森功のレビュー一覧

  • 官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪

    Posted by ブクログ

    サブタイトルにある「側近政治」は、歴史的に振り返っても、もろ刃の刃であることが少なくない。
    現政権の「側近」による各種の振る舞いも、内閣人事局による官僚組織上層部の人事一元化ともあいまって、猛威を振るっているものの「成果」はさして上がっておらず、著者によればむしろ官僚組織の自壊を引き起こしている側面のほうが強いと思われる。かれら側近は、私に言わせれば、ある種の仕事上の能力はあるのかもしれないが、マッチであちこちに政策の火をつけて回るものの、政治に必須の「責任」はみごとに回避する。安倍内閣の代名詞ともなった「やってる感」を体現しているだけの存在にすぎない。なによりも人間性に決定的な欠損があるとお

    0
    2019年07月08日
  • 腐った翼 JAL65年の浮沈

    Posted by ブクログ

    『JALには、さながら伏魔殿のような恐ろしさが潜んでいた。数多くの利害関係人が会社に巣くい、さまざまな算盤感情が渦巻いている。日本の政官財それぞれの立場でJALを利用し、不明朗な利権構造の温存を容認してきた。

    下手につつくと、どこから鬼や蛇が飛び出すかわからない。JALは、そんな不気味な企業体質を抱えつづけてきたが、体内の膿が噴き出しそうになるたび、絆創膏で傷口をふさいできた。そうした体内の膿が栄養となり、巨大な経営赤字という怪物を育ててきたのではないだろうか。』

    32年前の惨劇を通奏低音に、腐った翼がいかに腐っているのかを描いている。
    最近もやたら不具合が多いが、安全第一をよろしくお願い

    1
    2017年11月01日
  • 日本の暗黒事件

    Posted by ブクログ

    大半がリアルタイムに見聞きしてきた事件だったから、当時の記憶と照らし合わせたりしながら、とても興味深く読み進めることが出来ました。参考文献が殆ど示されていないこともあって、ともすれば宝島MOOKと紙一重って感じもしますが、推論を極力排し、自身の取材で判明した事実関係が主に述べられているから、うそ臭さを感じないのも良いです。週刊誌とかとも違い、リアルタイム性を求められない分、咀嚼された内容になっているのも信頼性が高いと思いました。グリコ・森永は当時から印象が強くて、同社製品を食べるようになったのも、随分経ってからだった記憶があります。事件の詳細は知らなかったけど、なるほど、まさしく「レディ・ジョ

    0
    2017年06月22日
  • 腐った翼 JAL65年の浮沈

    Posted by ブクログ

     同じテーマを扱った町田徹『JAL再建の真実』講談社現代新書,2012年と合わせて読むと良い。本書は,2010年刊行の単行本を文庫化。定価900円(税別)と文庫本にしては高額だが,400頁に及ぶルポルタージュには読み応えを感じる。最終章の最後に書かれた「真剣に会社を思い,社会的な意義を見出して,経営の舵を握った社長がいただろうか。少なくとも政治家や官僚の悪癖や利権構造の壁を打破しようとした経営者は,見当たらない。なにより,ここまで企業を腐らせてきた責任は誰がとったのか。」(406頁)という文章は,そのまま東日本大震災後の東京電力にも該当しよう。それが,「日本型経営システム」の公共事業版であるな

    1
    2017年03月28日
  • 紛争解決人 伊勢崎賢治・世界の果てでテロリストと闘う

    Posted by ブクログ

    紛争地の悲惨さ残酷さ複雑さ、現場にいる者しか分からない真実に衝撃を受けた。憲法改正に賛成・反対なんて現場を知らずして語るべきではないと感じたし、日本が世界でどのような役割を果たせるのか、きちんと見極めることの重要性を実感した。

    0
    2016年10月16日
  • 同和と銀行 ―三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録

