増田寛也のレビュー一覧
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「地方消滅」の増田寛也氏。
富田和彦氏については、よく知らない。
その二人の対談集。
面白かったのは、京丹後市が2015年3月に全国第一号で策定した「地方版人口ビジョン」についての話。
(p12 第1章 消滅危機の実態とチャンス)
2060年には、現在の人口5万8千人が約3割増えて、7万5千人に増えると書いてあるそうだ。
増田氏の地方創生会議の試算では、41%減の3万5千人としているにもかかわらずである。
地方創生会議による将来推計と、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来推計の違いは社会的移動の取り扱いだけなので、社人研予測でも、10年程度遅れて創生会議予測とおなじ結果が現れる -
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ミクロではなくマクロとしての創生戦略の議論
「地方消滅」(2014年)で新書大賞を受賞した増田寛也氏と、「なぜローカル経済から日本は蘇るのか-GとLの経済成長戦略」(2014)の著者冨山和彦氏の対談が新書形式でまとめられたもの。
第一章では、地方消滅(人口減少)という不都合な真実を、行政はじめ受け入れることが容易ではないことが議論されている。特に、夫婦共働きで500万円を稼げる「質の高い」仕事を増やすことが大事という議論には納得できる。工業団地を整備して工場を誘致して一定の転出抑制効果はあっても、いわゆる頭のよい学生の流出は避けられない。また、冨山氏は、「あえて里山を選ぶ若者も一部いるとは思い -
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ネタバレ地方消滅を読み、それに対する施策も気になったため。
「まとめ」
・地方はミニチュアの東京ではなく、あくまで地方独自の優位性を目指すべきである。
・対して東京は世界の先進各国に負けないグローバルな都市を目指していくべき
・上記二つの住み分けがあるため、その輩出機関としての大学も、その役割を見直す時期にきているのでは?
「感想」
・結局地方のイノベーションは地方の人材にしか起こせなく、仮にコンサルなど外部から起こしても本質的に意味がないと考えている。そのあたりも踏まえて、短期長期それぞれの具体的な人材戦略をもっと深掘りして欲しかった。
「学び」
結局戦略を実行できるのは、ヒトモノカネ情報が必要分 -
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2040年以降は高齢化率は40%くらいで安定する。
田舎は先に高齢化、東京は遅れて高齢化。
医療機関の入院ニーズは、75歳以上の高齢者数に連動。
2040年以降は、入院ニーズが減少する地域もある。
地方からの若者の供給が途絶える。
今後増える要介護認定者の6割は都会。
医療サービスと介護受け入れ能力=別府市、函館市。
二次医療圏
大都市では北九州市。
地方都市では、室蘭、別府、高知、大牟田、秋田、松江、旭川、帯広、釧路、弘前、鳥栖、上越、宮古島、米子、岡山、坂出、三豊、松山。
CCRC(継続的なケア付きリタイアメントコミュニティー)
シェア金沢。ゆいまーる那須
茅野市は人口増。医療を求 -
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いま、東京圏は若年層の流入により高齢化率は低い水準にとどまっているが、こうした情況がいつまでも続くわけではない。2020年には東京も高齢化率が26%を超え、その後急激な高齢化局面に突入する。若者流入が依然続くとしても、団塊の世代をはじめ東京圏在住者が大量に高齢期を迎えるからである。本書では東京圏の高齢化の危機を回避するため課題、方策について考察する。介護保険制度の持続可能性、全国各地の医療・介護の余力、生涯活躍のまち(日本版CCRC)の先進事例などにスポットをあてながら、一極集中で経済発展するモデルを脱却し、地方がその多様性や個性や特色を活かして経済発展するモデルへと転換すべき時期であることを
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前作が話題作であったため、その続編ということで遅ればせながら読んでみました。前作の著者である増田寛也氏と企業再生の分野で著名な冨山和彦氏の対談という形式です。
少し物足りないというか、前作がデータを基にした予測と処方箋という内容であったし、創生戦略と銘打っていますので、もう少し具体的な内容が書かれているのか思いましたが、そういう面では若干期待していた内容とは違ったかな、という印象です。
前作は賛否ありましたが、人口動態はある程度決まった将来像が見えてきます。そのため、これを前提とした対策・政策の必要性は大いに感じます。
引き続き、注目していきたいと思っています。
・(増田)地域の企業や住民 -
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産業がなくこのままでは消滅してしまう自治体、また産業があってもうまく活用できていない自治体が、様々なアイデアで地方創成に取り組みます。
10の事例(自治体)があり、離れた立場から客観的に感想を述べさせてもらうとアイデア自体は独創的なものはほとんどありません。ただ、そのアイデアを沈みかかった自治体で実施するには相当なパワーが必要だったはずです。アイデアがあっても、実施するためには町民、村民の力が必要であり、それらの人を納得させ実行に移すことが大変だったことは容易に想像できます。担当者には拍手を送りたいです。
本の内容としては事例紹介がメインになり、とりあげている自治体は結構特徴のあるところばかり