないだけで、またすぐに帰ってくるということがどうしても理解できないというシーラ。これはひどく胸に刺さるものがあった。
    人は経験したことからしか学ぶことができず、シーラの過去があまりにも酷いものなので頭で分かろうと思ってもできないとはこういうことなのかと胸が痛んだ。

    そんなシーラにとって、トリイとの出会いによって得た温かい経験はこれからのシーラにどんな影響をもたらすのだろうかと、シーラのその後がとても気になった。
    続編が出ているので時間を見つけてそちらも読んでみようと思う。

    トリイ・ヘイデンさんの魅力にどっぷりとハマった読後感は、時代も国も違う場所で同じように悩み傷つき、成長する人々がいることを身近に感じられる素晴らしいものだったとともに、私の心の支えの一つになった。

    【メモ】

    p.32
    私はいつも自分が担当するこどもたちに何を期待しているかをはっきりさせようと意識していた。

    p.77帰りの会に「コーボルトの箱」
    朝夕互いの親切を教え合う子供たち
    すぐれた洞察力を示しているもの

    p.96
    私は子供がなにをしたかなんて気にしないの。ただ子供が好きなのよ。それだけよ。

    p.106
    生まれてから六年間、彼女はずっと疎んじられ、無視され、拒否されてきた。

    シーラは私が示す親愛の情を一つ残らず吸収した。
    自分がほしいものを手に入れるためには戦わなければならないということを身につけていた。動物のような攻撃性。

    自分の価値を自分が受け取ったメモの数で量る必要があるなどとは感じていなかった。

    p.116
    私は筆記問題に降参した。
    どうしても人は細かいことにこだわり、もし物事が自分の思っているようにならないと世界が壊れてしまうと考えてしまうのだろうか。一度この苦闘から逃れてしまえば、そのことがどうしてあれほど大事だったのか私にはわからなかった。

    p.186
    シーラのいうとおりだ。あの子は一度も自分を信用していいなんていわなかった。

    自分の行動の仕方は確かに適切ではなかった。たが私だって人間なのだ。

    〜悟った。私たちが自分以外の人間がどんなふうであるかをほんとうに理解することは決してないのだ。
    人間はそれぞれちがうのに、浅はかにも自分は何でも知っていると思いこみ、その真実を受け入れることかできないということも。

    p.
    シーラはいまでも訂正されるということに過度に敏感で、まちがいをおかすと、むだつりとふくれてしまったり、悲痛な溜め息をもらしたりした。
    ちょっと抱いてあげたり励ましてあげれば、またやる気を出した。
    ドラマの一コマ一コマを、〜儀式のように繰り返し語ることでシーラの心は安定していくようだった。
    おそらく、最悪の状態を見たことで、シーラは安心したのかもしれない。
    シーラは自分の問題を言葉で解決することを学んだのだった。
    だからもう身体的な接触を必要としないのだ。

    p.298
    私が急に無関心になったのは、彼女から離れたいという気持ちの表れだと思ってほしくなかったので、私は微笑んでみせた。そしてもっと時間のあるときにゆっくり話し合おうといった。

    p.310
    情緒障害の子供たちと一緒の仕事をしてきて強く印象づけられたことは、彼らの回復力の強さだ。
    一般に広く思われていることに反して、彼らは決してもろくはない。
    私たちの多くがあまりにも当然の道具を与えられれば、自分が持っているときにはそのことに気づかないことが多い愛と支持と信頼と自信が与えられれば、彼らはうまく生き抜いていく。

    0
    2022年02月19日

    Posted by ブクログ

    シーラや子供たちと過ごすトリイの考え方や話し方が、こうすればいいのかと子供に対する接し方のヒントをくれているように思えた。
    学校で毎年訪れる別れの時が思い出された。深く深く愛した友達がこの後どうなるのか気になる。

    0
    2022年02月19日

    Posted by ブクログ

    とても衝撃的で、心に突き刺さる感じだった。特別支援学校で出会った生徒、一人ひとりのことを思い浮かべながら読んでいた。忘れられない本になりそう。

    0
    2021年08月06日

    Posted by ブクログ

    メンタルクリニックの先生がオススメしてくれた本。情緒障害児教室にきたシーラの成長と著者の愛と葛藤を描いたノンフィクション作品。

    「人に期待する」「対象と距離が近い」など心理職ではタブーとされるコミュニケーションを取る著者が印象的。案の定裏切られ、感情的になりながらも、愛情を注ぎ続け2人の間に信頼が芽生える。傷付く覚悟がいるよな…自分も著者寄りの考えなのでもう少しフラットに持っていきたいと常々思う

    0
    2025年03月29日

    Posted by ブクログ

    人間にはそのままを受け入れてくれる存在が欠かせない。一旦受け入れてもらったあとに、成長や改善がある。改めて強くそう思わされた。

    0
    2023年11月14日

    Posted by ブクログ

    一気に読んでしまいました。トリイの若さ溢れる情熱とシーラの生命力。まるで映画のようでした。
    個人的には続編のタイガーと呼ばれた子もすごくよかったので、合わせておすすめしたい作品です。

    0
    2022年03月25日

    Posted by ブクログ

    ノンフィクションなのに物語のようにぐいぐい引き込まれてしまいいつの間にかシーラが愛しくて仕方がなくなってしまっている。
    児童虐待、貧困、教育問題など考えさせられる一冊。

    0
    2021年03月19日

    Posted by ブクログ

    当時、福祉の仕事に就くきっかけになった本。
    今は転職して人事系で障がい者雇用も担当している。
    この本に出会わなかったらこれらの仕事にも就いてなかったかな。
    感謝。
    手にしたきっかけは、妹の部屋にあったのを勝手に読んだのだが、このあと著者のシリーズは発売するたびすぐ買った(笑)

    0
    2021年02月17日

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