森功のレビュー一覧
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地面師たちの実態、手口を丹念に取材して一冊にまとめたルポ。とてもよく取材されていて面白いのだが、筆者の文章が下手くそ過ぎてとても読みにくかった。
時系列にまとまっていなく、話しがあちこちに飛び、複雑な登場人物も整理されないまま書かれているため、何度も立ち止まっては戻って読む必要があり、内容は面白いのに読んでいてとてもストレスを感じた。
積水ハウスをはじめとして、大手企業が騙された地面師事件を取材しているが、なんと言っても被害額55億円という積水事件がこれまでの地面師事件史上最もスケールが大きい。
なぜあれほどの大企業が騙されてしまったのか、その経緯を丹念に見ていくと、単に騙されただけではな -
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ヤフー元社長の井上さんの伝記。
経営手腕の天才であり、社長退任後は趣味の世界に没頭し、趣味の世界で亡くなる。
孫さんとの関係性、単純な上司と部下という関係性ではないエピソード。ソフトバンク社長室長時代は社長より偉い社長室長と呼ばれ、孫さんより遅く出社し、海外出張では孫さんに荷物を持たせて自分はタバコをふかすなど図太い面も。一方て休日も孫さんと付き合わなくてはならないからという理由でゴルフはやらない。
ヤフーBB事業など大きな仕事には、孫さんと直接交渉を避けるために部下の松本さんを代わりにソフトバンクに送り込んでいた。井上さんの後任として松本さんを打診したが断られ、宮坂さんを選んだ。松本さんはヤ -
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「国鉄3人組」の1人として国鉄の分割民営化に大きな役割を果たし、JR東海の社長や会長を務めつつ、安倍元総理や官邸官僚との深い関係を背景に、「最後のフィクサー」と呼ばれるほど政界や政策に影響力を及ぼしてきたとされる「国商」としての葛西敬之氏の素顔に迫ったノンフィクション。
葛西敬之氏については、安倍元総理とつながりがあるということくらいは認識していたが、杉田和博氏等の官僚とも密接な関係を持ち、NHK会長人事等に介入していた可能性があるといったことは本書で初めて知った。また、労働組合の抗争とも絡んだ国鉄の分割民営化を巡る経緯も詳しく述べられていて興味深かった。
葛西氏が単なる「政商」ではなく、主観 -
Posted by ブクログ
様々な地面師事件について紹介している本。地面師たちは、詐欺を計画する者や公的書類を偽造する者、地主のなりすまし役を手配する者など、それぞれ役割分担して犯行を行う。また、加害者と被害者の境界を曖昧にするために地主の親族を引き入れたり、最終的な買い手に売る前に転売を繰り返したりと様々な手を使い、時には弁護士や司法書士まで犯罪に加担するという。本当に詐欺師は頭がいい。
制度上、地面師によって自分の土地が善意の第三者に売られてしまった場合、その土地を取り返すことは難しいという。地主にとって恐ろしいことなのは当然だが、土地を買ったほうにとっても、詐欺に関わった土地に住むというのは居心地が悪い。不動産の