入江真佐子のレビュー一覧
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購入済み
なんとも言えない
中学生だった時から数十年ぶりに読みました。
当時も衝撃を受けたことを覚えています。今改めて再読するとあの頃の私に理解出来ていたのか…?と疑問が出ましたが、きっとその時なりの感情があったのだと思います。
色んな意味で涙が出るシーンがあります。
ネタバレをせずだと、とにかく読んでください、としか言えない作品です。 -
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ネタバレトリイがウェールズで暮らしていて(今も暮らしてる?),ボランティアとして接したジェシーという10歳の女の子(11歳かも)の物語.
ジェシーは高齢出産で生まれた4人目の娘.上の二人の娘(双子)は既に成人して家を出て,3人目の姉はジェシーの8歳上で同居してるのかな.母親は産後鬱からしばらく子育てに参加できず,3人目の姉ジェンナがジェシーの面倒を見ていた.ジェンナはストレスからジェシーに性的いたずらをするようになり,これがジェシーの問題行動の根幹.この件については,物語の最後の方でトリイに心を開いたタイミングでジェシーが語った.
ジェシーは他者や場を支配するために嘘をついたり攻撃的になったりする -
Posted by ブクログ
ネタバレ後半からは、一気に最後まで読みました。
というより、読まずにはいられませんでした、先が気になって。
どういったらよいかわからない気持ちです。
幼い日の、当時の自分には責任はないし、気付くはずもない小さな判断が自分と周囲の人の運命を変えてしまったかもしれないという罪悪感、無力感。
正義感、責任感、向上心、愛情を持っていたからこそ訪れてしまった家族の悲劇、知人の悲劇、世の中の悲劇…。そして、それを利用して生き延びる人々もいる。
ひとつの事実によって、これほどまでに、自分の思い出や自尊心や家族や知人への印象・想い、経験したことの意味が変わってしまうということがあるのでしょうか。
自分がこの主人公 -
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カズオ・イシグロの小説を読んでいるときのこの胸をしめつけられる感じは結局なんなのだろうか、と考えてみると、個人的にはやはり「取り返しのつかない過去」について、否応なく気づかされることの切なさではないかと思うのだ。
「日の名残り」にせよ、「私を離さないで」にせよ、描写は基本的に「回想」なのだが、その中で頻繁に「あれは今思えば」とか「後で考えてみると」といった説明が差し込まれる。そしてそれがストーリーを追うごとにひたひたと積み重なっていく・・・
「わたしたちが孤児だったころ」は第二次大戦期前夜に上海で少年時代を過ごした主人公が、かの地で次々と失踪した父と母とを探す物語。孤児として母国イギリスに戻 -
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自閉症、言葉そのままなんだな。
自らが(肉体に)閉じ込められた症状って書いてるもんな。
表に見えることだけが真実じゃないってことについて、
星の王子さまもさんざん教えてくれているのに、
もっとこのことについて
考えた方がいい、
考えなくちゃならないんだ。
体は重くて、
思い通りにならない物質で、(痩せたり太ったり、病気になったり損傷したり)
でもこの世界に生きるには必要不可欠なんだもんな。
その体と脳がつながって、
思った通りに動かせるってことは、
すごく複雑なことで、
できるから考えないけど、
ひとたびできなくなったら。
もしくは生まれてからこのかたずっとそうだったなら。
イドさ -
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ネタバレ再読。著者本人もそう思っていたようだし編集者も書かない方が良いと結論を出していた『シーラという子』(1980)の後日譚で、7年後思春期の13歳になっていたシーラとの再会を描いたのが本書『タイガーと呼ばれた子』(1995)だ。時期的には『シーラという子』の出版から15年後ノンフィクションシリーズ8作中の6作目にあたる。
この作品の中で出版準備中の『シーラという子』をシーラ本人に読ませていることから1980年より少し前の出来事であったことが推察される。さらにこの時シーラが14歳の誕生日を迎えていることから、今現在40代後半もしかすると自分とさほど歳が違わないかも知れないということに気づいて、な -
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ネタバレ先日から漫画『こどものじかん』を読んでいてヒロイン・九重りんにどうしても重なって見えたのが、現実世界に存在する本書の主役シーラだった。そして、少し前からどうしても再読したくなって続編の『タイガーと呼ばれた子』とセットで安い古本を買って積んであったので『こどものじかん』のラストを読み終えてすぐに読み始めた。
この二人のキャラクターの共通点は年齢の近さと髪の長い美しい少女(金髪)であるという外見のイメージだけでなく、大人が怖じ気づくほど大人びた問題児であるところ。野木田先生(ヒロイン九重りんが1年生の時の担任)と九重りんの関係は年齢的にも『シーラという子』そのままのイメージになるので、ずっと教 -
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これは著者自らの体験したことを書いたノンフィクションなのだけれど。
だけれど、ノンフィクションだからと言って真実ではなく、書き記された時点で一つの物語なのだな、と思った。
とても強い少女と、優しく見守る先生が出てくる。
が、少女は先生に「あなたは本に書かれてるみたいに優しい人じゃない。いつもイライラしている」という。
どきりとした。
自分のことは(意図的ではなくとも)その時強く感じたことを書き記すし、信じたくないことは書かないだろう。ましてや相手のことなどわかる筈もない。
物語として強いなぁと思った。
面白いといっていいのかわからないけど、面白かった。
前作ともども一読し -
Posted by ブクログ
トリイの大ファン。
何年かぶりにこの書籍を再度読みました。
やっぱり教育は難しいと思い知らされると同時に
教育ほど素晴らしいものはないと思いました。
私のお気に入りは「ビリー」。
障害をもつ子が変なしぐさをしても笑わないのは、その人のことを知っていて思ってあげているから。
でも笑ったのはその内容がおかしかったからで、それなら笑っていい。その人が障害があると忘れているから。
みたいな発言をしたビリーは暴れるしうるさいけど、素敵な考えをちょこちょこ言ってくれる。
『先生は僕たちが大好きです』とのコメントはあたたまる。そういう教師がふえてくれることを祈ります☆