入江真佐子のレビュー一覧
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ネタバレ途中、読むのを挫折しそうになった。
内容が読んでて辛いとかでなく、何も進展しなさすぎたため。
それを何とか乗り越え読み切れた。
簡単に言うと児童虐待の話
いつも嘘をついて自分に注目してもらいたい、暴力を振るったり放火したり、実の親に育児を放棄された9歳の愛着障害と診断された女の子。
愛着障害って初めて聞いた言葉。
その子に忍耐強く関わり問題を解決しようと必死だったトリィ。
ちょっと困らせてやろうと嘘をついたことで、とんでもない目に合わされた職員(性的なことをされたと嘘をつく)
日常的に嘘をつくから、ほとんど信用されず
でも、今度は嘘をついてないかもしれないと助けを求めてるかもとか考えたり。
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ネタバレ今回はロンドンと上海。
大戦中の上海の様子が、生々しい。日本の侵略が書かれていると同時に、イギリスが犯したアヘン貿易についても書かれている。
『わたしたちが孤児だったころWhen we were orphans 』のタイトルにある孤児とは、両親が行方不明になるまでの子供の頃までではなく、父の死と母に会うまでの時間も含まれているのではないだろうか。
危険な地域に両親を探しに行くときは、中尉やアキラに止められても、語り手の頭を占めていたのは、戦争ではなく両親だった。
カズオ•イシグロの作品には、何度も同じセリフがでてきたり、自分がされたことを結局は自分が他の人にすることになるという設定が多いように -
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カズオイシグロ作品を読んだのは、「わたしを離さないで」に次いで二作目。
ミステリーに分類されてもされなくても違和感無し。結末はえげつない。
表題が少々謎めいて聞こえる。「わたしたち」とは誰と誰のことなのか? 「だった」と過去形なのは、いつ孤児でなくなったということなのか?
素直に読めば、クリストファーとジェニファー?それぞれ実の親と育ての親を見つけたのだから孤児でなくなった、ってことか?
終盤クリストファーはアキラらしき日本兵と遭遇したが、本当にアキラだったのか? そんな偶然はあるわけないし、描写的にも別人かと思う。
クリストファーが、盲人の俳優宅っぽい家を見つけたと思い込もうとする辺りは -
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ネタバレ幼少期を上海の外国人居留地・租界で過ごしたイギリス人のクリストファーは、今やロンドンの社交界でも噂の名探偵。彼が探偵になった理由は他でもなく、かつて上海で行方不明になってしまった両親を探しだすためだった。父、母、フィリップおじさん、そして隣の家に住んでいた日本人の友だち・アキラとの日々を回想しながら、遂にクリストファーは真相解明のため再び上海へ向かう。しかし、かつての〈故郷〉は戦火に飲み込まれつつあった。
古川日出男の解説がめちゃくちゃ上手いのであれを読んだ後に付け足したいこともないくらいだけど、この小説を読んでいて、昔からずっと考えていることを思いだしたのでそれを書きたい。
児童文学に孤 -
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ネタバレわたしたちが孤児だったころ。カズオイシグロの本のタイトルは、いつもこれしかないと思わせるタイトルをつけてくれる。
この本には、主人公は勿論、幾人の孤児が登場する。サラ、ジェニファーを含む3人が主に指している人物だと思うが、要素として日本人としてのアイデンティティが今一つ持てずにいたアキラも精神的には孤児だし、犬を助けて欲しがった少女は、戦争で散っていった民間人の遺子である。アキラと思われる日本兵の子供も孤児になってしまうかもしれない。
そして、孤児達は、様々なバックヤードや性格違いがあるものの、根底の心根にあるものは非常に似通っているように思える。
現実から目を逸らし、答えのみつからない幸せ -
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著者のノンフィクションはほとんど読んでいる。
今回はトラウマによって無言を貫き通す子供たちの話。
