森功のレビュー一覧

  • 総理の影~菅義偉の正体~

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    菅首相の郷里から高卒で東京の段ボール会社に勤め始めてから官房長官に上り詰めるまでの経緯がざっと理解できました。貧農、集団就職とは少し異なる生い立ちや政界で実力を付けていく過程での地元有力企業とのやり取り、政策を実現する為には、清濁併せ呑む様な行動も垣間見えました。今、長男の接待問題でマスコミを賑わせていますが、将来の日本の成長に繋がる政策を実現する政権になることを期待します。

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    2021年02月25日
  • ならずもの 井上雅博伝 ――ヤフーを作った男

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    男に好かれる男の人って、一番男臭い。
    結果、女性にも人気がある。

    海外のパソコン普及の話はよく目にしたり、耳にしたりしていたけど、国内でのITの荒波を感じれました。

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    2021年01月03日
  • ならずもの 井上雅博伝 ――ヤフーを作った男

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    井上さん、存じ上げませんでした。日本のインターネット史やこの業界の空気感か感じられました。世の中短い間に相当変わりましたよね。その影に、井上さんをはじめとして、この本に出て来られるような方々の、「のめり込み」があったのでしょう。趣味の延長線上が仕事というのには勝てません。

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    2020年12月02日
  • 平成経済事件の怪物たち

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    ネタバレ

    江副浩正、髙橋治則、許永中、磯田一郎、田淵節也、尾上縫、金丸信、小沢一郎、田谷廣明・中島義雄、早坂太吉・末野謙一・佐々木吉之助、武井保雄、村上世彰の平成の経済事件簿。改めて平成に起きた出来事として『バブル崩壊』のインパクトの大きさを実感した。さらに阪神淡路と東日本大震災もあり、『崩壊』をキーワードに価値観を見直さざるを得なくなったんだなぁと振り返ることになった。政治も豪快豪傑さが縮小の一途。最近は破天荒な人物が出て来なくなったのが寂しいなぁ。

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    2020年10月24日
  • 総理の影~菅義偉の正体~

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    ネタバレ

    面白かった。
    菅さんがどんな人か、都合の良いことも悪いことも、概ね中立に書かれていて、様々な人への取材や事実に基づいて書かれていると感じた。

    自民党によるNHK支配の話しも興味深い。NHKが反権力の姿勢や中立的立場というのは確かに感じていた。警視庁に続きNHKも自民党に支配されたらもう中国と変わらんな。着実に放送会社には自民党縁故が増えてる。

    抜粋ネタバレ
    町を歩いてどこにどんな嫁さんがいて、子供がどうしてるか全部覚えてこい。一飯一宿の義理と人情、やせ我慢覚えた。
    菅さんは兎に角マメで仕事が早い。
    秘書に求める仕事高い水準で厳しい。
    横浜、藤木企業人脈など。

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    2021年01月31日
  • ならずもの 井上雅博伝 ――ヤフーを作った男

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    先週最終回のテレ東の「ネット興亡記」はラスボス登場的に孫正義を取り上げていました。ヤフー!の件で使われる彼の写真の斜め後ろには必ず井上雅博がいて、ヤフー!事業におけるニコイチ感を改めて感じながらも、番組的には軽く触れるだけだったので、ちょっと違和感を覚えました。本書を手にしたのは令和になる直前のNHKスペシャル平成史スクープドキュメント第8回の情報革命 ふたりの軌跡~インターネットは何を変えたか~がめちゃ面白かったからです。金子勇と井上雅博。特に井上については毎日触れている情報プラットフォームを本家アメリカと一線を画す日本独自のサービスに育て上げた秘密をもっと理解したいと思っていました。本書は週刊現代の大型連載「なりもの」をベースに書き加えて「ならずもの」と改題したとのこと。祖師谷団地から仙石原三十億円の隠れ家までの軌跡は、ライフヒストリーの上昇物語であり日本のインターネット産業の成長の歴史でもあります。特に起業家ではなかった(もっと言うとサラリーマンでもなく、バイト君だった…)井上が、いかにビジネスを思いのままに拡げてきたか?その秘密が週刊誌の時は「なりもの」だったけど書籍の時は「ならずもの」にしたことで読み解けるかな、と期待していましたが、やはり外側の別荘やワインやクラシックカーレースの印象が強くて経済的成功の側面ばっかり残りました。たまたま直前の読書が「最後の社主」で朝日新聞創業者の村山龍平の成功が孫娘まで継続するお話でしたが、井上雅博の成功は一代で消えるのでしょうか?香雪美術館ならぬクラシックカー美術館は無理だったのかなぁ。新しいビジネスが文化を守護し育むというスローな営みにインターネット産業のスピードは繋がるのでしょうか?