    Posted by ブクログ

    真相に迫っていくスリルとか、多角的な検証はなく、サブタイトルにもある通り、良くも悪くもある銀行員の回顧録。なんでこんなに小西が権力を握れたのかわからないんだけど、差別と権力にあるようなことをやってきたのかねえ。しかし、いつも思うことだけど、こんなに非生産的で行きていける昭和期はうらやましい。

    0
    2016年04月14日
  • 大阪府警暴力団担当刑事 捜査秘録を開封する

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    暴力団の抗争はなぜ起きるのか。警察はそれにどのように対処していくのか。この本の中で、島田紳助や中田カフスの一件にも触れられており、面白く読み見ました。森功氏の別の著書で取り上げられていた同和からみのお話も出てきます。

    0
    2015年12月08日
  • 血税空港 本日も遠く高く不便な空の便

    Posted by ブクログ

    赤字を抱える日本の地方空港の現状が分かります。「空港の大問題がよくわかる」に対して国内財政の見地からの分析が主です。

    0
    2011年01月22日
  • 腐った翼 JAL65年の浮沈

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドラマ「沈まぬ太陽」を読んでからこの本を読みました。ドラマや映画は、会長人事などやや美談に過ぎたる点もありますが、魑魅魍魎として自身の利権や保身に走る役員たち。なんともまぁ、こんな会社で働きたくないものですし、公共交通機関としてどうなのかな?と。労働組合の問題も多難。経営者側の取り込みなどによる明らかな差別など信じられません。某鉄道会社の労使問題もすごかったようですがこちらも・・・昨今での飲酒問題もあり問題は根深いようですね。

    0
    2025年12月18日
  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

    Posted by ブクログ

    地面師たちの元になった話で、こちらはハリソン山中ではなく内田マイク。
    あの地面師たちのリアリティが高いのも頷ける。

    0
    2025年12月12日
  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

    Posted by ブクログ

    ネトフリ地面師たち の原作を買ったつもりで手に取った1冊。
    手練手管を尽くし大掛かりな詐欺を仕掛けるにしてはスピード感がすごすぎる。

    どこでなりすましキャストを調達してくるのかと思ったら手配師がいたり、役割が決まってたり、わざとペーパーカンパニーを噛ませて複雑にしたり。やっぱり背後にはその筋の人々が見え隠れしたり…。それで御用達の士業役までいるのかよ!

    アングラ社会を垣間見るような読書体験ができた。

    0
    2025年12月06日
  • 国商 最後のフィクサー葛西敬之

    Posted by ブクログ

    ★どこか隔靴掻痒★国鉄改革三人衆や安倍首相の応援団となった四季の会の話はよく知られている。やはり知りたいのは、安倍氏がなぜここまで葛西氏に乗っかったのか。保守思想で共鳴したと記すが、そんな思想の人はほかにもいただろう。

    そして民営化当初は関心の薄かったリニア新幹線。国の関与を嫌っていたにもかかわらず財投まで活用してのめり込んだのだが、そこまで執着した理由が本書を読んでも腹落ちしない。「国商」というには、リニアの商の部分のワケを知りたかった。本人に直接会えていれば、もう一押しの声が得られたのだろうか。

    0
    2025年07月12日
  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

    Posted by ブクログ

     詐欺師たちが本気でだましにかかったら、地主は太刀打ちできないじゃないですか!

     ノンフィクションで地面師たちの足跡を追う。
     不起訴にならず、逮捕されても数年後には地面師に戻ってきている。

     プロをだまして、巨額の金額を動かしてだまし取る。
     有名な積水ハウス時間を筆頭に、東京都内で暗躍する地面師たちを追う。

    0
    2025年06月15日
  • 墜落 「官邸一強支配」はなぜ崩れたのか

    Posted by ブクログ

     安倍政権の「悪だくみ」しかり、菅政権の官邸支配しかり、日本という国の命運を委ねられている最高権力者としての覚悟も責任感もない首相を選んでいるのはいったい誰なのか。敵味方に分断して身内や仲間には甘く利益誘導し、正しいことを成すために進言する責任感の強い人物を左遷する、私情で政治を成しても何ら恥じることもない厚顔無恥。こんな日本に誰がした?!

