萱野稔人のレビュー一覧

  • 超マクロ展望 世界経済の真実
    「交易条件」「利子率革命」「経済の金融化は終焉を意味する」など、各国の経済の成熟化への流れ、世界経済の潮流がかなり分かりやすく解説されている。

    水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」と併読するとかなりよし。
  • 超マクロ展望 世界経済の真実

    資本主義の変遷と金利•利子の歴史、ここからモデル化された枠組みを超えた現代経済を分析されています。
    特に、経済の本でありながら資本主義が終焉を迎えることに言及される点は見ものです。
  • NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために 悪を克服する哲学
    大前提として、こういう解説書は初学者には非常に良いと考えている。なぜなら、原文を読んでも意味がわからないことが多いからです。
    そういう意味では、私のような初学者には非常に心強い内容でした。

    カントは理想主義者ではなく、人間の暴力性を理解した上で、法によって政治をコントロールする必要があると考えてい...続きを読む
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
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    萱野  完全に居場所がないという状態だったんですね。で、その後、右翼団体にいくわけですね? 雨宮  はい。こういう言い方は変かもしれませんが、右翼はすごく居心地がよかったですね。ある意味、いまかかわっている労働組合と似た感じがあります。労働組合に入ってくる人たちも、ここではじめて人間に対す...続きを読む
  • 死刑 その哲学的考察
    この本を読んで最も学びになったことは、「死刑制度の是非は道徳的に確立することはできない」ということ。そして、公権力が冤罪をしてしまう可能性がある以上、死刑は取り返しのつかないものとなってしまう。だから死刑はやめるべきだということがよく理解できた。
    もう一つ!p35「『それはあなたの意見にすぎない』『...続きを読む
  • 名著ではじめる哲学入門
    哲学の一通りのテーマが学べて面白かった。
    特に連載物のため、1つ1つの著書に対して数ページ程度であるのが読みやすく、入門書にはピッタリ。
    哲学書では難解な言葉で書かれてイメージしにくい部分を噛み砕いて解説してくれてるので理解しやすくてとても良かったです。
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
    靖国神社に参拝したらリストカットがやんだ。

    という言葉が印象的でした。

    右翼活動や靖国参拝で自己肯定ができたのだと思います。

    自己肯定感は自分で培うものですが、初期の頃は他人からの肯定が必要です。

    それなのに世間も親も否定ばかり…

    自己否定感がなければ行動を起こしやすいのだけど。

    元日本...続きを読む
  • 死刑 その哲学的考察
    死刑反対、あるいは賛成の立場をあらかじめ表明した上で考察される関連書籍が多い中で、あくまでニュートラルな立ち位置から死刑制度について考える書籍。
  • NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために 悪を克服する哲学
    予習として読んだ。分かりやすい!単語の意味を当時の歴史的背景や学問的系譜を踏まえて解説してくださるので、これを読んでいた方が本文の理解が深まる。
  • 死刑 その哲学的考察
    感情論一切抜きで客観的に議論してて面白かった。死刑と社会への復讐目的で凶悪犯罪に及んだ事件とか詳細に言及されてて衝撃的でしたね。死刑を見直すきっかけになる一冊。
  • リベラリズムの終わり その限界と未来
    最近目に、または耳にする機会が増えた保守派(ナショナリズム?)の人たちのいうことに納得できない部分があったので、自分はリベラルだと思い込んでいたけど、そうではなく、私も立ち位置は彼らと同じで、違いはマインドの質だけだと気がついた。そして本書を読んで痛い所をたくさん突かれたような気持ちになった。
    考え...続きを読む
  • リベラリズムの終わり その限界と未来
    読みやすい
    身近な例がたくさん載っているので、学生にもわかり易かった!
    たしかに、同性婚ばかり取り上げられて一夫多妻などの結婚形態について言及していかないのか?など、リベラリズムの限界について学ぶこと、改めて考えることができた。
  • リベラリズムの終わり その限界と未来
    リベラリズムについてよく纏まっている。
    なぜそう考えるのか、他の考えとの比較、考察など十分。全体最適のまずさ、功罪についても深く理解できた。
  • リベラリズムの終わり その限界と未来
    著者とは、ほぼ同年代。
    マスメディアで扱われる政治情勢、学校教育で伝えられた政治情勢。苛つく内容が多く含まれていた。
    そうした違和感を、明確に文章の形で、掘り起こしてくれている。
    様々な受け止めは、時代、年齢にも大きく影響を受けるものだろうか。
    そんな疑問を持つほど、書かれている内容が、自らの感覚と...続きを読む
  • リベラリズムの終わり その限界と未来
    リベラル的な人々が嫌われる現象がすごくよくわかる。
    著者のいうリベラルの限界という補助線を用いると、ツイフェミとオタクの論争や少し前のベルクの喫煙論争におけるリベラル的な人々の欺瞞とそれに対する普通の人々の嫌悪感がよく説明できる。
    分配の限界という補助線を用いると経済政策が弱いことの致命性が見えてく...続きを読む
  • 死刑 その哲学的考察
    死刑という制度を哲学的観点から考察するという内容だったが、死刑制度に限らず多くの気づきをもらえた。

    OECDで死刑制度があるのは日本、アメリカ、韓国の3カ国で韓国では20年以上死刑を執行されていない状況を考えると事実上の廃止しているようなものだそう。

    なぜ国際的に死刑制度廃止の流れに向かっている...続きを読む
  • 死刑 その哲学的考察
    萱野が一貫しているのは、あらゆる論議は道徳の質量によって計られるべきではなく、哲学の援用によって論理的に導き出されなければならない。そして一定の結論を出すが、それは必ずしも絶対ではないかもしれないので、各人が論理的に解釈して是非を唱えてほしい、というものなのだけど、本書もそれに倣うだけでなく、専門分...続きを読む
  • 死刑 その哲学的考察
    哲学を専門としながら選挙などの制度面にも造詣の深い著者らしく、序盤は社会学的、中盤は哲学的、そして終盤は制度的アプローチにより死刑制度の是非を論じる視野の広いところを見せる。
    「死刑の是非は、道徳判断の本質が相対性にあることから道徳的には確定困難。制度的にみると、公権力に内在する構造的要因により死...続きを読む
  • カネと暴力の系譜学
    カネと暴力の関係、国家とはそもそもの仕組みやそこで動いているものの意味のようなものを説明する。説明の仕方はこれだけではないかもしれないけれど、かなり強力な説明の一つだと思う暴力という言葉が嫌なら強制力と置き換えても構わない。この運動のどこに問題があり、どこへ行くのか、それは大きな運動の中で問題として...続きを読む
  • 没落する文明
    縦(時間軸)に横(位置)に広範囲に渡って展開。東日本大震災は歴史上大きな転換点となっていることが分かる。