森功のレビュー一覧

  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

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    「地面」は、誰のものでもない。
    そう思って生きてきたはずなのに、この本を読んでからというもの、
    足もとがわずかに揺らぐような感覚を覚える。

    森功『地面師』は、2017年に発覚した積水ハウス巨額詐欺事件を軸に、
    土地取引という名の“日本社会の盲点”を描いたノンフィクションだ。
    70億円もの金が、ほんの数人の手によって動き、消えた――。
    この事件は、単なる詐欺事件ではない。
    それは「信用社会」という日本の経済システムそのものの脆さを露呈させた象徴だった。

    森の筆致は淡々としているが、その冷静さが逆に恐ろしい。
    登場する地面師たちは、派手な悪党ではない。
    書類と印鑑、そして“信頼”という見えない

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    2025年11月07日
  • 魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史

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    いつもながら森氏の調査と筆力の素晴らしさは凄みを感じる。殆ど日大の歴史や経緯を知らなかったので、大変勉強になった。タイトル通り「魔窟 」であることをまざまざと見せつけてくれる。日大フェニックスの故意タックルや大麻事件などまさに氷山の一角であることを十分認識させられた。どんな組織も肥大化する過程には、その歪みが出るものだが、ここまで政治・裏社会とズブズブで専横体制が続くとまさに絶対王国の趣。少子化が進む日本では、その役割を既に終えているとも思える。

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    2025年07月08日
  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

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    数々の地面師の取材を通した生々しい裏社会の描写と同時に、巧妙な詐欺の展開とその顛末が非常に興味深かった。この本を読むまでは、地面師は何者なのかを知らなかったので、新しい発見だった。

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    2025年01月12日
  • 国商 最後のフィクサー葛西敬之

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    森功氏、安定のルポルタージュ。
    国鉄民営化を成し遂げた伝説的経営者、葛西敬之氏の評伝。

    国鉄と言えば最悪の赤字体質と頑強で極左組織と繋がった労働組合の印象が強い。実際本書の前半は新幹線建設をきっかけに雪だるま式に借金が増えた過程と、盗聴スパイなんでもありの壮絶な組合の抵抗に紙幅が割かれる。

    この経験から葛西が警察官僚を天下りで積極的に迎え入れ、そこから公安とのつながり強め、その保守的な政治思想から安倍政権との距離が縮まり、ついには外部の諮問委員でありながらNHKの人事にまで介入するフィクサーぶりへと話が広がっていく。

    天下国家を語ること、マスコミの敵視、アジアの大国としてのプライド(リニ

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    2024年04月01日
  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

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    不動産詐欺について細かく手口やノウハウを含め経緯が書かれている。
    何億というカネが流れていくそのさまはドラマティックでもあるし、沢山の教訓を読む人に与えてくれる。
    細かな当事者への取材で気になってたこともだいぶ明らかになった。

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    2024年03月04日
  • ならずもの 井上雅博伝 ――ヤフーを作った男

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    こういうノンフィクションものは、すらすら読めて展開も面白い。知っている会社なので余計にのめり込んでしまう。

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    2024年01月20日
  • 国商 最後のフィクサー葛西敬之

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    「国商」葛西敬之を余すところなく描く。流石森功の面目躍如の一冊。上っ面を知っているつもりでいたが、知らなかったことばかりで滅茶苦茶面白かった。西岡研介氏の労作「マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」で松崎明を知るともっと読書に深みが出るはず。

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    2023年10月24日
  • バブルの王様

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    バブル期にトランプタワーを買い占めた男・森下安道
    洋服の販売から成り上がり、街金融アイチ、そしてゴルフ会員権というビジネスモデルをつくり、世界的なオークションの個人筆頭株主になったというバブル紳士。
    桁違いの所有資産を持ち、世界にその名をとどろかせた森下安道。バブル期を生き延びたという彼の人生を綴ったノンフィクション。

    おもしろかった!
    こんな勢いのある日本人がいたのか…という驚き!

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    2023年10月22日
  • 国商 最後のフィクサー葛西敬之

    購入済み

    日本の病みというべきか

    人と人を繋げる。そこには深い自らの理念がある。
    それは時として社会に巣食う病巣となることも。
    とても興味深い

    #シュール

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    2023年04月23日
  • 国商 最後のフィクサー葛西敬之

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    JR東海の葛西氏の入社から政治介入までの歴史
    直接インタビューしていないのでどこまで事実かわからないがズブズブ

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    2023年02月12日
  • 国商 最後のフィクサー葛西敬之

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    「国士」が妥当 葛西氏は「商」の感覚はない ひたすら日本国を想い捧げた。
    どうして「国商」の署名にしたのか不思議。折角の価値を貶める。
    森功氏の取材は見事。どうして聞き出してくるのか? しかもキーとなる情報を。
    日本のリーダーは回顧録を残さないので、こうした取材の価値が残る。
    1.国鉄の分割・民営化 日本国の在り方を変えた 中曽根総理の偉業
    彼こそ国葬に相応しい 安倍総理の歴史的レガシーは何か?
    2.3.4.5.

