増田寛也のレビュー一覧
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増田寛也(1951年~)氏は、東大法学部卒、建設省勤務(その間、千葉県警、茨城県庁等への出向あり)、岩手県知事(3期)、総務大臣(内閣府特命担当大臣)、東大公共政策大学院客員教授、野村総合研究所顧問等を経て、現在、日本郵政(株)社長。
私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。(本書は2015年の新書大賞)
本書は、著者が座長を務めた、民間の政策提言機関「日本創成会議」の「人口減少問題検討分科会」が、2014年に発表した「ストップ少子化・地方元気戦略」の検討結果を中心に書籍化したものである。いわゆる「増田レポート」と呼ばれる報告書の中では、全国の896の自治体を「消滅可能性都市」として名指しで公表したことから、その反響は非常に大きかった。
私は、消滅可能都市が名指しされているということで、少々悪趣味なレポートという印象を持っていたのだが、本書を読んでみると、内容は事実・データに基づいた至極真っ当なもので(当然と言えば当然なのだが)、広く認知されて然るべきものである。尚、消滅可能性都市については、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」をベースに、その前提を、「地方からの人口流出は一定の収束がある」から、「現在と同程度の人口流出が今後も続く」に変えたもので、その結果、2010~40年の30年間に、人口の「再生産力」を示す20~39歳の女性人口が50%以下に減少する市区町村は、全国1,800の地域の49.8%に当たる896(うち、人口1万人未満となるのは全体の29.1%の523)と推定され、それらの地域は存続できなくなる可能性が高いとされたのである。
そして本書では、その原因を、①日本全体の人口減少と、②地方から大都市圏への人口(特に若年層の)移動とし、それぞれへの対応の提言がなされている。①については、若年層の収入の安定化(「若者・結婚子育て年収500万円モデル」)、結婚・妊娠・出産・子育ての支援、ワークライフマネジメントの推進、女性活躍・登用の推進、高齢者の再活用、海外高度人材の受入れ、②については、地方中核都市の機能・再生産能力の向上、小規模自治体のコンパクトシティ化、子供や若者にとっての魅力ある街作り、中高年の地方移住の支援、スキル人材の中央から地方への再配置、地方金融の再構築、農林水産業の再生、等で、(今や)特段目新しいものではないが、コロナ禍により否応なく進んだ働き方改革や生活様式の変化は、これらの対策推進の後押しになるだろう。また、実際に若年女性人口が増加している自治体を、「産業誘致型」、「ベッドタウン型」、「学園都市型」、「コンパクトシティ型」、「公共財主導型」、「産業開発型」の6つのモデルに分類した上で、「産業開発型」で成功している、秋田県大潟村(農業)、福井県鯖江市(中小製造業)、北海道ニセコ町(観光)、岡山県真庭市(林業)等の取り組みも紹介されている。
更に、巻末には、藻谷浩介氏、小泉進次郎氏と宮城県女川町長・須田善明氏、慶大教授・樋口美雄氏との、3つの対談が載っているが、私は今般、藻谷氏の『デフレの正体』、『里山資本主義』も併せて読んでおり、全体としての認識が深まった。
日本に起こっている事実、また、(対策を打たなければ)遠からず必ず起こる状況を、正しく認識するために、一読しておいていい一冊だろう。
(2022年10月了) -
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2021/06/19
第5章北海道の地域戦略で有名
北海道総合研究調査会五十嵐嘉子理事長
北海道の札幌市と地域の人口問題分析
地域の人口減少・高齢化
札幌の高齢化
ただし経済・産業の分析はない
「地域の稼ぎ」についての司令塔がない
労働力の減少、市場の縮小で自然死を待つだけ
20181110
ショッキングで社会に大きなインパクトをもたらした本 近年ナンバーワンの影響力
地方創生につながった 具体的な実績・成果を出せるかが政治と国民に問われている
ファクトベースで見たくない現実を露わにした 後は我々の責任
高齢化・人口減少の進み方は一様ではない 東京圏 中核市 地方都市 過疎市町村
人口の再生産力 若年女子[20-39歳]人口が決定
地方都市の人口減少の加速化 自然減だけではなく社会減が加速化
老齢人口が減少すると医療介護の雇用が東京圏にシフトする
⇒「極点社会」東京圏に一極集中 コンパクトシティ?
