増田寛也のレビュー一覧
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限られた人の学術問題だった人口減少を、一気に政策課題、社会課題に引き上げた(というよりブームにした)本をようやく一読。
この問題に関心のある人にとっては大きなテーマはすでに馴染みがあるけれど、馴染みがあるものにしたのが2014年のこの本だとも言える。
ポイントは、やはり具体的に消滅する自治体の名を挙げたことだろう。自分ごと化させるにはこらは取るべき手法。
政策支援で出生率は上げられても、手を打つのが遅いと効果は出ない。なぜなら子どもを産む若い世代の女性の絶対数が減ってしまっては、一人当たりのこどもの数が増えても焼け石に水だから。だからこそ一刻も早く、と言っているうちに時代はコロナ禍に、、、
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子育てに適さない東京に人口が一極集中することによって人口急減社会が訪れ、地方には人がいなくなり消滅するという恐ろしい予測について書かれていた。
出版から8年たった今も特に日本としては危機感を持っているようには思えないが、子供を産みやすくするため不妊治療が保険適用になったことは(この本の提言を元にしたのかはわからないが)前には進んでいる気はする。
また奇しくもコロナの蔓延でリモートワークが普及し始めているのも東京一極集中を避けるための追い風になるはず。
自分も消滅可能性都市ではないが地方に住んでいるため、政府にはこの問題に対して真剣取り組んでもらえるとありがたい。 -
Posted by ブクログ
2016年の都知事選に出馬した増田寛也氏(ひろや,1951~)の2014年の著書。
周知の通り、若い女性がどんどん減っていく地域は将来的に自治体としての存続が危うく、「消滅可能性都市」と位置付けられるが、今や日本全国の大半の市区町村が消滅可能性都市であり、早急の対策が求められている。
これまで選択の自由が尊重されるあまり、子供を持つかどうかは個人の自由なのだから、そこに政策的な介入はすべきでないとされてきた。
確かに個々人が子供を持つかどうかに政府が口を出すのはおかしい。
ただその一方で、希望しながらも社会的、経済的な制約が多くて子供を持てない国民も多い。
だとすれば、その制約を緩和するのは -
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全国896の自治体は消滅の危険性があると、
それに対する処方策をとく。
■大学進学率50%を超えた状況にあるなら、グローバル大学(G型大学)とローカル大学(L型大学)に分けて、G型大学の役割をグローバルで通用する極めて高度なプロフェッショナルな人材の輩出するのに対して、L型大学の役割を生産性向上に資するスキル(簿記等)保持者の輩出(職業訓練)しとした。
■「若者が地方に残れるようにするには、生産性を上げること・・・中略・・・地方の生産性は現に低いぶん改善の余地も大きいが、生産性を上げるためには、『強きを助け、弱きは退出促進』することが必要。これには痛みを伴うが、今や地方は人手不足で、退出企業の -
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少子高齢化の現状~対策、さらに取り組んでいる事例をまとめてありました。
第一に、この問題を考えるうえで人の動きが重要だと学びました。今は地方から東京にいく若者が増えており、特に女性の流出が深刻とのこと。結果、東京は女性が多く、地方には男性が多い。そして、東京は子育てしにくい環境と書いてあり、「そりゃ物価や家賃も高く、おまけに人付き合いも薄ければ、厳しいよなぁ」って率直に感じました。女性の働き方にも注目です。バリバリ働き高収入を目指す「バリキャリ」の他に、働く時間が決まっており転勤のない「ユリキャリ」も視野にいれてて興味がありました。
第2に、これは新しい視点でしたが、40歳代の転職の推進です。 -
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本書は今から10年前、2014年に発行されたものである。
本書は、日本の人口減少にあらためて警鐘を鳴らしたものであるが、何より、日本の地方自治体のうち、896の自治体は「消滅可能性都市」である、自治体そのものが消滅してしまう可能性があると述べたところが、ショッキングであり、当時、相当に話題を呼んだ。
「消滅可能性都市」とは、2010年から2040年までの間に、「20~39歳の女性人口が」5割以下に減少する地方自治体を指す。それは、出産可能な年齢の女性が自治体にいなくなる可能性を示しており、人口の反転は見込めない、というよりも、人口が減少していくことが確実であり、そのままの状態が続けば、将来的に -
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増田寛也(1951年~)氏は、東大法学部卒、建設省勤務(その間、千葉県警、茨城県庁等への出向あり)、岩手県知事(3期)、総務大臣(内閣府特命担当大臣)、東大公共政策大学院客員教授、野村総合研究所顧問等を経て、現在、日本郵政(株)社長。
私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。(本書は2015年の新書大賞)
本書は、著者が座長を務めた、民間の政策提言機関「日本創成会議」の「人口減少問題検討分科会」が、2014年に発表した「ストップ少