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自由を尊重し、富の再分配を目指すリベラリズムが世界中で嫌われている。米国のトランプ現象、欧州の極右政権台頭、日本の右傾化はその象徴だ。リベラル派は、国民の知的劣化に原因を求めるが、リベラリズムには、機能不全に陥らざるをえない思想的限界がある。これまで過大評価されすぎたのだ。リベラリズムを適用できない現代社会の実状を哲学的に考察。注目の哲学者がリベラリズムの根底を覆す。
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Posted by ブクログ
最近目に、または耳にする機会が増えた保守派(ナショナリズム?)の人たちのいうことに納得できない部分があったので、自分はリベラルだと思い込んでいたけど、そうではなく、私も立ち位置は彼らと同じで、違いはマインドの質だけだと気がついた。そして本書を読んで痛い所をたくさん突かれたような気持ちになった。 考え...続きを読む直す機会ができた。 読んで良かった。
読みやすい 身近な例がたくさん載っているので、学生にもわかり易かった! たしかに、同性婚ばかり取り上げられて一夫多妻などの結婚形態について言及していかないのか?など、リベラリズムの限界について学ぶこと、改めて考えることができた。
リベラリズムについてよく纏まっている。 なぜそう考えるのか、他の考えとの比較、考察など十分。全体最適のまずさ、功罪についても深く理解できた。
著者とは、ほぼ同年代。 マスメディアで扱われる政治情勢、学校教育で伝えられた政治情勢。苛つく内容が多く含まれていた。 そうした違和感を、明確に文章の形で、掘り起こしてくれている。 様々な受け止めは、時代、年齢にも大きく影響を受けるものだろうか。 そんな疑問を持つほど、書かれている内容が、自らの感覚と...続きを読む近い。素晴らしい。
リベラル的な人々が嫌われる現象がすごくよくわかる。 著者のいうリベラルの限界という補助線を用いると、ツイフェミとオタクの論争や少し前のベルクの喫煙論争におけるリベラル的な人々の欺瞞とそれに対する普通の人々の嫌悪感がよく説明できる。 分配の限界という補助線を用いると経済政策が弱いことの致命性が見えてく...続きを読むるし、マクシミン戦略の誤謬という補助線はリベラル的な人々がネトウヨを嘲る際の「想像力が足りない」という紋切り型が表層的であることを看破させる。 著者が意図した以上にリベラルが自らを省みるのに役に立つ本である。とりま、立憲より左の方の人たちは全員読むべき。左に行けば行くほど読むべき。だがこういう本当のことを看破する内容の本は左に行けば行くほど読まれないだろう。
同性婚が認められるべきなら、一夫多妻婚も認められるべき。一夫多妻婚を自ら選択しようとする個人の自由が制限されるべきでない。また、本人の同意があるなら、近親婚の自由も認められるべき。リベラリズムは一夫多妻婚も近親婚も否定できない。しかしリベラル派は同性婚は認められるべきだが、一夫多妻婚や近親婚は認めな...続きを読むい。結局は、結婚をめぐる規範意識がまずあって、その規範意識のもとで自分たちが認めたい結婚に対してのみリベラリズムを適用しているにすぎない。p.54『リベラリズムの終わり』 ****** 『権力の読み方』★3 『名著ではじめる哲学入門』★3
《紹介と感想》 リベラリズム――他者に迷惑をかけない範囲で個人は自由であり、社会はその自由を制限してはならないという原理――の限界を哲学的に論じた本。リベラリズムは理想論的で社会に余裕がなくなると成立し得ない考え方であるということ。雑に言えば「リベラリズムを徹底すると社会がめちゃくちゃになり得る」と...続きを読むいうことだろうか。今風に言えば「持続可能性に乏しい」とも表現できるだろう。予備知識不要で素人の私でも読みやすかった。著者の読者への配慮が随所に見られる良い文章だと感じた。 《関連する書籍》 御田寺圭『ただしさに殺されないために』 御田寺圭『矛盾社会序説』 《メモ》 ①リベラリズムとは「他人に迷惑や危害を加えない限り、たとえその行為が他人にとって不愉快であったとしても、社会は個人の自由を制限してはならない」という哲学的原理。 ②もし「先天異常の子どもが生まれるリスクが高まる」という理由で近親婚を禁止するのであれば、同じ理由で一定年齢以上の結婚も禁止すべきということになりかねない。 ③インセスト・タブー(近親相姦の禁忌)は、家族を成り立たせ、結婚を成り立たせ、人間集団のあいだで協力関係を構築することも可能にしている。 ④我々の社会には、リベラリズムの原理を適用すべき要件を満たしていても、それを適用することがどうしてもはばかられる事柄がたしかにある。そしてそうした事柄ほどより根源的な秩序原理として社会を成り立たせている。 ⑤リベラリズムの限界とは、パイの配分を手厚くすべきというリベラリズムの考えはパイが拡大しているときにしか説得力をもたない、という限界。
最近、個人の自由を重んじる、リベラル派の人たちへの批判が高まっている。それはなぜか?彼らがよって立つ思想「リベラリズム」を考察し、その“限界”を解き明かした書籍。 「リベラリズム(自由主義)」とは、「できる限り個々人の自由を尊重すべきだ」とする考え方のことである。 リベラル派の人たちは、同性婚を...続きを読む認める一方で、一夫多妻婚は認めない。 その根底には「結婚とはこういうものであるべきだ」という“規範意識”がある。 リベラリズムは、この根源的な規範意識を超えてまで機能しない。ここに、リベラリズムの“限界”がある。 近年、人々が「右傾化」してきたといわれる。 その根底には、例えば、国の財源が厳しい中で、法的に受給資格のない外国人が生活保護費を受給することなどに対する問題意識がある。 つまり、パイの縮小に対する危機意識が広がっている。 現代の右傾化現象は、政治哲学的には「功利主義」の拡大・激化として捉えられる。 功利主義とは、全体的な利益を考慮して、その全体的な利益が最大になるよう行為すべきと考える立場のこと。 人々の間に、パイの縮小に対する危機意識が広がるのに伴い、リベラル派に対する批判も高まっている。なぜならリベラル派は、パイの分配を手厚くすべきだという立場に立つから。その考えが、パイの縮小に対する危機意識と対立するのは明らか。 パイの分配を手厚くすべきというリベラリズムの考え方は、経済が成長していて、パイが潤沢にある時にしか説得力を持たない。ここに、現代のリベラリズムの大きな限界がある。
第1章 私達はリベラリズムをどこまで徹底できるのか リベラルがやりがちなダブルスタンダード 第2章 リベラリズムはなぜ「弱者救済」でつまづいてしまうのか リベラルは給付を厚くするよう主張するが、その原資(増税)については触れない
リベラル的な人々が嫌われる現象をロジカルに分析した本。 欧米でリベラルが退潮な理由の一端をよく表している。 リベラル=理想、保守=現実という風に見ると、リベラルは理想を通り越して「お花畑」「夢想」の域まで行っちゃってる事例が多いと考えます。 本の中で書かれてませんが、日本の場合は民主主義を破壊する...続きを読む社会主義・共産主義的な人間が「リベラル」を名乗ってしまっているので、前提が成り立たない部分があると考えます。
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リベラリズムの終わり その限界と未来
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