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3.11で我々に突きつけられたのは、文明の限界である。人間がテクノロジーによって自然を飼いならし、開拓し続けることには限界があり、終わりなき成長は夢でしかないと露呈した。早晩、世界が直面するであろう文明の壁に真っ先にぶつかった日本。国家と資本主義の構造を原理的に問い直してきた哲学者と、リスクと社会の相互作用を論じてきた科学史家が、天災・テクノロジー・エネルギー・経済成長の関係を人類史的に読解しながら、日本が描くべき新しい時代へのヴィジョンを提示する。【目次】はじめに 菅野稔人/第一章 天災が日本人をつくってきた/第二章 テクノロジー・権力・リスク/第三章 テクノロジーはどこへ行くのか/第四章 エネルギーと経済のダイナミズム/第五章 国力のパラダイム・シフト/おわりに 神里達博
...続きを読むPosted by ブクログ 2012年03月02日
○日本では決定が特定の人間やグルー ブによって明示的になされないので、責任ということもなかなか問題になりません。
○日本には予期せぬ災害によって社会体制を切り替えるような文化的なDNA
がある。自然災害が権力の代わりになってしまっている。日本には自然主義的アナーキズムみたいなDNAがある。...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月12日
産業革命によって、世の中は本当に変わってしまったんでしょうね、という歴史を簡潔に紐解いていくところがメインなんですかね。いろんな話に及んでますが。このあと、科学と技術が融合することによる社会変化ってところにも焦点があたってるんですが、日本にとっても明治は人間そのものを変えてしまいましたから、しかし、...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年08月28日
エネルギーのポテンシャルを使い果たすと文明は失速する。あたらしいテクノロジーが出てこなければブレークスルーもない。そうするとしばらくは停滞する、というか没落する。そして日本は古くから災害で攪乱されて変化を起こしてきた。となればいまは、まさにそんなときではないか。傘を発明したから天気を気にする必要が出...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年01月10日
資本主義は成長をし続ける宿命にある。
資本主義を加速させようとする人はそのことをよく理解している。
そしてそれに異を唱える人をナイーヴのように評価する。
しかし実のどころナイーヴなのは無批判に資本主義に乗っかったままの人だったりする。
資本主義は構造的に早晩限界を迎えることを理解していないのだ。...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月23日
3.11に起きた地震と大津波は、私たちの生活が自然環境という、人間の力ではどうにもならない条件のもとでかろうじて成り立っていることを再認識させた。
国家と資本主義の構造を原理的に問い直してきた哲学者 萱野稔人と、リスクと社会の相互作用を論じてきた科学史者 神里達博が、天災、テクノロジーなどについて、...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年10月30日
対談本なのですっと読み切れてしまうがなかなか面白い指摘が多い
長いスパンで日本史(といっても有史より前も含むが)を見ると大災害が歴史的変換点の起点になっている、ということか。
日本では革命の代わりに大災害が起こっている感じが近いのか。
大災害にさらされてきた日本人はその無力感により基本的に反権力であ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年07月31日
地震や火山活動、台風などによって日本の統治システムが瓦解していくことは、実は珍しいことではない。江戸幕府が倒れたのも、黒船よりも安政の大地震によって既存の統治機構の信頼性が揺らいだからと言われている。
果たして、東日本大震災後の日本社会はどうだろうか。誰も今の政府の言うことなんか信じちゃいない。そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年06月17日
景気循環だとか、資本主義の限界だとか言われている今日この頃ですが、
そんなスケールの話ではなく、
今の化石燃料をベースとした文明の終わりを
我々は、今まさに経験しているのだということを、
萱野氏と神里氏が対談で確認している。
萱野氏の超マクロな視点と
神里氏の科学史的視点が、
今まさに転換点である...続きを読む
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