【感想・ネタバレ】悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年05月10日

第2回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞作。副題からもわかるように、ひところ国会を賑わせた「加計学園」問題について、著者が叮嚀な取材で追ったもの。本書でまず眼を引くのが、「第一章 第二の加計学園」というタイトル。加計学園問題が森友学園問題と並び称されているのは周知のとおりで、本書では後者...続きを読むについてもちゃんと触れられているのだが、章題の「第二の加計学園」とは、じつは森友学園のことなのである。先に社会問題化したのは森友のほうで、巷間でも加計を「第二の森友」とみる向きもあったが、じっさいは順番が逆で、森友こそ加計の手法を参考にしていたのである。この点をまず正しく理解しないと、この問題の経緯を見誤るのではないだろうか。そのほか、全体的にはすでに報じられている内容も多いが、印象的だったのは下村博文元文部科学大臣の妻・今日子夫人の関与。加計学園問題についてはさかんに取り上げていた情報番組でも、今日子夫人については一般人であることも手伝ってか、あまりその名前を聞くことはなかったように思う。しかし、じっさいには今日子夫人も加計理事長の友人のひとりであり、紛れもない「主要登場人物」なのである。こうしてみてみると、あれほど時間を割いて伝えられた問題であるにもかかわらず、伝え方が不十分な部分もたくさんあったといえるだろう。とはいえ、やはり下村夫人はたんなる政治家夫人でしかなく、主要登場人物ではあっても「プレイヤー」ではない。その肝腎なプレイヤーであるはずの首相やそれに近い人物の言葉が、おそらく取材拒否されたため仕方ないのだろうが、ほとんど登場しないのは、隔靴搔痒の感が否めない。

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