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    2020年06月28日
  • 悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞

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    第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞作。副題からもわかるように、ひところ国会を賑わせた「加計学園」問題について、著者が叮嚀な取材で追ったもの。本書でまず眼を引くのが、「第一章 第二の加計学園」というタイトル。加計学園問題が森友学園問題と並び称されているのは周知のとおりで、本書では後者についてもちゃんと触れられているのだが、章題の「第二の加計学園」とは、じつは森友学園のことなのである。先に社会問題化したのは森友のほうで、巷間でも加計を「第二の森友」とみる向きもあったが、じっさいは順番が逆で、森友こそ加計の手法を参考にしていたのである。この点をまず正しく理解しないと、この問題の経緯を見誤るのではないだろうか。そのほか、全体的にはすでに報じられている内容も多いが、印象的だったのは下村博文元文部科学大臣の妻・今日子夫人の関与。加計学園問題についてはさかんに取り上げていた情報番組でも、今日子夫人については一般人であることも手伝ってか、あまりその名前を聞くことはなかったように思う。しかし、じっさいには今日子夫人も加計理事長の友人のひとりであり、紛れもない「主要登場人物」なのである。こうしてみてみると、あれほど時間を割いて伝えられた問題であるにもかかわらず、伝え方が不十分な部分もたくさんあったといえるだろう。とはいえ、やはり下村夫人はたんなる政治家夫人でしかなく、主要登場人物ではあっても「プレイヤー」ではない。その肝腎なプレイヤーであるはずの首相やそれに近い人物の言葉が、おそらく取材拒否されたため仕方ないのだろうが、ほとんど登場しないのは、隔靴搔痒の感が否めない。

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    2020年05月10日
  • 総理の影~菅義偉の正体~

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    菅義偉という政治家が何をやってきたか、という経歴はわかったが、私が知りたいのは、この人物の行動の基盤にある価値観であった。それは残念ながらよく分からなかった。

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    2018年05月03日
  • 泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴

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    the real. as you know, non fiction is. politicians keep in the dark ever.

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    2018年04月30日
  • 血税空港 本日も遠く高く不便な空の便

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    今でこそ我が地元から成田空港へは駅前からバスが発着している。
    しかし、私がよく海外へ行ってた頃にはなかった。

    なので、上野まで出て京成スカイライナーが成田へ出る手段だった。
    スーツケースを転がして、東京メトロの上野駅から京成の駅まで
    えっちらおっちら歩いていたっけ。もう成田に行くまでに疲れちゃう。

    本書は成田をはじめ、日本の空港が抱える問題に焦点を当てた
    ルポルタージュである。

    こんな狭い国土に99もの空港があるんだね。知らなかったよ。
    そういえば千葉県在住の友人に「千葉には国際空港がある。
    埼玉にはないだろう」と自慢された。ふんっ、空港はなくても
    埼玉には新幹線が走っておる。なんて妙な張り合いをしたっけ。

    さて、日本の空港である。道路のことは少しは勉強したので分かって
    いるのだが、空港のことなんてあんまり考えなかた。道路特定財源と
    同じように空港整備特別会計なんてのがあるんだね。

    民営化以前の高速道路と一緒でプール制のこの財源は、やっぱり
    どんぶり勘定。赤字空港の財政を支える為にあるようなもの。

    ほとんどの空港が赤字を抱え、路線の撤退も続くなか、廃港にも
    出来ないし、貨物に特化した空港にすることも出来ない。

    民主党政権時代、国交省だった口先番長・前原が「羽田をハブ
    空港にする」なんて言ってなかったっけ。だったら成田はどうす
    るんだ?死人まで出して作ったのに…と思ったものな。