    0
    2025年05月31日
  • 魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史

    Posted by ブクログ

    教育とはいったい誰のため、なんのためのものなのだろう。かつて教育関連の事務職をしていた経験から、今でも仕事には誇りを持っているし応援もしているつもりだけれど‥。あまりにも学校“経営”重視で、そこに集う“人”が大事にされていない。教育機関としての本分はどこに行ったんだろう?
    でもやっぱり、ここまでのぐだぐだは大きくなり過ぎてしまった日大ならではなのかな?現理事長に関しては‥何も言うまい。とにかく“魔窟”でした。(日大を日本と読み換えても話が通じるのも怖いところではある。)

    0
    2025年03月16日
  • 腐った翼 JAL65年の浮沈

    Posted by ブクログ

    2010年1月に2兆3000億円もの負債を抱えて倒産し、現在は必死の再生をしている途上であるJALの 59年間にわたる堕落ぶりを描いたノンフィクションです。ここまでの魑魅魍魎が渦巻く世界があるとは。




    この記事を書いている際にもJALは大きな動きを見せているようですが、ここで描かれているのは国策会社から『民間化』され政・財・菅の思惑の舞台となり、内輪では内輪で強力な労働組合と社内政治と権力闘争に明け暮れる幹部をはじめとするJAL職員や大小さまざまな不作為などが前編にわたってまさに魑魅魍魎の伏魔殿の様相を呈しており、最終的には2010年1月とうとう2兆3000億円もの負債を抱えて倒産した5

    0
    2025年03月09日
  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

    Posted by ブクログ

    小説『地面師たち』は読みましたが、こちらはノンフィクション。その道のプロが何故騙されてしまうのか、摩訶不思議の世界。

    0
    2025年02月20日
  • 魔窟 知られざる「日大帝国」興亡の歴史

    Posted by ブクログ

    2025/02/17「日大魔窟」森功☆
    森功氏の取材力、視点の大きさは定評がある。本書も裏切らないが、日大の今後は不安が残る。人口減少の中での迷走は日本と同じ。
    日大は我が国No.1の巨大大学。この組織は、チームプレイではなくトップの独裁的リーダーシップにより今日の姿を作り上げた「個人商店」。
    独裁者の権力は絶対であるが故に、組織の腐敗は進み、破綻する。
    日大の最近の不祥事、田中英壽理事長問題・スポーツ運動部問題などに対応できない組織体質問題が肝。
    トップが強力な独裁者でなければ組織のガバナンス・マネジメントは出来ない。林真理子理事長はどうして立候補したのか?彼女は本質的課題を全く承知していな

    0
    2025年02月17日
  • 泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴

    Posted by ブクログ

    本書は一人の男を主人公にし、政官業「癒着」の核心や“政治とカネ”のリアルを描いた、アングラノンフィクションであります。現在の事象に至る『萌芽』が書かれており、「オトナの世界」を垣間見ることが出来ます。




    この本は『平成の政商』といわれた水谷功を中心とした『政治とカネ』の問題をあぶりだしたノンフィクションであると捉えております。

    描かれているのは建設会社を舞台にした政・財・官の癒着の構図で小沢一郎やその秘書をしていた石川智裕氏や亀井静香議員までが勢ぞろいし、ドロドロとしたやり取りが繰り広げられております。

    小沢・石川両氏は僕なんぞが是非を論じる人間ではないのは重々承知ではありますが、彼

    0
    2025年01月26日
  • 地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団

    Posted by ブクログ

    2025.01.04
    こちらは地面師をノンフィクションで記録した一冊。詐欺は得られる「利益」に比して、捕まるリスクが低く、起訴されるリスクがさらに低いとあれば、みんなやるだろうなという感想に至る。

    0
    2025年01月04日