彼女の専門が児童虐待によって心を閉じた子供ばかりなので、核心に触れた時どうしても重い気持ちになるが、こういう症例となって表れるのだという勉強にはなる。
とにかく子供たちとのかかわり方がすごい。
瞬時に相手の気持ちを察し、あらゆる方法で固く閉ざされた心の扉を開き、隠されたものを引きずり出していく。
応用力や発想力もさることながら、腫れ物に触るようなことは決してしない。ダメなものはダメだという勇気。
操作しようとする子供に巻き込まれないようにする強さ。
あまりにも難しい症例に果敢に挑んでいくのは、子供 -
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とても興味深く読んだ。
第一大戦後から第二次大戦後までの時代を描く、主人公の私立探偵の第一人称視点の物語。
列強に植民地化(租界)された上海で生きる主人公クリストファー・バンクスとその日本人の友人アキラ。
両親が突然行方不明となった主人公はイギリスに戻り、私立探偵として名声を得るが、生涯の任務として自分の両親を探し続ける。最後には両親の失踪の真実を知る。
主人公が過去を回想していく形で物語は進んで行くが、ロード-ムービーのようで先の展開が全く読めない。
著者カズオ・イシグロの出自も影響しているのだろうが、日本人とイギリス人の交流というか、イギリス人がどのように日本人を見ているかを垣間見ることが -
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トリイヘイデンで読んでいないのはこれだけかも、と思いすごい久々に読んでみた。
相変わらず重い…。
他の作品と比べても特にヘビーだったような。
3つのケースに同時に関わり、どれもが全く改善を見せない。
でも、トリイが格段にレベルアップしてる。
シーラとかケビンの頃のトリイのイメージが強かったけど、いつの間にか鉄の女になってる。
昔のトリイなら泣き出してそうな恐ろしい事態でも無表情を貫いて冷静に観察するトリイはもう遥か遠い所に行ってしまったよう…。
いや、昔からトリイは強かったけどね。
感情移入できないレベルにいってる(笑)。
何年もこんなケースにばっかり関わってたらそうなるかもね。。
治療法 -
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高校生の主人公の母は精神を病んでいた。第二次世界大戦時、ナチスにひどい目にあっていたからだ。母は裕福な家庭で育ち、美人で優秀だった。何ヶ国語も話せる母は英語が得意ではなく、家ではドイツ語やハンガリー語などを話していたため、少女は語学に優れていた。そんな母の病だいが悪化し、事件を起こしてしまう…
少女の妹がワガママで、癇癪持ちで…読んでいて少し気分が悪くなるほどだった。ただ、この家族は愛に溢れていたと言うのが読んでいて凄い伝わった。幼いながらに家族を支える主人公の姿、事件後に心に傷を負った後の発言、行動や思いに胸を打たれた。長編でかなり読み応えのある作品。最後の締めが少し納得いかなかったのが残 -
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ネタバレ問題を抱えた子達を、大きく成長させてくれる著者は本当にすごいと思うし、精神学、心理学、カウンセリング、教育、福祉は奥が深いのだと思う。
どんなに難しくても人が人を救える可能性は信じるもの…なのかも。
あとジェリーの考え方も正しいと思う、正しさは色々あって合わないこともあるんだな、と。
ワンダとの再開で涙が止まらなくなった。
彼女のヴィーナスを呼ぶ『ビューティフル・チャイルド』がとても美しくも切ないものに私は感じる。
彼女が犯された実母だとしたら更に切ないが、姉だとしても深い無償の愛と求めあう心が確かにあるのに。
再び一緒に暮らせることなく亡くなったの事実が悲しい。 -
Posted by ブクログ
選択性無言症を専門とする著者が、ハイティーンの少年の治療に当たった記録。
この方の作品は初読です。
一言も話さず、周囲の全てに怯え、自分の周りに椅子やテーブルで檻を築いている少年ケヴィン。
彼の治療に当たったトリイは、徐々に彼から言葉を引き出し、義父からひどい虐待を受けていたことや、義父への凄まじい憎悪を抱いていることに気付いていきます。
よくある行政的なミス、同性愛への偏見など、様々な壁に当たりながらも、トリイはケヴィンの治療に当たります。
進んだかと思えば後退している。それを繰り返しながらのようやくのラストは感慨深いものがありました。