    自治体の要望や国交省の思惑もあるんだろうが、ぼこぼこと
    空港を作ったのはいいけど閑古鳥が鳴いているようじゃ、
    そもそもの必要性が疑われる。

    ダメダメな話ばかりでなく、成功している地方空港の話や海外
    の空港の取り組み、航空会社等へのインタビューも収録され
    ており日本の空港を取り巻く問題が分かりやすく書かれている。

    99なぁ。離島を除いて、日本にこんなに必要なんだろうか。道路
    より無駄じゃないのか。

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    2017年08月19日
  • 同和と銀行 ―三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録

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    昔あったリアルな話。岡野の壮絶な銀行員人生。小西は極悪人というよりも、義理を通す人。本の中の「銀行と小西は持ちつ持たれつ」というのは本当にその通りだと思う

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    2013年09月09日
  • 許永中 日本の闇を背負い続けた男

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    大阪市の在日韓国人地区に生まれた彼がいかにして「日本のフィクサー」としてバブル時代の日本を表社会と裏社会を自由に行き来し、その『思い』を実現していったのか?それが丁寧な取材で明かされております。

    思えば彼もバブルの時代に咲いた『徒花』の一人だったのかも知れないのかな、とそんな思いを抱きながら最後のページを閉じました。 許永中。日本のフィクサーの一人とも言われ、表社会と裏社会を自由に行き来しながら巨額の金を動かす男。本書を読む前の彼に関する知識はそんなところで、確か、実話系の雑誌で本社が原作の漫画が連載されていたかと思うのですが、詳しいことはよくわかりません。

    在日韓国人として大阪に生を受けた彼は、その腕っ節の強さでたちまち不良グループのリーダーとなります。大学を中退後、ある不動産会社社長の運転手兼秘書として働きながら、経営というものを学んでいったのだそうです。後に、フィクサーとして当時世の中を騒がせていた事件に数多くかかわり、ここの中に記されている話でも相当の修羅場を潜り抜けてきたんだな、ということと、やり取りされる天文学的な現金に、活字を追いながら『これがバブルか…』と何回もうなってしまいました。

    しかし、そんな時代も終わりを告げようとした平成初期に起こったいわゆる『イトマン事件』から彼の運命は徐々に暗転して行くのです。長きに渡る逃亡生活の末、司直の手に落ちた彼はイトマン事件と石橋産業事件の判決により、服役を余儀なくされるのです。筆者と面会した許が『トンネルの出口は断崖絶壁だった』ともらしていたことが非常に印象的で、一人の人間として、彼の人生は多くの毀誉褒貶をもたらすものではあったにせよ。禍々しくも強烈な光を放っているのではあるまいかと。読み終えてそんなことを考えておりました。

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    2013年06月27日
  • 血税空港 本日も遠く高く不便な空の便

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    日本の空港について、そして空港がいかにダメなのかと書いた本

    典型的な政官癒着モデルとなっている当局・空港・航空会社の関係を書いてある。

    2009年5月発刊で、2009年のJAL倒産の暁には多くの新聞記者がこれをネタ元にいかにこの産業がダメかをこき下ろした(爆)

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    2012年06月16日
  • 狡猾の人 防衛省を喰い物にした小物高級官僚の大罪

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    まさにタイトルの通り、守屋武昌は狡猾なのだ、と思う。
    エピローグに記述されている、生々しいやりとりからして、
    つくづくと“狡猾“という表現を思い知らされてしまう。

    この事件の本質がいまいちピンとこなかったのだが、
    本書を読むにつれ、何が問題だったのか、クリアになった。

    それにしても、仕事と家庭の立場の逆転は、
    事務次官といえども、悲哀が漂っていて、切なくなった・・・

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    2012年05月14日
  • 狡猾の人 防衛省を喰い物にした小物高級官僚の大罪

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    この本は『防衛省の天皇』の異名をとり、事務次官を四年歴任し、最後は収賄罪などに問われ、2010年に懲役2年6カ月の実刑が確定。その顛末を記したものです。少なくとも僕には彼を断罪することができない…。

    僕は先日、この本の主人公である守屋武昌氏が書いた『普天間交渉秘録』を読みましたけれど、正直な話、全体を通しても筆者の人間像がよくわからなくて、ずいぶんと頭をひねったことを思い出します。

