萱野稔人のレビュー一覧

  • 超マクロ展望 世界経済の真実

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    「交易条件」「利子率革命」「経済の金融化は終焉を意味する」など、各国の経済の成熟化への流れ、世界経済の潮流がかなり分かりやすく解説されている。

    水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」と併読するとかなりよし。

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    2023年10月10日
  • 超マクロ展望 世界経済の真実

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    資本主義の変遷と金利•利子の歴史、ここからモデル化された枠組みを超えた現代経済を分析されています。
    特に、経済の本でありながら資本主義が終焉を迎えることに言及される点は見ものです。

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    2023年10月03日
  • NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために 悪を克服する哲学

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    大前提として、こういう解説書は初学者には非常に良いと考えている。なぜなら、原文を読んでも意味がわからないことが多いからです。
    そういう意味では、私のような初学者には非常に心強い内容でした。

    カントは理想主義者ではなく、人間の暴力性を理解した上で、法によって政治をコントロールする必要があると考えている。
    また世界国家のようなものはうまく行かないと考えているような非常にリアリズムを持った哲学者でした。

    ロシアがウクライナを攻めている今、改めて世界のあり方を考えるための基本的な一冊になると思います。

    他方でカントの時代と大きく異なる点は、核兵器の存在で、カントの考えを引き継いだ哲学者たちが、核

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    2023年08月16日
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~

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    萱野  完全に居場所がないという状態だったんですね。で、その後、右翼団体にいくわけですね? 雨宮  はい。こういう言い方は変かもしれませんが、右翼はすごく居心地がよかったですね。ある意味、いまかかわっている労働組合と似た感じがあります。労働組合に入ってくる人たちも、ここではじめて人間に対する信頼感を取り戻せたというんです。「この人を蹴落とさなきゃ」とか「競争しなきゃ」とかいう感情ぬきで、はじめて人と話すことができた、と。私にとっては、そういう体験をしたのは右翼団体がはじめてだったん



    右翼にいったのは、いまから分析すると、「誰にもどこにも必要とされてない」という心情とすごく関係が

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    2023年07月06日
  • 名著ではじめる哲学入門

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    哲学の一通りのテーマが学べて面白かった。
    特に連載物のため、1つ1つの著書に対して数ページ程度であるのが読みやすく、入門書にはピッタリ。
    哲学書では難解な言葉で書かれてイメージしにくい部分を噛み砕いて解説してくれてるので理解しやすくてとても良かったです。

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    2022年04月10日
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~

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    靖国神社に参拝したらリストカットがやんだ。

    という言葉が印象的でした。

    右翼活動や靖国参拝で自己肯定ができたのだと思います。

    自己肯定感は自分で培うものですが、初期の頃は他人からの肯定が必要です。

    それなのに世間も親も否定ばかり…

    自己否定感がなければ行動を起こしやすいのだけど。

    元日本一のニートphaさんは自己責任は50%と言っています。

    残り50%は誰の責任かを知れば自分を責めて生きづらくなることもないのではないでしょうか。

    残り50%を責めること=右翼活動やアメリカ批判でもアリだと思いました。

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    2022年02月15日
  • 死刑 その哲学的考察

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    死刑反対、あるいは賛成の立場をあらかじめ表明した上で考察される関連書籍が多い中で、あくまでニュートラルな立ち位置から死刑制度について考える書籍。

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    2022年01月30日
  • NHK「100分de名著」ブックス カント 永遠平和のために 悪を克服する哲学

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    予習として読んだ。分かりやすい!単語の意味を当時の歴史的背景や学問的系譜を踏まえて解説してくださるので、これを読んでいた方が本文の理解が深まる。

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    2021年06月29日
  • 死刑 その哲学的考察

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    感情論一切抜きで客観的に議論してて面白かった。死刑と社会への復讐目的で凶悪犯罪に及んだ事件とか詳細に言及されてて衝撃的でしたね。死刑を見直すきっかけになる一冊。

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    2021年05月15日
  • リベラリズムの終わり その限界と未来

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    最近目に、または耳にする機会が増えた保守派(ナショナリズム?)の人たちのいうことに納得できない部分があったので、自分はリベラルだと思い込んでいたけど、そうではなく、私も立ち位置は彼らと同じで、違いはマインドの質だけだと気がついた。そして本書を読んで痛い所をたくさん突かれたような気持ちになった。
    考え直す機会ができた。
    読んで良かった。

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    2020年06月27日
  • リベラリズムの終わり その限界と未来

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    読みやすい
    身近な例がたくさん載っているので、学生にもわかり易かった!
    たしかに、同性婚ばかり取り上げられて一夫多妻などの結婚形態について言及していかないのか?など、リベラリズムの限界について学ぶこと、改めて考えることができた。

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    2020年04月05日
  • リベラリズムの終わり その限界と未来

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    リベラリズムについてよく纏まっている。
    なぜそう考えるのか、他の考えとの比較、考察など十分。全体最適のまずさ、功罪についても深く理解できた。

