森功のレビュー一覧
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大阪市の在日韓国人地区に生まれた彼がいかにして「日本のフィクサー」としてバブル時代の日本を表社会と裏社会を自由に行き来し、その『思い』を実現していったのか?それが丁寧な取材で明かされております。
思えば彼もバブルの時代に咲いた『徒花』の一人だったのかも知れないのかな、とそんな思いを抱きながら最後のページを閉じました。 許永中。日本のフィクサーの一人とも言われ、表社会と裏社会を自由に行き来しながら巨額の金を動かす男。本書を読む前の彼に関する知識はそんなところで、確か、実話系の雑誌で本社が原作の漫画が連載されていたかと思うのですが、詳しいことはよくわかりません。
在日韓国人として大阪に生を受 -
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この本は『防衛省の天皇』の異名をとり、事務次官を四年歴任し、最後は収賄罪などに問われ、2010年に懲役2年6カ月の実刑が確定。その顛末を記したものです。少なくとも僕には彼を断罪することができない…。
僕は先日、この本の主人公である守屋武昌氏が書いた『普天間交渉秘録』を読みましたけれど、正直な話、全体を通しても筆者の人間像がよくわからなくて、ずいぶんと頭をひねったことを思い出します。
しかし、このノンフィクションを読んでから守屋氏の人物像というものが自分の中で浮き彫りになってきて、なんというのか…。彼が事務次官というポストを歴任し、『防衛省の天皇』という異名をとっていながらも家庭では長男の -
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ノンキャリのバンカー・岡野義市が三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)淡路支店取引先課長に着任した際の最大の使命は、「同和のドン」こと小西邦彦の懐深くに飛び込むことだった―。超弩級のノンフィクションです。
本書はバブル時代の関西圏に絶大な影響を及ぼした財団法人『飛鳥会』理事長。小西邦彦とそのバンカー人生の殆どを彼との交際につぎ込み『汚れ役』とも称された叩き上げ。岡野義市との『二人三脚』の歩みを描いたものです。
三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に商業高校を卒業して入行したノンキャリの岡野は営業力や実務能力を発揮して着実に出世の階段を上っていきます。そんな彼が淡路支店取引先課長に着任した際の最 -
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ネタバレ日本の空港政策が如何に杜撰なものだったか、そして、空港整備特別会計というどんぶり勘定の予算によって、現在もその杜撰さを巧妙に誤魔化している現状についても、非常によくわかりました。
空港を作ることが目的化した結果、本当は需要などほどんどない地域にも関わらず、恣意的な需要予測でどんどん空港が作られ、この狭い日本に100近くも空港があるというのは非常に驚きでした。
そして、そのほとんどの空港で経営が破綻しており、一部の優良空港の利益と税金で補填しないとやっていけないのだという。
また、そうした地方空港が足かせとなって、羽田空港の国際化が進まないとか。
つい最近もエルピーダメモリの経営破たんがあり -
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ネタバレ[ 内容 ]
「オープンスカイ」(=空の自由化)の世界的潮流でアジア各国が空港を整備し飛躍するなか、日本は致命的な後れを取った。
羽田空港は頭打ちの国内線中心。
米航空会社に占められ新規参入枠がない成田空港は、「アジアの玄関口」の座を周辺諸国に奪われて久しい。
鳴り物入りでオープンした関西国際空港をはじめ、全国津々浦々99の空港のほとんどが火の車だ。
その補填のため毎年5000億円もの税金が垂れ流し。
そんな航空行政の呆れた実態を緊急告発。
[ 目次 ]
第1章 静岡空港「開港延期」の裏事情
第2章 オープンスカイという逆風
第3章 成田空港の呪縛
第4章 泥沼の関空経営
第5章 赤字「空港 -
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ネタバレ日本の複雑な航空業界の現状について知ることができる1冊である。
なぜ日本の空港はアメリカの方向性に従わなければならないのか。
千両大戦後の米国支配に大きく影響されている、日米構造協議の対日解放要求のためである。
飛行場を立てることで誰が儲かるのか。
空港整備特別会計により、政府と地方自治体両方である。
会計は不透明な内容で、財源は利用者からの離着陸料である。
海外からの需要が高い首都圏の空港が、地方空港の赤字を賄うために、
国際化が進められていない。
可能性が生かせず、アジアの他国から取り残されてしまうかもしれない日本の空港の状態がわかった。 -
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日本の空港の仕組みがわかる良書です。その仕組みとは、話題になった高速道路よりもバカらしく、おカネを効率よく吸い取る仕組みです。(空港特別会計を通じて、儲かっている空港の収益を他の赤字空港の補助に混ぜこむ。)
日本の地方空港の問題点とは、ずばり「作りすぎ」。背後にある地域にどれだけの人口がいて航空路線が必要かが収支を決めると分析します。人口60万人ほどの島根県には出雲空港と石見空港がある。隣接する鳥取県にも米子空港と鳥取空港がある、という塩梅です。
その中で地域と県を上げて利用率を上げることに成功した能登空港や、貨物取扱で気を吐く小松空港の事例が挙げられます。
日本とばし、は空の世界にも -
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戦後日大がマンモス化していく過程を古田重二良から田中英壽、そして林真理子に至る支配の構図を主眼として追うルポルタージュ。冒頭と結末部分の四割程が林体制に割かれるため、アメフト部の薬物事件に纏わるガバナンス不全が大きく印象に残る構成だが、本書の情報源自体、どうしても田中時代から残る生え抜き職員達に偏り、「田中にも良いところはあったが、林は全く駄目(大意)」とのトーンが拭えていない。確かに薬物事件の処理自体はお粗末としか言いようがないが、理事長逮捕に至った組織犯罪の源としての田中体制と、その体制を引きずりつつも外部から刷新をもたらすべく乗り込んだ林の事件対応を同列に論じることにはやや疑問を感じる。