    しかし、このノンフィクションを読んでから守屋氏の人物像というものが自分の中で浮き彫りになってきて、なんというのか…。彼が事務次官というポストを歴任し、『防衛省の天皇』という異名をとっていながらも家庭では長男の非行によって家庭が崩壊していくさまを仕事やゴルフに逃げ込んで外部の人間の助けを得なければ対処できないところまで言ってしまったことですとか、官僚時代に接待接待また接待という日々を送りながらも、防衛省を退職しスーパーで食材を選んでいるときも周辺の視線が絶えられなくなったり、取調室で事件を担当する検事に決定的な証拠を突きつけられたときの彼の対応などが、これを書いている最中でも脳裏に浮かび、そこから自分の導き出せることは彼はまたひとりに弱い人間であり、その『狡猾さ』は自分自身の中にも紛れもなく『存在』するのだ、という意味で彼のことを峻烈に責める事のできない自分がおりました。

    ほかの女性との浮気が奥様にばれたときや、連日連夜の残業で深夜に家に帰っても家族が食事を作ってくれなくて、当時行きつけだった24時間営業のスーパーマーケットで惣菜を買っている姿が描かれている場面を読んでいると、すごく下世話な話になるのですが、なんともいえない複雑な思いが自分の中を去来してしまいました。彼が罪に問われたという『軍事専門商社・山田洋行の元専務から、ゴルフ接待と次女の米国留学費などを受け取った見返りに便宜を図ったという』贈収賄の詳細はここに書かれてあること以上のことは僕にはわかりません。

    この事件が後に『戦後最大の事件といわれた防衛汚職事件』といわれ、そこで繰り広げられる旧防衛庁と防衛産業との歪んだ構造の実態が、自分の心には正直言ってあまり好奇心を書き立てるものではなかったんですけれど、ここには「一匹の『迷える子羊』として描かれている」一人の人間の姿があると、僕は僭越ながらそう思ってしまいました。

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    2012年03月24日
  • 同和と銀行 ―三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録

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    ノンキャリのバンカー・岡野義市が三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)淡路支店取引先課長に着任した際の最大の使命は、「同和のドン」こと小西邦彦の懐深くに飛び込むことだった―。超弩級のノンフィクションです。

    本書はバブル時代の関西圏に絶大な影響を及ぼした財団法人『飛鳥会』理事長。小西邦彦とそのバンカー人生の殆どを彼との交際につぎ込み『汚れ役』とも称された叩き上げ。岡野義市との『二人三脚』の歩みを描いたものです。

    三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に商業高校を卒業して入行したノンキャリの岡野は営業力や実務能力を発揮して着実に出世の階段を上っていきます。そんな彼が淡路支店取引先課長に着任した際の最大の使命は『同和のドン』としてその名をとどろかせていた小西邦彦の懐に飛び込んでいく、というものでした。最初は岡野もどうやってその任務を実行していいかわからず、ノイローゼ気味になってたところを本人曰く開き直りで『支部長、阪神が強いでんな』といいながら目の前のソファーにドンと腰かけると、そこから一気に彼との距離が縮まったのだそうです。

    それから彼と小西との関係を通じて『銀行と闇社会』とのつながりが延々と描かれているんですけれど、目が飛び出るような金が小西を通じて闇社会に流れているという事実と、岡野との非常に『濃ゆい』つながりの深さにとてつもなく深い闇をのぞいたような気がしました。さらには夜のネオン街での豪遊。アイスペールにブランデーを日本、たっぷりと注いでそれを宴席に居るメンバーで回しのみをする場面にもバブル時代の空気を感じることが出来ました。

    この時期の狂喜乱舞が後の『失われた十年(もしくは二十年)』につながっていくのかということを考えると、日本全体が狂気に走っていた時代なんだな、ということを思ってしまいました。やがて、バブルの宴も終わり、小西の体に癌の病魔が巣喰い始め、銀行が闇社会とのつながりを絶つ方向に舵を切り始めると文字通り『手のひらを返したよう』な態度になっていく姿は「盛者必衰」と呼ぶにふさわしいものでした。最終的に小西は『飛鳥会事件』の判決の後にならの自宅で病死し、現在の三菱東京UFJ銀行は『小西邦彦ならびに「ともしび福祉会」に対して約80億円の貸金返還請求訴訟を起こしたが、小西邦彦の死後に遺族が遺産相続を放棄したため、融資回収はほとんど進んでいない』(ウィキペディアより)のだそうです。