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    2020年03月08日
  • リベラリズムの終わり その限界と未来

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    著者とは、ほぼ同年代。
    マスメディアで扱われる政治情勢、学校教育で伝えられた政治情勢。苛つく内容が多く含まれていた。
    そうした違和感を、明確に文章の形で、掘り起こしてくれている。
    様々な受け止めは、時代、年齢にも大きく影響を受けるものだろうか。
    そんな疑問を持つほど、書かれている内容が、自らの感覚と近い。素晴らしい。

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    2020年02月21日
  • リベラリズムの終わり その限界と未来

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    リベラル的な人々が嫌われる現象がすごくよくわかる。
    著者のいうリベラルの限界という補助線を用いると、ツイフェミとオタクの論争や少し前のベルクの喫煙論争におけるリベラル的な人々の欺瞞とそれに対する普通の人々の嫌悪感がよく説明できる。
    分配の限界という補助線を用いると経済政策が弱いことの致命性が見えてくるし、マクシミン戦略の誤謬という補助線はリベラル的な人々がネトウヨを嘲る際の「想像力が足りない」という紋切り型が表層的であることを看破させる。
    著者が意図した以上にリベラルが自らを省みるのに役に立つ本である。とりま、立憲より左の方の人たちは全員読むべき。左に行けば行くほど読むべき。だがこういう本当の

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    2019年12月31日
  • 死刑 その哲学的考察

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    死刑という制度を哲学的観点から考察するという内容だったが、死刑制度に限らず多くの気づきをもらえた。

    OECDで死刑制度があるのは日本、アメリカ、韓国の3カ国で韓国では20年以上死刑を執行されていない状況を考えると事実上の廃止しているようなものだそう。

    なぜ国際的に死刑制度廃止の流れに向かっているのか?
    そんな中なぜ日本が死刑制度を続けているのか?
    死刑はなんのためにあるのか?
    死刑は必要なのか?

    様々な疑問があふれてきたが、できる限り中立的な立場で哲学や道徳論など様々な観点から死刑制度について考察されていたおかげで自分なりの答えがみつかった。

    個人的には、死刑に対する考えだけでなく、「

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    2019年11月15日
  • 死刑 その哲学的考察

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    ネタバレ

    哲学を専門としながら選挙などの制度面にも造詣の深い著者らしく、序盤は社会学的、中盤は哲学的、そして終盤は制度的アプローチにより死刑制度の是非を論じる視野の広いところを見せる。
    「死刑の是非は、道徳判断の本質が相対性にあることから道徳的には確定困難。制度的にみると、公権力に内在する構造的要因により死刑は冤罪リスクと無縁ではありえないため、死刑は廃止し終身刑の導入を検討すべき」と端折ってしまえば身も蓋もないが、そこに至る筋道は簡便ながら説得力あり。特に中盤、カントの「同等性原理」や定言命法・仮言命法を引き合いとしながら、道徳判断の相対性から判断根拠の普遍性を際立たせる下りは、込み入っているがなか

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    2018年03月11日
  • カネと暴力の系譜学

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    カネと暴力の関係、国家とはそもそもの仕組みやそこで動いているものの意味のようなものを説明する。説明の仕方はこれだけではないかもしれないけれど、かなり強力な説明の一つだと思う暴力という言葉が嫌なら強制力と置き換えても構わない。この運動のどこに問題があり、どこへ行くのか、それは大きな運動の中で問題として扱えるのかどうやってそれを担保するのか読んでいると様々な問いが出てくる。そういう疑問が湧くということはいい本なんだと思う。

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    2017年12月18日
  • 没落する文明

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    ネタバレ

    縦(時間軸)に横(位置)に広範囲に渡って展開。東日本大震災は歴史上大きな転換点となっていることが分かる。

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    2017年12月27日
  • 超マクロ展望 世界経済の真実

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    原油価格を巡っての先進国と新興国の交易条件が変化し、これにより変動費が高騰したため、景気の変動とは関係なく、固定費、つまり賃金を引き上げられなくなった。これに対し、アメリカは実物経済の比率を下げ、金融経済のレバレッジにより国家経済を巻き返そうとした。ヨーロッパも同様だが、レバレッジ係数はヨーロッパの方が高い。しかし、この金融経済が破綻したのが、リーマンショック。現在の不景気モデルは、この通り、新興国が原油価格に対しての発言権を強めた事にある。

    また、イラク戦争にも、原油を巡っての参戦要素がある。湾岸戦争以降の経済制裁より、イラクの石油の売上は国連が管理していたが、フセインがこの口座資金をドル

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    2016年04月26日
  • 成長なき時代のナショナリズム

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    若手の論客として注目を集める著者の本を初めて読んだが、新書なので短かくて読みやすく、コンパクトで切れ味鋭い論理に説得力があった。特に、これからの世界を成長なき時代と位置付けて、その中で私たちは格差是正などのリアリティある対策を考えなければならないという指摘は、重要である。

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    2016年02月07日