森功のレビュー一覧
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2010年1月に2兆3000億円もの負債を抱えて倒産し、現在は必死の再生をしている途上であるJALの 59年間にわたる堕落ぶりを描いたノンフィクションです。ここまでの魑魅魍魎が渦巻く世界があるとは。
この記事を書いている際にもJALは大きな動きを見せているようですが、ここで描かれているのは国策会社から『民間化』され政・財・菅の思惑の舞台となり、内輪では内輪で強力な労働組合と社内政治と権力闘争に明け暮れる幹部をはじめとするJAL職員や大小さまざまな不作為などが前編にわたってまさに魑魅魍魎の伏魔殿の様相を呈しており、最終的には2010年1月とうとう2兆3000億円もの負債を抱えて倒産した59年間にわたる堕落ぶりでありました。
京セラの稲盛和夫氏を迎え、経営の建て直しがスタートし一定のめどが立ったと世間では報じられていますが、これを読む限りでは、59年以上にわたって醸成された腐食の企業文化がここ数年で一気に刷新されたとはどうしても思えないのです。
勿論、現場で『日本の空の安全』のために日夜業務に励んでいる社員はいらっしゃるのは重々承知の上ですが、メガキャリアと化してしまったJALが問題の先送り先送りの果てに『戦後最大の倒産』と巷に報じられるまでのプロセスは時代と場所を問わず、とこにでも起こりうることなんだ、と言う意味でここで描かれたことは『普遍の真実』なのかな、と読んだあとに思ってしまいました。
今後のJALの動向にはこれからも目を離せませんが、『これまでの経営は知りません』と言っていた社長が、今後どのような舵を切っていくのか?強大な力を持つ労働組合とどう対峙していくのか?見守っていきたいと考えております。
追記、JALは稲盛社長(現在は退任)が大鉈を振るったことにより、見事復活を果たしました。本書は2016年4年21日、講談社より『腐った翼 JAL65年の浮沈 (講談社+アルファ文庫 G 213-4)』として文庫化されました。 -
Posted by ブクログ
2025/02/17「日大魔窟」森功☆
森功氏の取材力、視点の大きさは定評がある。本書も裏切らないが、日大の今後は不安が残る。人口減少の中での迷走は日本と同じ。
日大は我が国No.1の巨大大学。この組織は、チームプレイではなくトップの独裁的リーダーシップにより今日の姿を作り上げた「個人商店」。
独裁者の権力は絶対であるが故に、組織の腐敗は進み、破綻する。
日大の最近の不祥事、田中英壽理事長問題・スポーツ運動部問題などに対応できない組織体質問題が肝。
トップが強力な独裁者でなければ組織のガバナンス・マネジメントは出来ない。林真理子理事長はどうして立候補したのか?彼女は本質的課題を全く承知していない。世の中に受けることだけ。
1.卒業生120万人 学生数大学生7万人 系列校含む10万人→No.1
2.田中英壽理事長の豪腕 2学部新設 事務局長人事を専権
年間収入2,700億円 資産6,000億円
黒字120億円 私学助成金100億円カットでも凌げるが・・・
3.林真理子体制の迷走 そもそも組織運営の実績も力もない -
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本書は一人の男を主人公にし、政官業「癒着」の核心や“政治とカネ”のリアルを描いた、アングラノンフィクションであります。現在の事象に至る『萌芽』が書かれており、「オトナの世界」を垣間見ることが出来ます。
この本は『平成の政商』といわれた水谷功を中心とした『政治とカネ』の問題をあぶりだしたノンフィクションであると捉えております。
描かれているのは建設会社を舞台にした政・財・官の癒着の構図で小沢一郎やその秘書をしていた石川智裕氏や亀井静香議員までが勢ぞろいし、ドロドロとしたやり取りが繰り広げられております。
小沢・石川両氏は僕なんぞが是非を論じる人間ではないのは重々承知ではありますが、彼らの持っている絶大な権力を利用して事業を拡大したり、現在、もっともホットな話題である原発を建設したりする話なども盛り込まれていて、『日本の裏』というものが描かれている、という意味で一読をされてはいかがでしょうか?