    最後のほうで作者の取材に答える岡野は
    「(中略)私は“汚れ役”として銀行に利用されたことに悔いはありません」
    と述懐しているのが本当に印象的でした。この本はこれまで「謎」「タブー」とされてきた、メガバンクと同和団体幹部の暗部に切り込む超弩級のノンフィクションなのだそうです。ここに書かれてあることが今、どういった形でどのような影響があるかは寡聞にしてわかりませんが、金の集まるところには本当にいろいろな人が集まってくるものだ、ということが本当に良くわかる一冊でありました。

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    2012年03月19日
  • 血税空港 本日も遠く高く不便な空の便

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    ネタバレ

    日本の空港政策が如何に杜撰なものだったか、そして、空港整備特別会計というどんぶり勘定の予算によって、現在もその杜撰さを巧妙に誤魔化している現状についても、非常によくわかりました。

    空港を作ることが目的化した結果、本当は需要などほどんどない地域にも関わらず、恣意的な需要予測でどんどん空港が作られ、この狭い日本に100近くも空港があるというのは非常に驚きでした。
    そして、そのほとんどの空港で経営が破綻しており、一部の優良空港の利益と税金で補填しないとやっていけないのだという。
    また、そうした地方空港が足かせとなって、羽田空港の国際化が進まないとか。

    つい最近もエルピーダメモリの経営破たんがありましたが、これもずっと昔に破綻しているべきものを保護してしまった故に傷口を広げてしまったのだと思いますが、今の日本の空港事情についても同じことが起きるのではないかと思われます。
    市場原理が働かないところに成長はなく、保護をしていてもいつかは倒れてしまうだけ。
    本書は、空港の話ですが、きっと色んな産業で、このようなことが起きているのだろうと容易に想像できるところが恐ろしいですね。。。

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    2012年03月01日
  • 血税空港 本日も遠く高く不便な空の便

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    「オープンスカイ」(=空の自由化)の世界的潮流でアジア各国が空港を整備し飛躍するなか、日本は致命的な後れを取った。
    羽田空港は頭打ちの国内線中心。
    米航空会社に占められ新規参入枠がない成田空港は、「アジアの玄関口」の座を周辺諸国に奪われて久しい。
    鳴り物入りでオープンした関西国際空港をはじめ、全国津々浦々99の空港のほとんどが火の車だ。
    その補填のため毎年5000億円もの税金が垂れ流し。
    そんな航空行政の呆れた実態を緊急告発。

    [ 目次 ]
    第1章 静岡空港「開港延期」の裏事情
    第2章 オープンスカイという逆風
    第3章 成田空港の呪縛
    第4章 泥沼の関空経営
    第5章 赤字「空港」の支え「空整特会」
    第6章 激変する世界の空
    第7章 生き残り策

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2011年06月05日
  • 許永中 日本の闇を背負い続けた男

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    主人公の出自からたどれる点で、水谷功事件を題材とした「泥のカネ」よりおもしろい。まるで「血と骨」のアナザーワールドを辿るような物語というべきであろうか。「血と骨」の主人公はまるで魅入られたように朝鮮総連に全財産を寄付し、北の果てに消えていく。この主人公はフェリー会社の新設に出自の夢を抱いていたのか?カネを操り、操られた彼らは今何を思うのか?

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    2011年05月21日
  • 血税空港 本日も遠く高く不便な空の便

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    日本の複雑な航空業界の現状について知ることができる1冊である。
    なぜ日本の空港はアメリカの方向性に従わなければならないのか。
    千両大戦後の米国支配に大きく影響されている、日米構造協議の対日解放要求のためである。
    飛行場を立てることで誰が儲かるのか。
    空港整備特別会計により、政府と地方自治体両方である。
    会計は不透明な内容で、財源は利用者からの離着陸料である。
    海外からの需要が高い首都圏の空港が、地方空港の赤字を賄うために、
    国際化が進められていない。
    可能性が生かせず、アジアの他国から取り残されてしまうかもしれない日本の空港の状態がわかった。

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    2010年12月18日