宇山佳佑のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
印象的なタイトルと表紙に惹かれて、思わず手に取った一冊でした。
事故によって失われるはずだった命を繋ぐ「ライフシェアリング」。二人合わせて残り20年というあまりに短い歳月を彼らがどう生きていくのか、祈るような気持ちで読み進めました。
命の残り時間を共有する中で、当初は価値観のズレから衝突し、互いに命を奪い合うような痛々しい場面もあります。しかし、最終的に二人が選んだのは、相手の幸せや夢を守るための「切なくも気高い決断」でした。
美しい文体で綴られるからこそ、その決断の重みが際立ちます。特に若い世代の方々にとって、命のあり方を深く見つめ直すきっかけになるような、胸に迫る作品です。 -
Posted by ブクログ
この作品は、タイトルどおり“雨”がとても印象的で、静かで切ない恋を丁寧に描いた物語だと感じました。派手な展開があるわけではないのに、登場人物の心の揺れや想いがじんわり伝わってきて、読んでいるうちに胸がぎゅっとなります。
特に、うまく言葉にできない気持ちや、相手を思うからこそ踏み出せない不安がリアルで、「分かる…」と思う場面が多かったです。雨の描写が、悲しさだけじゃなくて、優しさや温もり、そして希望も表しているように感じて、この恋が“美しい”と言われる理由が分かる気がしました。
読み終わったあとも余韻が残って、
「恋って苦しいけど、それでも大切なものなんだな」
と思わせてくれる一冊でした。
静か -
Posted by ブクログ
書店で手に取ったのは、表紙がまず青なのと(そこ重要!)、タイトルに一目惚れしたからです。
宇山佳佑さんのお話はファンタスティックなところもあるので、どんなラブストーリーを紡いでいくんだろうと読む前からワクワクしていました。(長いこと積読してました)
靴職人を目指す歩橙は、ボロボロの靴を履いた青緒に好意をよせる。そして歩橙の幼なじみの桃葉の登場に、早々から波乱万丈な幕開けだなぁなんて勝手にハラハラ。
青緒の身に降りかかる病も人生も、とても辛いものであるのに、生き抜く力はとても強かった。彼女が泣いたり怒ったり笑ったりする姿に胸が熱くなって、時にギュッと苦しくなって何度も涙を誘います。