宇山佳佑のレビュー一覧
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久しぶりに本で泣いてしまいました。
時間の大切さや伝えたいことが明白でストレートに表現しているので心情や感情の揺れ動きは分かりやすかったです。
このストーリーはとても切ないのですが、そのどこにも行き場の無い思いの切なさ、取り返しのつかない
すれ違い、儚く散っていく恋の美しい物語でした。
泣きたい小説を読みたい人にお勧めです!!!! -
ネタバレ
兄が最高すぎる
美咲の兄が好きすぎる。妹の病気を治すために必死になりながらのたうち回る姿は痛々しくとても心に響くものがありました。ありとあらゆる方法を試して少しでも効果のあると思ったものを試して...結局病気を止めることはできなかったけど、そんな兄が病院を偽ってただ電気を流すだけの詐欺病院に引っかかって何百万とスられて困憊していたときに言った言葉がとても衝撃的で印象に残っています。その言葉を聞いた兄は自分の不甲斐なさに傷つきましたが同時にそれ以上に兄を救った言葉のように思いました。貴司は妹思いで自分の夢を犠牲にしてまで頑張ってきたので、今度は本当に貴司には幸せになってほしいですね。
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Posted by ブクログ
カメラマンの主人公と、美容師の彼女との恋を描いた切なく温かい物語。
一目惚れから始まるまっすぐな恋は、穏やかな恋愛ドラマとして進んでいくかと思いきや——
突然、彼女に“人より何十倍もの速さで老いてしまう難病”が発症し、2人の時間は一瞬で非情な方向へ進んでいきます。
どうしようもない不条理の前で、強がったり、優しくなれなかったり。
「大切だからこそ見せたくない姿」が胸を締めつけ、読みながら自分まで感情を揺さぶられる場面が多々ありました。
心理描写がとにかく細やかで、2人の心の揺れや弱さがそのまま伝わってきます。
そして読み進めるほどに、「あの時もっと優しくできたら」「あの言葉を言わなければ」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人の何十倍もの早さで年老いる病気を発症した美咲と、プロのカメラマンを目指す晴人の切ない恋物語。
年老いた姿をみられたくないと晴人を遠ざける美咲の心情が辛い。
美咲をサポートする兄の貴司やその妻綾乃も、なにかしてやれることはないだろうかと焦燥を感じながらも見守るしかできない。
もし自分や周りにいる家族、友達が同じ状況になってしまったら、と想像せずにはいられなかった。
美咲と晴人の最後の会話は切なかったが、この物語の儚さと美しさが詰まっていた。
大切な人との別れはいつやってくるかわからないから悔いを残さないようにしようと改めて思わせてくれる。
ただ登場人物のキャラが一人一人はっきりしているため小説 -
Posted by ブクログ
書店で手に取ったのは、表紙がまず青なのと(そこ重要!)、タイトルに一目惚れしたからです。
宇山佳佑さんのお話はファンタスティックなところもあるので、どんなラブストーリーを紡いでいくんだろうと読む前からワクワクしていました。(長いこと積読してました)
靴職人を目指す歩橙は、ボロボロの靴を履いた青緒に好意をよせる。そして歩橙の幼なじみの桃葉の登場に、早々から波乱万丈な幕開けだなぁなんて勝手にハラハラ。
青緒の身に降りかかる病も人生も、とても辛いものであるのに、生き抜く力はとても強かった。彼女が泣いたり怒ったり笑ったりする姿に胸が熱くなって、時にギュッと苦しくなって何度も涙を誘います。