僕はこの作品に書かれている裏事情などというものはほとんどわかっていなかったので、「オトナの世界」というものの一端を覗かせてくれた本書には本当に感謝しておりますし、この構図がいわば『日本の縮図』ではなかろうかと思ってもおります。
かなりアングラな話なので、賛否両論は分かれるかとは思いますが、今に続く問題の『萌芽』があぶりだされている作品であると、個人的にはそう思っております。
※追記
本書は2013年10月10日、文藝春秋より『泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴 (文春文庫 も 26-1)』として文庫化されました。 -
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一度信用したものを疑わない人間の弱さを痛感した。
素人目に見ても明らかにおかしな点
・本人確認書類であるパスポートの氏名や生年月日に誤りがある。
・地主が自分の干支を言い間違える。
・取引相手からそんな取引をした覚えはないという主旨の手紙が届く。
などがあるにも関わらず、名の知れた大手ディベロッパー(積水ハウスなど)はなぜ騙されてしまうのか?
こんなに資金のある会社が詐欺を働くわけがない。
地主も、土地も、この目で確認したから大丈夫だろう。
この勝手な思い込みこそが、脆弱性を生み出している。
前提を疑う事は、不動産の世界に限らず必要だ。 -
購入済み
Netflixで話題の地面師たちが気になったが、そもそも地面師詐欺の実態をよく知らなかったので、予習がてら本書を購読。Netflixのネタにもなった積水ハウス事件やその他にも有名どころの地面師詐欺事件を網羅的に取り上げ、大物地面師の関係性や様々な事件の手口も紹介されており、地面師詐欺というものを知るには最適。比較的簡潔に事実に基づいてまとめられており、ボリュームもさほど多くないので、読みやすいが、どうしてもそれぞれの事件の記述は薄いので少し不完全燃焼感はある。本書と「地面死たち」「保身」の3点セットで読むと積水ハウス事件の全体像が見えてスッキリする。
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★チームのバランスは★安倍政権の官邸官僚は2種類いると後書きで記している。菅官房長官を支える官房副長官の杉田和博(警察庁)や首相補佐官の和泉洋人(国土交通省)、そして第一次政権から続く首相秘書官の今井尚哉首相秘書官や長谷川栄一、柳瀬唯夫といった経産省出身者。個人に焦点を当てた章立てでそれぞれのストーリーはよく分かっただけに、チームとしてどのようなパワーバランスで成り立ったのかが気になった。
出身官庁でトップになるようなスーパーエリートでない人物だからこそ、官邸で安倍政権に忠誠を尽くしたという書きぶり。ただ、本当にフィットするのは技官の和泉だけではないか。和泉については何が重用されているのかよく知らなかったが、特区をきっかけに難しい法案を通しきる力が評価されたとのこと。内閣人事局の力をきちんと使わないと、官僚のゆがみと無力感を生む。様々な問題も抱えつつ、安倍政権は結局、勝ち逃げだったのだろう。 -
Posted by ブクログ
バブル期の王様として経済を操った森下安道という男の物語。貪欲すぎる程の拝金主義が紙面をとおしてビシビシと伝わってきた。終戦後の少年時代は極貧生活を強いられたが、丁稚奉公から起業。洋服店を継いだ後、資金繰りの厳しさから業種転換。判断力と修正力、まさに高速PDCAのお手本のような人。
登場人物のみでなく、当時の経済事件-ロッキード、リクルート、イトマン-や山一抗争など時代背景を知るのに参考になった。
当たり前だけど、戦後のカオスから始まり、高度経済成長、バブルといったエネルギッシュな時代といまは全然違う。
現在は不景気&インフレ、、学校で習ったスタグフレーションではないか。
時代の波に流されるのではなく、乗っていけるよう常に楽観、悲観のバランスをとりつつ生きていきたい。
とこの本を読んで感じた次第。 -
Posted by ブクログ
元三和銀行員・岡野氏が、飛鳥会代表・小西氏の人物像や行動を振り返る、回顧録。
ノンフィクションであるが、意外と読み易い。
パッと見は「銀行が脅されて80億円の融資をして、それが貸し倒れた」と思われがちな事件。でも銀行にとっても小西氏は都合の良い存在だった、という内容。
岡野氏は、みんながビビってた小西さん相手に自分はよく渡り合った、銀行内でもお偉い方に感謝されてた、と全く後悔ない様子…
小西逮捕の騒動の後は自殺者まで出てしまってるし、後任や後世に迷惑・負担をかけてしまう、「そのときが良ければ」の取引はするべきじゃないよなあと思ってしまった。