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    2022年12月27日
  • 菅義偉の正体(小学館新書)

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    後援者にとってみれば菅の存在は面倒見の良い力のある政治家と映るであろう。民との繋がりも非常に深く、それが頑強な政治基盤となったと言える。しかし先の横浜市長選で藤木企業が応援した山中氏が新しい市長となったことは、菅と民との関係がどのように変化したのか知りたいところである。これを機にIR問題について改めて勉強してみたいと感じた。

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    2022年01月30日
  • 悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞

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    利権を得るために、許認可権を持つ行政への働きかけができる政治家へ巨額の政治献金を行う企業や団体。献金を受けた政治家は、なんとかしてその利権実現のために官僚へ働きかける。こうして得た利権から、さらにその政治家には巨額の政治献金が転がり込む。こういう利権政治が、自民党という政党の本質なのであろう。
    安倍政権の悪質なところは、そんな利権政治を、ごく限られた安倍の「お仲間」に対して行ったことである。そこには、およそ「倫理」のひとかけらも感じられない。そんな人間が政権史上最長の総理大臣であったということは、この国の最も恥ずべきことであった。

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    2021年04月05日
  • ならずもの 井上雅博伝 ――ヤフーを作った男

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    ノンフィクション作家の視点からみた、ヤフージャパン元社長、井上雅博の生涯をまとめた本。

    目次としては、
    序章 三〇億円の隠れ家
    第一章 突然の死
    第二章 都営団地が生んだ天才
    第三章 タイムマシーン経営の原点
    第四章 ソフトバンクの遊び人
    第五章 ならずものをかき集めて
    第六章 孫正義の操縦術
    第七章 知られざる趣味の世界
    第八章 思い知った限界
    第九章 趣味人として
    終章 天才の死
    となっている。

    作者が直接本人に話を聞けたわけではないようで、やや伝聞をまとめた印象か強い。

    その中でも第5章のマネジメントに長けていた話はとても面白く、特に創業時は周囲に慕われていたり、優秀な人材を見抜く

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    2021年03月19日
  • 官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪

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    「官邸官僚」森功☆☆☆
    2020/03/08
    安倍政権は一強長期政権であるが国家経営のスケールは無い
    権力のお裾分けをいかに自分に有利に運ぶか、個々人のせこい思惑でこの国は10年近く運営されてきた
    そのつけは毎年30兆円以上の借金証文となって次代の肩にのし掛かる
    平成から30年間、日本史の中で「総無責任時代」として歴史を刻むことになりそうだ
    著者の取材力は壊れていく日本の中枢を余すこと無く描き出している 見事そして脱帽
    2020/08/26 追記
    年初来、全く想定外の「コロナウィルス」が猛威を振るい、世界を塗り潰す勢いである 全く共産党宣言の世界だ
    コロナは日本の危機を白日に晒した
    安倍政権の

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    2020年08月26日
  • 腐った翼 JAL65年の浮沈

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    航空業界に興味がある分非常に面白い。
    会長や社長がたくさん登場するため、整理しながら読まないと混乱する。
    JAL再生を読まないと後味が悪い。JALのイメージも悪い

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    2020年05月07日
  • 官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪

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    【官邸の主を守り通すという、ある意味の使命感を最も強く抱いている役人集団が存在する】(文中より引用)

    官邸の力が強まるにつれ,パワーバランスが変化したとも評価される霞ヶ関・永田町。これまでとは異なるルートで権力の階段を駆け上がり,権勢を振るうようになった「官邸官僚」について研究した作品です。著者は、フリーランスのノンフィクション作家として活躍する森功。

    日々の報道からだけではなかなか見えてこない,中・長期的に観察される政治の変遷について考える上で有益な一冊。制度と人の両観点から事象が捉えられており,深みのある分析になっているのではないかと感じました。

    本書で指摘される傾向は一時的なものな

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    2020年04月03日
  • 総理の影~菅義偉の正体~

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    【一連の取材を通じて菅は、究極の合理主義者であると感じた】(文中より引用)

    第二次安倍政権で官房長官に就任して以降、政権の屋台骨として抜群の安定感を誇ってきた菅義偉。あまり公には知られていない菅氏の過去を追いながら、その人柄や思想を読み解いていく作品です。著者は、『同和と銀行』などで知られる森功。

    足を使って得た数々の情報から、立体的に菅氏の人間像を描いていく力作。情に比して理、劇場型に比して水面下型、ビジョン型に比して問題解決型という座標をたどると、菅氏の輪郭が浮かんでくるのではないかと感じました。

    横浜に関する章も興味深かった☆5つ

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    2019年12月18日
  • 同和と銀行 ―三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録

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    ヘビーな内容のため、読み進めるのに意外と時間がかかってしまった。

    この本を読む前に同じ著者の「地面師」を読んでおり、そちらも一連の事件の背景を読みやすくまとめた一冊という好印象を持った。しかしこの「同和と銀行」は、取材のち密さと内容の濃さ(大変な濃さ……!)、そして取材対象に向けた熱意といった面で、前者を凌駕する読書体験をもたらしてくれた。

    この本でも述べられているように、銀行をはじめとした金融機関というものはビジネスに利用できるものはとことん使い尽くし、一旦取引が事件化したとなるとあっさり裏切るものだという印象を抱いている(なので銀行が憧れの就職先、というちょっと前までの傾向には個人的に

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    2019年09月01日
  • 許永中 日本の闇を背負い続けた男

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    田中森一の本を読んで、許永中に対する思い入れが強い。
    一体、許永中は、どんな人物か興味があった。
    森功の文体は、独特のものがあり、
    取材に基づいて、淡々と書いていくところがあり、
    人物の心の動きは、あまり書かない。
    そんな書き方をしていても、許永中の人たらし能力が
    あることを、感じさせる。
    もっと、行間が読めるようにならないといけない。
    敵のはずでも、味方にする能力がある。
    かなりの権力を持った人にも、擦り寄ることができる。
    力任せに、半グレ集団のリーダーだった在日の許永中。
    西村嘉一郎、大谷貴義というフィクサーに会うことで転機を迎える。
    野村雄作に会うことで、父親の野村周史につながり、可愛が

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    2021年04月18日