森功のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大半がリアルタイムに見聞きしてきた事件だったから、当時の記憶と照らし合わせたりしながら、とても興味深く読み進めることが出来ました。参考文献が殆ど示されていないこともあって、ともすれば宝島MOOKと紙一重って感じもしますが、推論を極力排し、自身の取材で判明した事実関係が主に述べられているから、うそ臭さを感じないのも良いです。週刊誌とかとも違い、リアルタイム性を求められない分、咀嚼された内容になっているのも信頼性が高いと思いました。グリコ・森永は当時から印象が強くて、同社製品を食べるようになったのも、随分経ってからだった記憶があります。事件の詳細は知らなかったけど、なるほど、まさしく「レディ・ジョーカー」だったんですね。かの作品の優れた出来映えを改めて実感した次第。他のどの章も押しなべて面白かったです。
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Posted by ブクログ
同じテーマを扱った町田徹『JAL再建の真実』講談社現代新書,2012年と合わせて読むと良い。本書は,2010年刊行の単行本を文庫化。定価900円(税別)と文庫本にしては高額だが,400頁に及ぶルポルタージュには読み応えを感じる。最終章の最後に書かれた「真剣に会社を思い,社会的な意義を見出して,経営の舵を握った社長がいただろうか。少なくとも政治家や官僚の悪癖や利権構造の壁を打破しようとした経営者は,見当たらない。なにより,ここまで企業を腐らせてきた責任は誰がとったのか。」(406頁)という文章は,そのまま東日本大震災後の東京電力にも該当しよう。それが,「日本型経営システム」の公共事業版であるならば,このうえなく残念な話である。
公共事業の今後という点では,JR北海道とJR四国も経営面で限界を迎えつつある。航空業界と鉄道業界との相違はあるものの,いずれ債務を税金で肩代わりしなければならなくなった時,JALの経験がどのように活かされるのか,我々はしっかり見極める必要がある。 -
Posted by ブクログ
ネットフリックスドラマ「地面師たち」のその後、とでもいえるだろうか。
事件直後に「地面師」という本を出版した著者が、
その後、メンバーの一人、獄中のカミンスカス操から手紙をもらったことから、
さらにその後を追ったものとなっている。
いやいや、メンバー同士のだましあいというか、だれもほんとうのことをいわないと
いうか、何が正しいのかさっぱりわからない。
この本は必然的にカミンスカス操の証言が中心になるが、ほんとかどうか、
よくわからない。実にごちゃごちゃしている。
ネットフリックスのドラマのように統制が取れてない。
ハリソン山中はいないのだ。
まして、ハリソン山中のように殺しは絶対にしない。あれはドラマだ。
しかし55億円が動いた。積水は払った。
怪しい、とわかった後でも地面師との交渉は続いた。
そのあたり、サラリーマンの悲しい性なのだろうか。
結局真実はわからない。
一部 積水ハウス事件「主犯」の告白
◆第一章 残された謎を追え
一七人の逮捕者たち/知られざる不良のプロフィール/刑務所仲間が語るカミンスカス/市橋達也との交流/〈受け取った金員は一億円だけ〉/突如あらわれた相続人
◆第二章 ラスボスの正体
内田マイクの登場/融資詐欺から地面師詐欺へ/〈司法取引した〉のは誰か/無数の名前を持つ男
◆第三章 カネはどこに消えた?
逃げ切った大物地面師/55億5000万円の行方/タワマンに運び込まれたスーツケース/なりすまし犯が逃げた/名門ゴルフ場での逃匿謀議/フィリピンへ高跳び/新たな巨大詐欺/そして詐欺師は消えた/カミンスカスを問い詰める
第二部 未解決地面師事件の「その後」
◆第四章 新橋「白骨遺体」事件の闇
放浪する素封家地主/六度も転売された物件/真の所有者は誰か/いまだ決着はつかない
◆第五章 汚されて戻らぬ土地
騙されたほうが悪い?/法律事務所からの不審な知らせ/東京同時多発地面師/台湾華僑なりすまし事件/詐欺の現場は弁護士事務所/聖路加レジデンスのニセ地主/見逃された「偽造ミス」/地面師本人が筆者に語る/死人に口なし
◆第六章 アパホテル「12億円詐欺」事件の真相
内田マイクの「黒い履歴書」/狙われた大都会の空白地/とぼける中間業者/「ピエール瀧」のモデルのような男
◆終章
積水ハウスの社内抗争/詐欺と気付いていた可能性/絡み合う謎/詐欺師と詐欺師の騙し合い -
Posted by ブクログ
Netflixドラマも大ヒットして多くの人が知るところとなった積水ハウス地面師詐欺事件。綾野剛が演じた役のモデルとなったカミンスカス操(服役中)から著者宛に「私は無罪です」と訴える手紙が届いたところから本書は始まる。著者も指摘するように言い分も聞いても「なるほどカミンスカスは利用されただけだったのか!」と考えるのはさすがに無理があるけれど、一応決着したことになっている事件に残された不可解・未解明の謎には陰謀説的な興味を惹かれる。まぁ積水ハウス側の真相はもう表には出てこないのだろう。地面師たちの方も全くもって一枚岩じゃないのが真相究明をややこしくさせるのだろうな。そのため誰が何の意図を持っていつどのように動いたのかが非常に複雑で、特に時系列の観点でやや読みづらいのは本書の難点(文章の問題というよりは地面師詐欺事件がそもそも複雑怪奇すぎるのが大きそう)