求められる国家戦略
「人」が政策の基軸
四国丸亀町 定期借地権を利用して商店街の再開発 所有と利用の分離
大きなビジョンを描くリーダー
人材への投資が重要 人口減少社会 -
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政府が進める「東京圏への一極集中の是正」政策のきっかけを知れる本。
この本を読めば、国の地方創生に関する施策がどういった目的で行われているのか大枠が掴める。
この本の価値として、言われてみれば当たり前だが、勘違いする人も多い人口論を、データに基づいて論理的に示したところにある。
・合計特殊出生率が回復したところで人口が増加するわけではない。
・人口対策は早ければ早いほど効果が高い
・若年女性(20〜39歳)が転出する市町村は、加速的に人口が減少する。
・東京に一極集中させることで、生産力を高める方策は持続的ではない。(将来的に地方からの人口流入がなくなり、東京でも人口減少に陥る)
特に消滅可能性都市の根拠となっている「若年女性(20〜39歳)が転出する市町村は、加速的に人口が減少する。」という考えは、シンプルながらも人口問題の本質を捉えている。
コロナにより出生率が低下する一方、地方移住への関心は高まっている。
地方創生の最後で最大のチャンスかもしれない。 -
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”このままでは2040年に896の自治体が消滅する”と主張した2014年の通称”増田レポート”。9割の子どもが生まれる20-39歳の女性が人口減のキードライバーであるという考え方に基づき、2010-2040年にかけてその層が5割以上減少する自治体が消滅自治体の定義である。
本書は有識者団体である日本創生会議の座長として、岩手県知事・総務相を努めた著者が、レポートの詳細のロジック、有効な対策などについて取りまとめた1冊である。
レポートの公表から7年が経つが、本レポートの意義は色褪せていない。人口減少を食い止めるために少子化対策が重要であるのは間違いがないが、そのためのKPIとしてとかく出生率ばかりが取り上げられがちである。しかし、よくよく考えれば必要なのは新たに生まれる”絶対数”のはずである。
つまり、「生まれてくる子どもの人数=女性の人数×出生率」という単純な数式において、我々は女性の人数にも目を向けるべきである。実際、子どもの9割が生まれてくる20-39代の女性が減少する自治体においては、どれだけ出生率を高めたところで人口減少は食い止められない。本レポートが提示する結論は上記のとおり、極めてシンプルかつ明快な事実であり、改めて少子化問題を考えるときの立脚点としての重要性は褪せていないように思われる。 -
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当時、話題となった一冊。
平成26年5月に発表された「日本創成会議」の報告書、いわゆる「増田レポート」は、20-39歳の女性の減少に着目して、2040年には896の自治体が消滅しかねないというショッキングな内容で各方面の注目を集めた。
本書はその「増田レポート」をベースに、北海道など各地での取り組みや、人口問題に詳しい藻谷浩介氏との対談などをまとめ、新書にしたもの。
自治体消滅という言葉は衝撃的ではあるが、データそのものは、決して目新しいものではない。
本書にも書かれているとおり、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」は、いつでもホームページで見ることができるし、推計結果もだいたい同じようなものある。
国立社会保障・人口問題研究所と増田レポートとの違いは、人口移動が一定程度収束する前提で推計したのが前者で、収束しない前提が後者だというだけである。
国立社会保障・人口問題研究所の推計でも、増田レポートの推計時点より10年遅い2050年で見ると、ほぼ同数の消滅可能自治体が出てくるといことを、社人研の方がどこかで書いていた。
データはずっと目の前に置いてあったのだが、一部の専門家以外、誰も関心を示さなかっただけなのである。
増田レポートは、鮮やかな切り口で、それを国民にアピールして見せた。
p15ページに、0歳-14歳の年少人口の推計がある。
現在とほぼ同程度の合計特殊出生率1.35での推計した場合である。
2010年 1,684万人
2040年 1,073万人
2060年 792万人
2090年 516万人
2110年 391万人
男女2人で、女性が子供を1人しか産まないとなると、次世代の人口は半減する。
その次の世代はさらにその半分。
世代ごとに、人口は急激に縮小していく。
そうした少なくなる一方の人口で、すでに生まれた膨大な数の高齢者を背負って働いていかなければならない。
この数字を見ただけでも、社会を維持することが困難となるのは明らかである。
あまりに当然のことであるが、人口減少の解決は、焦眉の急である。
「増田レポート」がきっかけとなり、政府に「まち・ひと・しごと創生本部」が設けられ、平成26年12月末、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が発表された。
ようやくではあるが、人口減少に国を挙げて取り組む段階に至ったのである。
本書では、人口減少の解決に向け、さまざまな提案が書かれているが、総花的で、あまりおもしろくはない。
しかしながら、たくさんの人に、人口減少の危機を肌身で感じさせたという点で、「増田レポート」及び本書は、大いに評価されるべきであると思う。 -
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介護付有料老人ホームの現場にいる者としては、高齢者を単にサービスを受けるだけの存在にしないように気を配っているけれど、「ゆいまーる那須」のようにお互いに支え合いながらコミュニティをつくるところまでは、とてもいっていない。歯がゆいです。他でも書きましたが、政府が2025年をめどに構築を目指している、住み慣れた地域で人生の最後まで暮らし続けられることを目的とした「地域包括ケアシステム」(それに添って行政の指導も、介護保険の単位も、学校のカリキュラム決められている)は、前提(統計的事実を無視して、必ずしも皆が目的としていないものを自明のごとく目的として)が間違っているうえに、物理的にも不可能(人も施設も)なことを、無責任に打ち上げているだけに思えます。もう時間がないのですから、在宅介護にこだわって、特養の待機者を放っておくのではなく、業態変更してでも空いている介護施設に入所させるとか、外国人介護職を受け入れる(現行発行されない就労VISAを発行して、福祉関係の大学を卒業した留学生を介護職として受け入れる)とか、色々方法はあると思います。
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Posted by ブクログ
これから、2025年の東京を考える1冊。急速に老いる都市、東京という一端を知ることができる。
待機児童の問題もあるけれど、働き方、生き方そのものを変えていく、仕組みづくり自体が大事だな、と思う一冊。金沢、北九州(福岡)くらいの都市機能を持つ都市こそ、未来を描きやすいのかもしれない。
(1)2025年において東京の介護需要不足は24.4万人。
(2)CCRC=Continuing Care Retirement Community(継続的なケア付きリタイアメント・コミュニティ)。介護ケア生活支援サービス付きの地域共同体。高齢者を主体的な存在として位置づけ、地域社会の担い手にする事。にシェア金沢において、高齢者、障害児、学生が互いに支え合う、見守り合うこと。…学生は何かのボランティアを行う事を条件に賃貸料が相場の半額。
(3)30%の人が参加してくれれば、全員が納得出来るようになる。一番大事なのは情報をきちんと全員に伝えること。